コロナ禍の気になる飲食店出店状況レポート【1月度】
「飲食店を開業したい!」「もっとお店を広げたい!」
「でも、こんな時期に大丈夫なのか…?」
新型コロナウイルス感染拡大により社会環境が目まぐるしく変化する昨今。
飲食業界においても営業の自粛や時短要請が発令され大きな影響が及ぶ中で、開業・出店に対しての不安を募らせている方が多いのではないかと思います。また、出店を諦めようかと悩んでいる方もいることでしょう。
私たちABC店舗は、コロナ禍でも飲食店開業を目指す皆様と飲食業界を応援。こうした状況下でもご自身と同じように開業・出店を志し、ご契約に踏み切った方たちの実態を調査し、発信していきます。
コロナ禍の気になる飲食店出店状況レポート【1月度】
■調査概要
調査対象:2021年1月契約者
調査期間:2021年1月
調査方法:ヒアリング調査
■契約者属性
1月に物件を契約した会員のうち、40%が新規開業で出店。また、移転での出店者が13%、増店での出店者が33%、別事業から新規参入での出店者が13%となっております。
【新規開業者】
注目はカウンター席
新規開業でのご契約者様に開業のきっかけについて伺うと、「これまで雇われ店長として働いていたがお店が閉店し、以前より考えていた独立を決意。」「独立は2年前よりずっと考えていた。銀座の寿司屋で修行をしながら物件を探しており、ようやく条件に見合う物件を見つけることが出来た為開業に踏み切った。」といった回答がありました。
また、上記2組のご契約者様は、出店業態も顧客のターゲット層も異なりますが、カウンター席があることを物件の決め手の一つにあげています。
理由としては、おひとり様でも来店しやすくする為です。
コロナ禍での飲食店集客方法でも取り上げましたが、複数人での食事が制限される中で “おひとり様需要” が伸びています。
このようにカウンター席のある居抜き物件では、コストをかけずしておひとり様顧客を取り込む空間が獲得できる為、コロナ禍での価値が高く、今後も人気物件になっていくと予測されます。
【移転での出店者】
テイクアウト・デリバリー需要は今後も健在
移転でのご契約者様に今回店舗を移転する理由について伺ったところ、「市役所や支援団体から宅配注文の依頼があり、従来の店舗では手狭になってしまった。コロナ禍が長引く中でお弁当需要は高い為、広い物件へ移転することを決めた。」との回答がありました。
グルメ情報サイト『ぐるなび』では、2月に全国男女1000人を対象とした「コロナ禍での食の楽しみ方に関する調査」を実施。
コロナ禍での食を楽しむ際に何を利用しているかとの問いに対し、「中食」(=家庭外で商業的に調理・加工されたものを購入して食べる形態の食事)と回答した人が66.9%と最も多くなりました。中でも、購入先において「飲食店のテイクアウト」「デリバリー、出前」と回答した人が合計5割強。
また、今後増やしたいと思う食の楽しみ方についても同項目の数値は高く、テイクアウト・デリバリーは今後も需要継続が予測されます。
テイクアウトメニューの開発や宣伝、容器の準備、宅配の人員確保等、もちろん準備に時間とコストは要します。しかし、長期的視点で需要が見込まれる中食市場への参入は、お店にとって売上確保の武器になるといえます。是非検討してみて下さい。
【増店での出店者】
アフターコロナを見据えて出店地拡充
増店でのご契約者様に、今回増店に至った経緯について伺うと、「コロナの影響は受けているが、増店は常に考えていた。コロナ禍で物件を探してみると安い物件が多く、体感的には通常時の予算で2店舗は出せる。この先を考えるとむしろチャンスだと思った。」といった回答ありました。
こちらのご契約者様については、現在実店舗を2店舗経営する傍ら、キッチンカーでの販売も行っており、休日には広島~札幌まで全国を飛び回っているとのこと。
2021年1月に第2次緊急事態宣言が発令され、在宅勤務の長期化から生まれたランチ難民や料理の負担が増えた主婦にとっては、キッチンカーも手軽に利用できる食事の提供元としてありがたい存在です。
そして、こうしたライフスタイルの変化と消費者の需要から、駐車場の空きスペースを出店場所として活用するサービスや、団地・マンションへ誘致する事業が広がっており、キッチンカーでの飲食事業者も増加しています。
キッチンカーのメリットとしては、
【1】低コストで開業・運営が可能
【2】集客の見込みに応じて出店場所を選べる
【3】3密を回避できる
一方で、デメリットももちろんあります。
【1】天候の影響を受けやすい
【2】出店場所の自治体ごとに営業許可が必要
【3】客単価が小さく、リピーターも付きにくい
出店状況レポート【12月度】において、“テイクアウト店を含めた複数業態の展開は新たな需要創出を可能とする”とお伝えしましたが、開業リスクが少ないキッチンカーとアフターコロナを見据えた実店舗の両軸経営も、長期経営を考えるにあたって有効的手段だといえます。
【別事業からの新規参入者】
ウィズコロナ時代の多角化
新規参入でのご契約者様に何がきっかけで別事業から参入したのかを伺ったところ、以下の回答が得られました。
・本業:SES事業 → 創作レストランバー開業
「以前より検討していた事業拡大を実行する為、飲食事業への参画を決めた。」
・本業:マップのインドアビュー撮影会社 → 物販店開業
「東京で美容やコロナ対策に関する商品の卸売りルートが確保できた為、この物件を拠点に新規事業に踏み切った。」
比較的参入障壁の低い飲食店の開業に限らず、こうした昨今需要の高い衛生・健康用品の販売店開業を果たす企業から、事業の多角化においてもウィズコロナ時代が反映されていることが伺えます。
★今月のPICK UP
コロナ禍での飲食需要、人気エリアはどんな街?
前回、出店状況レポート【12月度】にて【物件選定における重要度】を取り上げ、物件要素10項目の中で最も重要視されていたのが「エリア(立地)」であったとの結果をお伝えしました。
そこで、今回は2020年3月~2021年1月の解約・契約物件をもとに、出店の多いエリア、且つ退店の少ないエリアに注目し、需要あるエリアがどんな街であるのかターゲット顧客の観点からご紹介します。エリア選定の際にはぜひご参考にしてみてください。
【1】江東区 – 📍門前仲町
門前仲町は、東京メトロ東西線、都営大江戸線にてアクセス可能な駅
周辺には富岡八幡宮や深川不動堂といった有名な神社仏閣、深川江戸資料館があるなど高齢者も住みやすい下町情緒ある街並みです。また、永代通りを中心に飲食店が立ち並んでおり、路地に入った先の辰巳新道は50m程の短い距離でありながら30軒以上の飲食店。ディープな飲み屋横丁として地域住民に親しまれています。
【2】品川区 – 📍五反田
五反田は、JR山手線、都営浅草線、東急池上線にてアクセス可能な駅
オフィス街となっている為駅前には飲食ビルが多く立ち並んでいますが、「アトレヴィ」や「レミィ」といった商業施設に、お散歩スポットである目黒川。少し歩けば、お金持ちの住む高級住宅やタワーマンションが広がっているので、ビジネスマンに限らず人が行き交うエリアとなっています。
【3】杉並区 – 📍荻窪
荻窪は、JR中央線と東京メトロ丸ノ内線にてアクセス可能な駅
駅前には「ルミネ」や「タウンセブン」といった商業施設がある他、「すずらん通り商店街」、「荻窪銀座商店会」「教会通り商店街」など約20近くもの商店街(会)があり、そこに並ぶ飲食店の多くが個人の構える小さなお店です。
また、周辺の住居としては小規模マンションや古いアパートが多く、庶民的な街並みとして、学生から社会人、ファミリーまで幅広い層が住んでいるエリアとなっています。
【4】豊島区 – 📍大塚
大塚は、JR山手線、都電荒川線にてアクセス可能な駅
駅前はオフィスビルやビジネスホテルが多く、駅の規模感の割にビルが櫛比しています。しかし、完全なるオフィス街かというとそうではなく、言わずと知れた「のれん街」や「サンモール商店街」、「銀の鈴通り商店街」といったように、現代と昭和が入り混じった街並みの中で飲食店が連なっています。また、商店街を抜けるとマンションが立ち並ぶ住宅街となっているので、平日休日問わず人通りのあるエリアです。
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Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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