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東京で飲食店開業するなら知っておきたいエリアと立地の基礎知識 ~学生街編~ 

東京で飲食店開業するなら知っておきたいエリアと立地の基礎知識 ~学生街編~ 

流行の最先端を辿る若者たち。SNSを中心に若者から発信される情報は、企業やメディアの動向を左右し、その影響は飲食店の経営状況にも大きく及びます。

中でも、高校や大学、専門学校に通う学生たちはグルメにアンテナが高く、多少の遠方であっても足を運んで来店。料理の見た目や味、店内の雰囲気に関する良し悪しを、口コミで投稿したり友人に共有したりとあっという間に拡散していきます。
そんな学生たちが集まる学生街では、情報共有を通じて集客を図るチャンスが大きくあります。

そこで今回は、学生街において飲食店を出店するメリット・デメリット、あわせて東京都内で学生街とされるエリアの情報について詳しく解説していきます。

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「学生街」とは

学生街とは、主に大学や学生寮、学生マンションなどが多い地域のこと。
ただし、近年では、学生が多く集まる街、学生向けの安いお店が多い街、という意味でも使われています。

学生街に飲食店を出店するメリット・デメリット

飲食店を出店する際にはエリアの特性を把握しておくことが大切。ここからは学生街に飲食店を出店するメリット、デメリットの両面からみていきます。

メリット

リピート顧客を獲得しやすい

週5日間、同じ場所に学生たちが通学する学生街は、リピート顧客を獲得するにあたって最適となる環境の一つです。学生たちに好まれる味、ボリューム、価格帯、メニュー構成を設定することで、日常的に利用してもらえるお店にしましょう。

自動的に店舗情報が拡散されるチャンス

通常、チラシやインターネット広告などにかかる販促費は売上の5%程度かかるといわれていますが、コストに見合う効果が得られるとは限りません。しかし、学生街では飲食店側がお金をかけなくても、学生がSNSで宣伝してくれる可能性大。感度の高い学生から発される口コミや高評価は、広告よりも信頼性の高い集客ツールとして活躍してくれます。

ピークタイムの分散

大学生の場合には、学部や学科、個人の履修科目によって授業の時間や登校時間が異なります。これにより、ランチタイムやカフェタイムなど食事を取る時間帯が固定されず、ピークタイムがある程度分散された状態で集客を図ることができます。
オフィス街の場合には、ビジネスマンの昼食時間帯が12時~13時と固定で決まっている企業が多いためランチタイムに客足が集中し、満席で機会損失となるケースも多々ありますが、学生街の場合には比較的広い時間帯での来店があるので取りこぼしなく売上を立てることができます。

クロスセルを図りやすい

クロスセルとは、客単価を上げるための戦略の一つで、メイン商品の購入を検討している顧客に対して関連する別の商品をセットもしくは単体でさらに購入してもらうセールス手法を指します。
学生街は店舗利用客が学生に集中して絞られるので、クロスセルを図りやすい点があります。クロスセルを成功させるために重要なことは、顧客が必要としているものがどのようなものであるかを具体的に把握にすること。クロスセルに成功すれば、客単価とともに顧客満足度を高めることも可能です。

デメリット

客単価の低さ

企業に勤める社会人に比べ、アルバイトとして働く学生にとって使えるお金は限られており、その分普段の食事においては低価格帯のお店が好まれます。また、活動量が多く流行に敏感な若者にとって、価格以上のボリュームや質、見た目といったコストパフォーマンスがより重要視されます。
当然、お店側にとってはボリューム感をもたすための食材コストや見た目にこだわる調理時間が大幅に必要となるので、営業の効率と価格帯とを両立するためには、安価な仕入れルートの確保や調理のオペレーション改善などトータルコストを加味して販売戦略を検討しなければなりません。

騒音トラブルの可能性

酒類を提供する居酒屋や飲み終わりに立ち寄りやすいラーメン屋などではトラブルがつきもの。宴会やイベントで若者が多く集う際に、話し声や笑い声などの騒音が近隣トラブルへと発展するケースは少なくありません。特に、マンションの一画にある店舗や住居が隣接している店舗は注意が必要。来店する顧客のイメージが店舗そのものの印象を悪くし、顧客離れにつながる可能性もあるので注意喚起や対策を敷くことも忘れずに行いましょう。

長期休暇における客足の減少

学生には夏休みや春休みなど長期的な休暇があり、学生が大学に足を運ばなくなる時期はどうしても来店数が減少してしまいます。
そのため、あらかじめ長期休暇を想定した販売戦略を立てて営業することが必要になります。
具体的には、以下のような策を取ることができます。

・長期休暇の売上の落ち込みを想定して、年間で売上計画を立てる
・長期休暇中のアルバイト人員を減らしたり、広告費を抑えたりとコスト削減を図る
・下宿生が気軽に利用しやすいテイクアウト・デリバリーメニューを充実させる

東京の学生街エリア情報

競合必至の人気エリア

高田馬場

昼夜を問わず滞在人口が多く、学生とサラリーマンで賑わう高田馬場。早稲田口方面には大型商業施設が建ち並び、「早稲田大学」「学習院女子大学」を一例とする大学のほか、数多くの専門学校が点在する学生街。一方、駅反対側の戸山口方面にはスーパーや小中学校などが多く、ファミリー層の住宅街となっている。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
JR 20万8024人
東京メトロ 20万250人

その他、西武鉄道:30万1862人

店舗賃料相場(2021年度)】:平均坪単価 26,620円
【飲食店舗数(2021年度 ※新宿区)】:5,532店舗
【主要スポット】:早稲田大学、BIG BOX、学習院女子大学、戸山公園
【飲食店の特色】:大手チェーンから個人店までジャンルを問わず揃っており、リーズナブルでボリューム満点の飲食店が多い。また、言わずと知れたラーメン激戦区で、行列必至店舗が集結している。

高田馬場(新宿区)の詳しい街情報はこちら ☜

下北沢

小劇場やライブハウス、古着屋などサブカルチャーの聖地として有名な下北沢。駅周辺における学校施設は少ないですが、隣駅に東京大学のキャンパスがあるほか、若者人気が高いことから学生がこぞって集まる学生街。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
小田急電鉄 12万1739人
京王電鉄 11万5580人

店舗賃料相場(2021年度)】:平均坪単価 27,056円
【飲食店舗数(2021年度 ※世田谷区)】:3,451店舗
【主要スポット】:ザ・スズナリ、下北線路街、BONUS TRACK、東洋百貨店
【飲食店の特色】:各種メディアからの取材が絶えず、毎月10月にはフェスティバルも開催されるカレーの激戦区。若い世代をターゲットにしたオシャレなカフェや居酒屋だけでなく、古くからの商店街にはコストパフォーマンスの高い飲食店も多く立ち並ぶ。

下北沢(世田谷区)の詳しい街情報はこちら ☜

比較的賃料相場の低いエリア

市ヶ谷

高層ビルが林立し、通勤・通学利用で人口が密集する市ヶ谷。オフィスや住宅が混在しながらも、東京都内の大学数2位と名立たる大学が揃う学生街。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
JR 6万2698人
東京メトロ 15万922人

その他、東京都交通局:6万6869人(2020年度)

店舗賃料相場(2021年度)】:平均坪単価 22,453円
【飲食店舗数(2021年度 ※千代田区)】:3,507店舗
【主要スポット】:日本大学、法政大学、大妻女子大学、靖国神社
【飲食店の特色】:サラリーマンや学生からのランチ需要が高く、リーズナブルな価格帯の飲食店が人気。出店数としては居酒屋業態が最多となっているが、近年SNSで人気のオシャレなカフェなども目立つ。

市ヶ谷(千代田区)の詳しい街情報はこちら ☜

意外と知られていないABC店舗おすすめエリア

江古田

昭和のレトロな街並みで学生が集まる街として有名だが、池袋駅から3駅とアクセスが良好でファミリーの居住地としても人気が高い江古田。芸術系の大学が多く、漫画「のだめカンタービレ」のモデルになった街としても知られる学生街。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
西武鉄道 3万5267人

店舗賃料相場(2021年度)】:平均坪単価 16,090円
【飲食店舗数(2021年度 ※練馬区)】:2,110店舗
【主要スポット】:日本大学(芸術学部)、武蔵野音楽大学、浅間神社、江古田銀座
【飲食店の特色】:駅南口からつづく江古田銀座では、昭和初期からつづく洋食屋や定食屋が多く、学生ないし地元住民に長年愛されている。また、食べログ百名店選出のパン屋やオシャレなカフェレストランも人気となっている。

学生街の居抜き物件


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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