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【飲食店開業】最適な出店時期は何月?新規開業のタイミングと増店前に確認すべきこと

【飲食店開業】最適な出店時期は何月?新規開業のタイミングと増店前に確認すべきこと

「飲食店を出店するなら、どのタイミングが最適?」

新規開業者・増店計画者問わず、多く耳にするのが出店時期に関するお悩みです。
せっかく理想の条件で集客に強い物件を手に入れても、事業が軌道にのらなければ元も子もありません。

一般的に、飲食店開業を目指す場合には、10~12ヶ月の期間が必要だといわれています。繁忙期に安定したサービスを提供するためには、逆算して開業スケジュールを立てる必要があるでしょう。

今回は、飲食店の新規開業・増店を目指す方に向けて、最適な開業月の設定方法をお伝えしたいと思います。この記事を参考に、開業に適したタイミングを理解し、事業成功の確度を高めるスケジュールを立てていただければ幸いです。

最適なタイミングを逃さない!開業月の決め方

【1】繁忙期から逆算

飲食店を開業する上で、おさえておきたいのが飲食店の繁忙期
事業を成功させるためにも、お客様の書き入れ時までにオペレーションを安定させたいところ。

飲食店の繁忙期は、以下3つのタイミングが挙げられます。

【1】12月中旬~1月初旬:忘年会・新年会シーズン
【2】3月後半~4月初旬:歓送迎会シーズン
【3】4月後半~5月初旬:ゴールデンウィーク

 
上記のタイミングは、大人数での予約が増えやすく、1グループあたりの高単価が狙えます。つまり、繁忙期に取りこぼしなく営業できるよう、運営体制の構築を加味して開業月を逆算するとよいです。

新型コロナウイルスの影響が落ち着きを見せ始めた今、客足のピークを想定して出店スケジュールを立てましょう。

冒頭でもお話したように、コンセプト設計から飲食店開業までは、10~12ヶ月の期間が必要です。ただし、繁忙期を加味する場合は、開業月の1年半前頃から準備することをおすすめします。

オープンして最初の2~3カ月は、お店の周知を図り、営業を慣らす期間として必要だからです。新店舗ができてすぐの期間は、物珍しさから自然とお客様の来店が見込めますが、一定期間を超えると客足は落ち着き、お店を気に入ってくれたお客様のみが通う閑散期に入ります。

そうした閑散期を乗り越える為に、大きなイベントを利用することは得策。繁忙期での来店を皮切りに、より多くの常連客獲得を目指しましょう。


 

また、前提条件として、十分な自己資金が準備できていることも重要です。
開業時には物件取得や内装工事にかかる費用だけでなく、オープン後の運転資金や生活費も考慮しておかなければなりません。

一般的に、経営が軌道にのるまでには最低でも6ヶ月~1年
融資を申請するにせよ、返済能力が問われますので、十分に自己資金をつくった上で開業準備を進めていくことが大切です。東京都内で開業をご検討の場合は、300万円程度の自己資金を用意しておくことをおすすめします。

【飲食店開業の流れ】に関しては、
こちらの記事をご参照ください。

【2】開業予定地での商圏分析と売上予測

開業の流れと自己資金の必要性を理解し繁忙期を押さえたのであれば、次に重要なのが事業計画や収支の見通しが立つかどうか
そして、その判断を行うためには、開業予定地での商圏分析売上予測が必要になります。

商圏分析

「商圏分析」とは、消費者の来店が見込める距離的な範囲を分析することです。開業予定地を基点とした際に、どのあたりの範囲までの居住者の来店・顧客化が見込めるか予測を立てます。

商圏分析で顧客の動向をリサーチすると、下記3つのメリットがあります。

➀ 具体的な売上予測を立てられる
➁ 競合と差別化した売り出し方を検討できる
➂ 宣伝・広告で最適な販売促進エリアを特定できる

商圏分析でリサーチすべきポイントは、以下2つです。

データ分析:人口・世帯数・年齢・性別からエリアの特性や市場規模を分析
消費者の動向:実際に開業予定地へ足を運び、周辺状況や消費者動向を確認

 
一般的に、開業予定地から半径500m内・徒歩で10~15分内の範囲内の居住者が顧客化しやすいと考えられます。この範囲内の人口データを軸に、消費者の動向を分析し、競合との差別化を自店へ落とし込むとよいでしょう。

最近は、無料で使える商圏分析ツールなどが充実していて地域情報や市場動向も無料でリサーチできるので、具体的な数値に基づいて開業月を見極められようになっています。

【商圏分析】に関しては、
こちらの記事をご参照ください。

 

売上予測

つづいて、商圏分析に基づいて売上予測をしていきますが、ここでは具体的かつ現実的な数字で計算することがポイントです。

開業前に計算しておくとよい項目や平均的な数値、計算方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

席数:1坪あたり1.5席で換算
※ゆとりある空間を想定している場合は、1坪あたり1席で換算するのがよいでしょう。
満席率:60~70%が目安
回転率:営業時間内に顧客が何回入れ替わるか近隣店舗を調査して仮定
*回転率に関しては、前章でご紹介した「商圏分析」をもとに予測を立ててみてください。

1日あたりの予想客数

総席数 × 満席率 × 回転率
<例:ランチ営業の予想客数>
総席数20席×満席率70%×4回転=56人

1日あたりの売上予測

予想客数 × 客単価
<例:ランチ+ディナーでの1日あたりの総売上>
(ランチ)予想客数56人×客単価1,200円=ランチ売上67,200円
(ディナー)予想客数30人×客単価4,000円=ディナー売上120,000円
ランチ+ディナーの総売上=1日あたり187,200円

【3】納税義務の有無

開業月の決定にあたっては、「納税義務」の観点でも考えることができます。飲食店経営ではさまざまな税金を支払う必要がありますが、開業月によっては納税義務が免除となる場合もありますので、節税対策の為にもここでチェックしておきましょう。

年内に開業届+青色申告承認申請書を提出

初年度は、1年間事業を営んだ後、翌年の3月までに1年分の確定申告と納税が発生します。年内に事業所得が発生する場合は、年内中に開業届・青色申告承認申請書を提出した上で、確定申告を行えるよう計画を立てましょう。

青色申告で最大65万円の控除を申請

開業届と併せて「青色申告承認申請書」を提出すると、確定申告時に青色申告が可能に。青色申告では、事業所得から最大65万円の控除が認められるため、所得税の節税に際して大きなメリットとなるでしょう。しかし、年越し後に開業届を提出した場合、前年分の控除を受けられなくなってしまうので注意が必要です

特に初年度は、設備や仕入れなどの必要経費も何かと多く、実際に手元に残る所得は思ったよりも少ないはず。青色申告特別控除が適用されると、必要経費を差し引いた所得に対して所得税が課されます。

つまり、売上から必要経費を差し引いた所得金額から、さらに最大65万円を差し引いた金額に対して課税されるため、大きな節税対策となるでしょう

【税務署への申請手続き】に関しては、
こちらの記事をご参照ください。

2店舗目を出店する前に確認すべきこと

1店舗目の経営が上手くいき、
2店舗目の出店を検討中の場合は、新規開業時とはまた異なるタイミングの見極め方があります。以下3つのポイントを確認して、増店後も順調に経営できるか具体的にイメージしてみましょう。

【1】初期費用の回収目安

2店舗目を出店する際は、初期費用が何年程度で回収できるかという期間を予測しましょう。

一般的に初期費用は、3年以内に回収できるとよいといわれています。ただし、1店舗目の経営も維持する必要があるため、1店舗目の利益率が10%以上であることも併せて実現できているとよいでしょう。

もしも現時点で資金繰りに余裕がない場合は、1店舗目の経営状況から増店時期の見直しを図ることをおすすめします。

【2】融資の審査通過

2店舗目の出店時に融資を申請する場合は、1店舗目の経営状況をもとに審査が進みます

融資が受けられない場合は、増店を見送るべきタイミングといえます。
金融機関から融資を受けられるということは、経営状況に問題がなく、返済能力があると判断されている証拠。逆に、審査で落ちるということは、返済能力が足りていないという指標になるからです。したがって、問題なく審査が通るようになるまでは、1店舗目の経営に集中する方が健全です。

【3】人材やマニュアルの確立

増店する場合は、出店準備が整っていることも重要です。店舗ごとに料理やサービスの質が異なると、ブランドイメージの悪化になり兼ねません。スタッフの人員確保責任者の育成仕入れ管理オペレーションのマニュアル作成など、営業体制を統一化していきましょう

こうした準備が円滑に営業するための基盤となり、飲食店経営におけるさまざまなリスクヘッジへと繋がります。

適切な開業月を見極めるために

ここまで、「飲食店の出店に適切なタイミング」について、開業月の決め方やポイントをご説明してきました。

開業月を決める際に大切なのは、具体的な商圏分析をした上で売上予測を立て、最も利益を上げられる開業月を逆算することです。繁忙期までにオペレーションや経営体制を確立させておくことで、来店のチャンスを逃さず、あなたの飲食店がより多くの消費者に愛されるお店になることでしょう

適切な開業スケジュールを立てることは、売上アップにも直結する重要なポイントです。末永くお店を経営していくためのよいスタートダッシュをきるためにも、この記事を参考にしていただけたら嬉しいです。


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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