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アニサキスの予防対策5つ|食中毒の原因を除去して営業停止を回避

アニサキスの予防対策5つ|食中毒の原因を除去して営業停止を回避

日本では生魚を食べる文化があるため、食中毒になるリスクがとても高いという事実をご存知ですか?
その食中毒のうち、一番多い原因にアニサキスが挙げられます。
中にはアニサキスの食中毒を起こして、営業停止になったお店もあります。
しかし、適切な予防をすればアニサキス症になる心配はありません。
この記事ではアニサキスの予防対策についてご紹介していきます。

アニサキスとは

アニサキスは生きた魚介類の内臓に生息する寄生虫のこと。
このアニサキスを生きたまま食べてしまうことによって、食中毒を引き起こしてしまいます。
さらに、食中毒は年々増加傾向にあります。
どんな魚にも寄生している恐れがあるので、適切な処理を施しましょう。

アニサキスが寄生しやすい魚

アニサキスは大きさが2~3㎝、幅が0.5~1㎜程。
クジラやイルカの胃や腸に生息していることが多く、生息範囲を広げるため、クジラやイルカの糞と共に卵を放出していきます。
そうやって宿主を変えながら、最終的にクジラやイルカの腸に戻っていきます。
アニサキスはどんな魚にも寄生している可能性がありますが、その中でも特にアニサキスが寄生しやすいと言われる魚が以下です。

<アニサキスが寄生しやすい魚>
・サバ
・イカ
・サンマ
・カツオ
・イワシ
・アジ

アニサキス症の症状

アニサキスが原因で引き起こされる食中毒には2種類があります。
それぞれどのような症状を引き起こすのかご説明します。アニサキスを予防することも大切ですが、万が一のことも考えて確認しておきましょう。

<アニサキス症の症状>
・急性胃アニサキス症
食後数時間~10数時間後に、みぞおちに激しい痛みを感じます。さらに悪心、嘔吐を生じることも。
・急性腸アニサキス症
食後10数時間後~数日後に、激しい下腹部の痛み、腹膜炎症状を引き起こします。

アニサキス症で営業停止に

経営する飲食店が提供した飲食物が原因で、アニサキスによる食中毒などの健康被害が生じた場合は食品衛生法に基づき、下記の事例のように営業停止の処分を受けます。

事例1
刺身セット(いか、さば、まぐろ)、にぎり盛合せ(いか、まぐろ、ほっき貝、生えび、かに、いくら、うに等)を飲食店で食べた男性が、その食事の1日後に腹痛を引き起こした。
病院で診察すると、患者から摘出された虫体がアニサキスと鑑別された。
原因となる生鮮魚介類がその飲食店から提供されたものだったため、店は2日間の営業停止処分に。

事例2
そば店でヒラメの刺身、マグロの刺身、うなぎのきも焼き等を食べた男性が、翌日に腹痛と吐き気を訴えた。
病院の診察で、患者の胃からアニサキスが摘出された。
潜伏期間内に鮮魚介類を生で喫食したのは、そのそば店のみだった。
そば店は1日間の営業停止処分になった。

一度店側の責任で食中毒を引き起こしてしまうと、信頼を大きく失うことになります。
このようなことが起こらないよう、お店は予防の徹底をすることが必須になるでしょう。

アニサキス症の予防対策

すでにご存知の方法があるかもしれませんが、アニサキス症の予防にはいくつかの方法があります。リスクを可能な限り避けるためにも、一つ一つしっかり理解をして万全の予防対策をするよう心がけましょう。
<アニサキス症の予防対策>
・新鮮な魚を選び内蔵を取り除く
・目視で幼虫を確認する
・冷凍する
・加熱する
・切り刻む

訪れた飲食店でなんとなく見かけたことがある調理方法もあるかもしれませんね。
次項でそれぞれの項目について、詳しく解説していきます。

①新鮮な魚を選び内蔵を取り除く

アニサキスは魚の内臓に多く寄生しているため、生の内臓を食べないようにしましょう。
そして、アニサキスは宿主の鮮度が落ちるにつれて、内臓から周りの筋肉に移り始めます。
そのため、できるだけ鮮度の良いものを選び、早めに内臓の処理を行うことが必要でしょう。
取り除いた内臓は、まな板などに置かず直接ゴミ箱に捨てるようにしてください。

というのも、アニサキスは移動が速いため、ちょっとの時間でも別の食材に寄生する恐れがあります。
内臓を除いたら、身は鮮度が落ちないように低温で保管するようにしてください。
スーパーなどに並んでいる魚はある程度は鮮度が落ちていることが多く、内臓を取り除いても別の部位に移動している可能性もあります。
生で食べようとせず、加熱することをおすすめします。

②目視で幼虫を確認する

アニサキスは体長2~3㎝ほどあり、白色で少し太い糸のように見えます。
白色なので、白身の中では見えにくいですが、目視で見える大きさです。
目視では、包丁で処理した後や調理の際に、断面や表面をよく確認しておくのがポイント。
アニサキスの特徴を知っておくことで、注視すれば事前に発見・除去することは可能です。

従業員みんなに危険性について意識付けをし、対策をするよう努めてください。
特にアニサキスが寄生しやすいと言われている、サバ、イカ、サンマ、カツオ、イワシ、アジは注意深く確認するようにしましょう。
アニサキスは体内に入らなければ、発症しないので発見しても怖がることはありません。発見したら丁寧に除去をするようにしてください。

③冷凍する

アニサキスは低温に弱い生き物です。
そのため、冷凍をすることで感染力を失うので、とても効果的です。
マイナス20℃以下のところで、24時間冷凍をすることでアニサキスは死滅します。
もし家庭の冷蔵庫で冷凍する場合は、マイナス18℃の設定のところが多いので、48時間冷凍させ、確実に死滅させるようにしてください。
この冷凍時間が不十分なまま、もし解凍してそのままお客さまに提供するようなことがあれば、アニサキス症を引き起こしてしまう可能性があることを覚えておきましょう。

アニサキスは、胃に入ってしまうとのた打ち回るほどの激痛を起こすと言われています。
そういった危険性があることをしっかり把握して、冷凍時間には厳密になるようにしてください。

④加熱する

アニサキスは低温にも弱いですが、熱にも弱いのが特徴です。60℃なら1分で死滅し、70℃以上なら瞬時に死滅します。
もし鮮度が落ちていたり、アニサキスの混入が疑われるような鮮魚であったりするならば、焼いてしまった方が無難でしょう。
アニサキスは生きたまま口にすることが危険なため、焼かれて死滅した状態であれば、安心して食べることができます。
ただ、表面を少し炙る程度では、奥の方は70℃に達していないことが考えられます。
奥の方にアニサキスが寄生していた場合、生き残ってしまう可能性があるので、確実に中まで火を通すことを心掛けてください。
特にサバ、イカ、サンマ、カツオ、イワシ、アジは注意して焼くようにしましょう。

⑤切り刻む


アニサキス症を防ぐためには、生で食べないことが一番です。
しかし、日本の文化的にそれは難しい話というもの。お刺身やお寿司などが食べられなくなるなんて考えられません。
アニサキスの幼虫は刺激に弱く、傷がつくとすぐに死滅するため、細かく切ることが予防対策になります。
薄く切ることで傷をつけられる可能性が高くなります。
例えば、アニサキスが寄生しやすいと言われるイカを「イカそうめん」にする場合はなるべく細かく切り刻みましょう。その他、飾り切りなども効果的です。
アニサキス自体には毒素はないため、死んでしまえば口に入っても特に問題はありません。
細かく切り刻むこともそうですが、食べる時に、よく噛むことで、さらに予防することができます。

しめ鯖に要注意!効果がない調理法


アニサキス症の予防でよく誤解されているのが、しめ鯖です。
なぜか酢でしめているから予防になっていると考える人が多くいるようですが、酢で占めることは、アニサキス症の予防対策にはなっていません。
下記URLサイトの症例を見ると、しめ鯖でアニサキス症をおこす人が多くいるそうです。
きっと、「しめ鯖だからアニサキスが死んでいる」という勘違いが大きな油断となり、発症を許してしまっているのでしょう。

アニサキス症の予防でよく誤解されているのが、しめ鯖です。
なぜか酢でしめているから予防になっていると考える人が多くいるようですが、酢で占めることは、アニサキス症の予防対策にはなっていません。
下記URLサイトの症例を見ると、しめ鯖でアニサキス症をおこす人が多くいるそうです。
きっと、「しめ鯖だからアニサキスが死んでいる」という勘違いが大きな油断となり、発症を許してしまっているのでしょう。

<アニサキスに効果がない調理法>
・酢でしめる
・塩漬けにする
・醤油やわさびをつける

まとめ

アニサキス症の予防方法についてご説明してきました。
刺身を好む日本人には予防が必須ですね。
これまでにアニサキス症で営業停止になっているお店もあり、生魚を取り扱うことが怖いと感じた人もいるかと思いますが、ご紹介してきた予防対策をしっかり行えば、怖がる必要はありません。
何事もお客さまのこと、お店を守ることを意識したら、予防対策を徹底できるはずです。
ぜひ、万全の対策をしてお客さまが喜ぶ料理を提供してあげてください。

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Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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