開業者インタビュー

本場シンガポールの味を再現する“ラクサ”の専門店。今や1日最大100人をキャッチする話題店へ!

小幡 奈久美さん/茂木 典子さん
本場シンガポールの味を再現する“ラクサ”の専門店。今や1日最大100人をキャッチする話題店へ!

飲食未経験の女性2人が
日本初のラクサ専門店をオープン!

流行の発信地として知られる東京・原宿は、近年目まぐるしい変化を遂げている。特に海外で話題のフードトレンドショップが数多く上陸し、多様な食文化が混在する街として成熟した印象だ。そんな原宿で2015年10月31日に誕生したのが、ラクサ専門店の「SINGAPORE HOLIC LAKSA(シンガポール ホリック ラクサ)」。
聞き慣れない人も多いだろう「ラクサ」とは、シンガポールをはじめとする東南アジアで食べられるポピュラーな麺料理のこと。中国南部とマレー半島の料理をミックスして生まれた、ニョニャ(プラナカン)料理の代表格で、日本にご当地ラーメンがあるように、ラクサも地域によってさまざまな種類があると言われる。同店で提供するのは、そのなかでもシンガポールで食される「カトソラクサ」。海老の出汁をベースに、ココナッツミルクやスパイスを混ぜ合わせたスープと、米粉主体の麺を食べる国民食だ。
日本でもラクサはシンガポール料理店などで提供されているが、専門店は日本初。まだ馴染みのない食文化の普及を目指すのは、高校時代から親交の深い小幡奈久美さんと茂木典子さんの2人だ。

日本とシンガポールを往来し
現地シェフ直伝のラクサを開発

「シンガポール旅行でラクサに惹かれました」と小幡さん。帰国後、日本のシンガポール料理店でラクサを食べた際、現地とは味がまったく異なることを知り、本場の味を広めたいとの想いが強まったという。しかし、2人とも飲食店での経験はゼロ。新たなチャレンジであった。
「はじめはインターネットでレシピを探して試作しました。けれどやっぱり本場の味にはほど遠かったですね」(小幡さん)。そこでシンガポールのホーカーズ(屋台)に店を持つシェフを紹介してもらい、レシピを教わった。一方日本で店を開くにあたり、国内で調達できる食材で再現しなければないため、日本で調理した上での課題を持って再度シンガポールへ行くということを、3ヵ月間で4回ほど繰り返した。
味のキーとなる海老出汁が完成し、次は麺の開発にも着手。麺はロング麺とショートパスタのようなショート麺の2種あるが、問題はショート麺だった。「ロング麺は乾麺があるのですが、ショート麺は一から作る必要がありました。そのため製麺所を回って製造をお願いしたのですが、断られ続けました」と小幡さん。そこで生地をセットするだけで麺の切り出しをする“押し出し式”の製麺機を購入し、店内製造することで問題をクリアにした。

ラクサを知ってもらうために
原宿への出店を貫く

レシピ開発と同時に進めたのが、物件探しだ。流行に敏感な人が集まる場所なら、まだまだ認知度の低いラクサでも関心を持ってもらいやすく、さらには普及するスピード感も早いだろうと、出店立地を原宿に限定。2人で店を回すことを考え10坪前後を条件に、インターネットや近隣不動産を回って探した。難点はラクサの調理法にあり、海老出汁を作る際は揚げ炒めするため煙や匂いが出る。つまり重飲食許可のある物件でなければ、契約が難しかったことがネックとなり、なかなか思うような物件が出なかった。
「原宿がダメならと六本木、渋谷、下北沢も探しました。けれどやはりラクサを広く知っていただくこと、手軽に味わってもらうことを考えると、原宿という立地がベストだろうと思い直しました」(小幡さん)
ABC店舗のサイトから見つけた現物件は、元ハワイアンケーキショップ。手頃な広さであり、場所も裏通りながら集客力のあるショップが界隈に多いことが決め手となった。
冷蔵庫、3口コンロ、湯沸かし器は譲渡されたが、店頭にあったケーキを陳列するショーケースは使わないため売却。これだけで10万円になったという。内装は地元の友人に依頼。ティファニーブルーのストライプは、原宿の竹下通りにある店のストライプの幅を参考にデザインした。また、店のロゴはクラウドソーシングサイト「ランサーズ」を活用し、ロゴデザインを安くデザインしてもらうなど、趣向を凝らして店を完成させた。

1日最大100人を集める
超人気店へと成長中!

メニューはS、M、Lから選べる「ラクサ」と「ラクサ&チキンライスセット」、「チキンライス」、ラクサスープがつく「チキンライスセット」、海老やショウガのたれをまぜて食べる混ぜ麺「シャンユーメン」で構成。全メニューテイクアウトができ、ランチタイムに買っていく近隣会社員も多い。また、ココナッツオイルと東洋のバニラエッセンスと呼ばれるパンダンリーフをまぜたジャムを、パンでサンドした「カヤトースト」も好評。食事利用だけでなくカフェ利用もでき、現在は平日50〜60人、土日には100人を集客する人気店となっている。
「店名のホリックとは中毒を意味しています。ゆくゆくは『シンガポール ホリック』ブランドでの横展開が目標。まずはラクサでシンガポール中毒にして、次は例えばチキンライスなど、さまざまなシンガポールの食文化を発信していきたいですね」と小幡さんは夢を語った。
(取材日:2017年2月8日)

小幡 奈久美(左)さん/茂木 典子(右)さん
高校のときに知り合って以来、親友に。高校卒業後、小幡さんはアルバイトを、茂木さんはアルバイト、会社員を経てワーキングホリデーでオーストラリアに4年滞在。年に1回は一緒に海外旅行に行く、旅行好き。2014年に訪れたシンガポールで「ラクサ」と出会い、日本で本場の味を広めたいと「SINGAPORE HOLIC LAKSA(シンガポール ホリック ラクサ)」を2015年10月、東京・原宿で開業する。

SINGAPORE HOLIC LAKSA
住所:渋谷区神宮前1-13-21
TEL:03-6804-1833
営業時間:11:00〜20:00
定休日:無休
店舗情報:HPFacebook食べログ


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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この記事で紹介された人
小幡 奈久美さん/茂木 典子さん

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