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競合負けや審査落ちから開業した先輩達の開業エピソード

競合負けや審査落ちから開業した先輩達の開業エピソード

飲食店開業を目指して物件を探すにあたり、多くの開業者が一度は耳にする「審査」や「競合」という言葉。

誰が見ても好条件と思うような物件は、早い段階から申し込みが集中する傾向にあります。
申し込みが重複した場合には競合が発生し、提出された事業計画などを基に1組のみが選ばれます。

また、物件によってはオーナーの意向で業態に制限がかかる場合もあります。重複せずとも、審査の結果如何では申し込んだ物件の取得が叶わない可能性も存在することが現実です。

誰もが直面し得る競合負けや審査落ち。しかし、状況が悪くなるとは限らない!

物件を申し込んだということは、その物件を気に入っているからであり、そこで自身のお店を開くイメージもできている状態。
そのような状態から物件の取得を逃してしまうと、精神的なダメージは多かれ少なかれ受けてしまうものです。

しかし、気に入った物件を審査や競合で逃してしまうことは決して珍しいことではありません。
すでに開業を経験し、経営するお店が軌道に乗っている“先輩”にも、気に入った物件を逃した経験があるという方はたくさんいます。

申し込んだ物件を逃してしまうと、人はどうしても「これ以上良い物件は見つからないのではないか」という思考を抱いてしまいがちです。
しかし、そのような経験をしながらも成功を収めている先輩がいるように、気に入った物件を逃したからといって、必ずしも悪い方向へ墜ちてしまうわけではありません。
中には、競合負けとなった後に更に良い物件が見つかったケースもあれば、希望していた物件を逃したことで候補地の視野が広がったケースもあります。

今回は、希望の物件を逃してしまった経験を乗り越えて開業した先輩方のエピソードをご紹介。
決して、逃してしまった物件が全てではありません。

狙っていた大門・浜松町エリアの物件を逃すが、その後に御茶ノ水で物件を取得。今となっては逃したことがターニングポイント!

2018年に『和食日和 おさけと』を開業し、わずか2年で6店舗を手掛ける山口さん。
道のりは順風満帆のように見えますが、実は2店舗目の物件探し時に気に入った物件が契約寸前で流れてしまう事態を経験しました。

「実は2店舗目の物件を探している時に、決まりかけていた物件が流れてしまったことがありました。そのあとに、流れた物件とは全く違う御茶ノ水エリアの物件を見つけて、そこが現在2店舗目を営業している物件です。」

もともとは大門・浜松町エリアでの物件取得を狙っていたという山口さん。
御茶ノ水という全く異なるエリアでの2店舗目開業となりましたが、このようになったことが、今となってはターニングポイントのひとつであったと振り返ります。

御茶ノ水だからこそ集まったメンバー

「確かに狙っていたエリアとは違いましたが、御茶ノ水に決まったからこそ、そのエリアでの求人によって現在の2店舗目のメンバーが集まってくれたと思っています。結果としては、今やっている物件ですごく良かったと感じていますね。」

当初の想定とは異なるエリアながらも、とても良いメンバーが集まってくれたという2店舗目。
その後も3店舗目、4店舗目、5店舗目…と順調に店舗数を増やしていきましたが、経営者が増店に向けて動くためには、安心してお店を任せられるスタッフの存在が不可欠。
安心してお店を任せることもできた素晴らしいメンバーの集結は、御茶ノ水で求人を出したからこそであったと山口さんは語ります。

当時狙っていた大門・浜松町エリア。6店舗目開業時に晴れてリベンジ!

その後も順調に店舗数を伸ばしていった山口さん。
初開業から2年が経過した2020年2月時点で既に5店舗を経営し、同年3月には6店舗目がオープン予定。
次の店舗がオープンするエリアは、なんと2店舗目開業の際に一度物件を逃していた大門・浜松町エリアに決まりました。

「巡り巡って今年(2020年)の3月に大門・浜松町エリアでお店を出すことになりましたが、今思えば当時流れた所よりも条件と場所の良い物件を見つけることができました。自分にとって良い・悪いに限らず、流れたことが結果的に良くなることもあるのかと思いましたね。」

今回取得した物件は、2店舗目開業時に流れてしまった物件よりも好条件。
もちろん、同エリアの物件を逃してしまった際はショックもあったといいます。しかし、気に入った物件を逃してしまったとしても、長いスパンで見れば良い運命に繋がることもあれば、さらに良い物件に巡り合える可能性もあることが証明されました。

また、以前逃してしまった物件は、当時の状況では高めの家賃であり、少し背伸びをした物件であった模様。その後に取得した御茶ノ水の物件は背伸びせずに投資できたと山口さんは振り返ります。

当時狙っていた物件を逃し、御茶ノ水で2店舗目を開業できたからこそ、背伸びすることなく順調に店舗数を伸ばし、もともと狙っていたエリアでも好条件の物件を取得できた今があるのかもしれない―。
だからこそ、物件取得が叶わずに別エリアでの2店舗目開業となった当時のことを「今となってはターニングポイント」と振り返るのです。

「物件との出会いは“縁”」3度の競合負けを経験するも諦めず!

食べログでも評価の高い、中目黒の上海料理店『香約(シャンヨー)』。
店内から目黒川を一望でき、桜の季節には圧巻の景色が広がります。


世界的に有名な目黒川の桜を一望

『香約』を経営する張さんに物件探しのエピソードを伺ってみると、これほどまでの絶景を誇る物件に出会うまでには、実に3度の競合負けを経験していたことが分かりました。

1度でもショックが大きいとされる競合負け。これが3度も重なるとなると、精神的なダメージは計り知れないように思えます。
実際に心が折れかけたこともあるという張さんですが、挫けずに次へと進み続け、晴れて中目黒の物件を取得。
その背景には、ある意識の存在がありました。

物件との出会いは“縁”

まず、3度の競合負けに関する率直な心境を伺いました。

「物件探しは本当に大変でしたね。物件の契約は、これまで3回も落ちています。信じられない、と思いました。それまで決まりかけていた物件はオーナーと2回も会いましたし『あなたにするわ』とまで言われていたんですよ。でも蓋をあけたら審査に落ちた…なんて信じられますか。悲しくて仕方なかったです。しかもその日はクリスマス。私にとっては忘れられないクリスマスになりました。でも、これも物件探しの中の一つ。よくあることだと思います。」

オーナーから「あなたにする」と言われてまでの落選は、心中を察しただけで胸が苦しくなります。
それでも諦めることなく物件探しを続けた張さん。では、どのような意識を持って挑んでいたのでしょうか。

「物件との出会いは縁だと思うのです。物件探しの際、実は第一希望の物件を取得することが難しいこともあります。しかし、縁だと思えば、断られても『今回の物件は縁がなかっただけだ』と思って次に進めるのではないでしょうか。」

物件との出会いは縁―。
この意識が時に自身を奮い立たせ、時に気持ちの切り替えに繋がったといいます。

ついに果たした物件取得。“縁”の意識はその後も作用。

物件との出会いは縁であるとの意識を持ち、3度に渡る競合負けにも決して挫けることのなかった張さん。
その後は世界的にも有名な桜並木を一望できる中目黒の物件に出会い、縁あって取得に至りました。

縁があってよかったと語る張さんですが、物件に対する“縁”という意識は、晴れて物件を取得できた後にも作用するとも語ります。

「今回はこの物件と縁があった。良かったと思っています。物件との出会いは縁だと思うことで、契約を結んだ時にはその店舗への思い入れを強くすることもできるはずです。」

張さんは、普段から自身のお店のことを「子ども」と称しています。
新規開業者にとって、決して一筋縄ではいかない開業や経営。張さん自身も開業当初は集客に苦労したといいますが、それでも我慢強く試行錯誤を重ね、愛情を注いでお店を成長させています。

苦労することや不測の事態も起こり得る飲食店開業。店舗に思い入れを持つことで、そこから生まれる愛情がどんな苦労や逆境でも乗り越えるための力になります。

物件探しから“縁”という意識を持つことで、物件を探している間だけでなく、開業を果たした後にも良い影響をもたらす―。
張さんはそう説いてくれました。

一度気に入った物件を逃しても、そこが全てではない

気に入った物件を一度逃したことで、ショックのあまり物件探しを辞めてしまう人がいるのも現実。人間、悔しさが大きければ大きいほどネガティブな思考になってしまいます。

しかし、競合負けや選考落ちを喫しながらも、山口さんや張さんのように明るい未来が待っていたケースもたくさんあります。

気持ちの切り替えは決して簡単なことではありませんが、「もうだめだ」と決めつけるよりも、前向きな意識を持って挫けずに続けていくことが何よりも大切。次なる手段を考え、未来を切り開いていきましょう!

「審査落ちした場合の対処法」に関しては、
こちらの記事をご参照ください。

物件を探す

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Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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