コロナ禍の気になる飲食店出店状況レポート【10月度】
コロナ禍の気になる飲食店出店状況レポート【10月度】
■調査概要
調査対象:2020年10月契約者
調査期間:2020年10月
調査方法:ヒアリング調査
■契約者属性
10月度の契約物件のうち、20%が新規開業で出店。また、移転での出店者が25%、増店での出店者が50%、別事業から新規参入での出店者が5%となっております。
新規開業者
リスクは最小限に、“With コロナ”を見据えて出店
新規開業でのご契約者様に、物件を選ぶにあたって一番の決め手となった要因を伺ったところ、「物件取得費用」と「造作物」に関する意見が多く挙がりました。
物件取得費用に関しては、ご契約者様の全員が「予算内に抑えられた」「予算よりも安く抑えられた」と回答。
同等に、「そのままでも営業ができる綺麗な内装設備であった」「出店業態に転用しやすい内装であった」との回答もあり、居抜き物件の利点を生かして出店を決められる方が多くを占めていました。
契約物件の属性を見ても、全物件が17坪以下と小規模の物件が選ばれており、リスクを最小限に抑えての開業・営業が重視される傾向にあることが分かります。
また、ご契約者様の中には、「テイクアウト需要の高まりに合わせ、エリアのテイクアウト売り上げ実績を確認した」「コロナ禍に対応したメニューや営業体制を考えている」との意見もあり、“with コロナ”を考慮に入れた上で出店される方が増えてきているといえます。
移転での出店者
前月から好転、新たな営業形態も出現
移転でのご契約者様に営業場所を変える理由について伺ったところ、前月は移転開業者全員が該当していた「規模縮小を目的とした移転」に関しては、今回はゼロという結果に。「現況をより良い環境にしたい」という前向きな考えをお持ちの方が多数でした。
増店での出店者
夜の営業がメインの業態に勝算は?
増店でのご契約者様のうち、6割以上が居酒屋やバーなど夜の営業がメインの業態となる予定です。大半がサラリーマンをターゲットとしており、「一時は打撃を受けたが、徐々に人の流れが戻ってきたの」「常連の需要が高まっている為、安く物件を取得できるうちに決めようと思った」との声が挙がっております。
そのような方々が物件を探していた際の条件としては、ビジネス街のほか、成功している既存店の近場を希望していらっしゃいました。
依然として外食市場は厳しい状況下に置かれていますが、夜の集客減が懸念される業態でも成功している店舗もあります。
今後は、Go To Eatの後押しなどを起点として「如何にして顧客を取り込み、そして定着させるか」がより一層重要になってくると考えられます。
別事業からの新規参入者
本業が好調、多角化のために飲食業界参入
別事業を本業としている方の飲食業新規参入もありました。
別事業から参入したきっかけを伺ったところ、以下の回答が得られました。
・本業:システム開発 → フレンチ開業
「本業が拡大しており、新事業に挑戦して多角化するチャンスだと思っていた。そのタイミングで、以前飲食店でシェフをやっていた社員が飲食事業に挑戦したいと名乗り出し、本気であったことからやってみようと決意した。」
ECサイトやアプリ制作を本業とする企業の飲食店参入は、昨今では決して珍しいことではありません。
ニューノーマルな時代に差し掛かっている飲食業界。システム開発を本業とする企業の飲食店参入はどのような効果をもたらすことができるのか、要注目です。
今月のPICK UP
★小規模店舗の出店が主流に
10月度の契約物件では、全体の85%が20坪以下の物件でした。
また、新型コロナウイルスの拡大が始まった2020年3月以降のの契約推移を見てみると、21坪以上の物件は動きが鈍化傾向にあります。
しかし、20坪以下の物件については契約数が大幅に増加しております。
コロナ禍において小規模店舗が好まれる理由としては、大きく分けて3点。
【1】テイクアウト・デリバリー需要が高まっている
【2】開業資金や賃料を抑えられる
【3】少人数でのオペレーションが可能で、人件費も抑えられる
現況に対する不安は大半のご契約者様が抱えており、リスクの最小限化を図っての出店をお考えの方が大半です。
リスクの最小限化は個人店のみならず大手外食企業も同様です。
これまで都心の一等地で大規模に店舗を構えてきた大手外食企業は、昨今では客席を設けずにデリバリーのみに特化した飲食店舗、いわゆる「ゴーストレストラン」事業に続々と参入しています。
事実上、実店舗を持たないことになる「ゴーストレストラン」は、厨房さえ確保できればよいため、出店費用が大幅に安く抑えられる為です。
ソーシャルディスタンスや仕切りの必要性からスペース効率の低下を余儀なくされている昨今の飲食店業界。
小規模店舗を選択することはとても有効です。
最大のリスクとなるコストは出来るだけ抑え、販路拡大や回転率を上げる工夫を凝らすことが売上確保に繋がっていくと考えられます。
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Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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