【街レポ】荻窪

「2015年人気の高かった駅ランキング(首都圏)」(※1)の1位に輝いたのは「荻窪駅」だった。

それまでは「吉祥寺駅」が住みたい街ランキングトップを独走していたが、

ここにきて首位を奪還したのが「荻窪駅」だ。

今回は、そんな都内でも注目を浴びている荻窪について紹介したい。

荻窪は杉並区の中央に位置し、荻窪1〜5丁目、南荻窪1〜4丁目、上荻1〜4丁目を含むエリア。

人口は荻窪で1万3072世帯、2万3880人、南荻窪で6818世帯、1万3255人、

上荻で7315世帯、1万2485人(2016年1月1日現在)。

駅前施設が充実しており、駅直結の「ルミネ荻窪駅」はデパ地下やファッション、

インテリア、雑貨などのショップ、5階レストランフロアには「新宿中村屋 インドカリーの店」

「函館らーめん 一凛」「とんかつまい泉」など14店が入居する。

また、屋上には会員制の貸し菜園場もあり人気だ。

近くにある商業施設「タウンセブン」も、生鮮食品からファッション、

ジュエリーショップ、そして幼児教室などが入居。

屋上の「あおぞらぱーく」は人工芝が敷かれた遊技場になっており、

アスレチックやボルダリング、バーベキューができるスペースとして、

近隣に住む子供たちや家族の憩いの場となっている。

その他、B1〜7階までのフロアで構成するスーパー「西友」も駅3分の場所に立地。

生活するには便利な駅となっている。

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駅周辺が栄えているのには、都心繁華街へのアクセスがいいことも一つだろう。

「荻窪駅」は、JR中央線(快速)、JR中央・総武線(各駅停車)の他、

東京メトロ丸ノ内線が乗り入れる。

JR中央線(快速)を利用すれば「新宿駅」まで10分内で行くことが可能。

また、東京メトロ丸ノ内線は始発駅となるため、ラッシュの時間でも着席できる可能性が高い。

東京メトロ丸ノ内線からは、「銀座駅」や「大手町駅」まで30分前後で行けるとあり、

平日の出勤、休日の買い物などにも利便性が高い駅だ。

JRの2015年度1日平均乗降客数は8万7473人、東京メトロでは8万3029人。

両線ともに年々増加傾向にあり、東京メトロでは対前年比4.1%増を記録している。

駅西側の上荻2丁目や荻窪3〜4丁目などは、高級住宅街が点在。

区画整備された駅北側エリアは、公園や緑地は少ないものの、

比較的敷地の大きい一戸建てを中心とした住宅街となっている。

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荻窪を代表するグルメと言えば、ラーメンだ。

都内でも有数の激戦区として知られ、「荻窪ラーメン」というジャンルが確立されているほど。

ちなみに「荻窪ラーメン」とは、東京ラーメンの一種であり「荻窪駅」周辺で提供されるラーメンのことを指す。

蕎麦屋からの業態転換が多かったという背景から、スープは魚介系の和風だしが基本で、

濃口醤油の濃い醤油色のスープが特徴だ。

歴史で言うと、戦後の「荻窪駅」北口(タウンンセブンの周辺)は闇市であり、

そこからラーメン店が出現、その後青梅街道沿いに店舗が拡大していったと言われる。

「荻窪ラーメン」を牽引したと言われる「春木屋 荻窪本店」(上荻1丁目)は、

未だ行列の絶えない老舗ラーメン店。

また1988年から続く「野方ホープ 荻窪店」(天沼3丁目)は濃厚豚骨スープが味の決め手で、

現在は荻窪以外にも店舗数を拡大する有名店だ。

その他にも「手もみラーメン十八番」(上荻1丁目)、

濃厚煮干しだしに自家製麺をあわせた「二葉 上荻店」(上荻1丁目)、

青梅街道沿いにある魚介と動物系のWスープを起用する「中華そば丸信」(上荻1丁目)など、

数々の人気店を抱えている。

商店街には2〜3軒隣にラーメン店が出店するほど、その密度は濃い。

老舗人気店が多く「荻窪にラーメンを食べに行く」というラーメンフリークも多いことから、

ラーメン業態での新規出店はやや難易度が高そうだ。

 

荻窪には約13もの商店街が存在。

大きなもので言えば「荻窪駅」西口から南西に伸びる「荻窪すずらん通り商店街」と、

南口から南へと伸びる「荻窪南口仲通り商店街」の2つ。

「荻窪すずらん通り商店街」では、毎年6月の2日間に渡って「ハーモニー祭り」を開催している。

出店が出るだけでなく、太鼓やブラスバンドなどの演奏会も行なわれる、賑やかな祭りだ。

一方の「荻窪南口仲通り商店街」は、駅前から善福寺川まで続く長い通り。

道幅がやや狭い道に多くの個店がひしめくという、昭和の香りがする商店街だ。

また、定期的にいくつかの商店街が合同で行なうイベントも開催。

2016年3月には、8つの商店街が合同で店オリジナルの「かんぱっち」を配布、

景品をゲットできるというイベントを開催した。

商店会を中心に街を盛り上げようという一体感があり、

そうした雰囲気が住み良い環境づくりにもつながっているのだろう。

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一方で注目したいのが、駅北口のロータリー脇一体を占める「荻窪北口駅前通り商店街」

「アサヒ通り商店街」「荻窪銀座街」だ。

このあたりは昔ながらの雰囲気が息づく古い町並みとして、コアなファンには垂涎のディープエリア。

特に狭小店やスナックなどの飲み屋がひしめく「荻窪銀座街」は、

井戸や共同トイレが現存するなど「荻窪駅」前の雰囲気とはまるで異なる。

しかし線路沿いの通りには、串カツ酒場の「串カツ田中 荻窪店」(上荻1丁目)、

餃子を売りにした「ダンダダン酒場」(上荻1丁目)などの新店も点在。

両店ともに一点特化の商材を看板に掲げた若者にも人気の高い大衆酒場で、連日多くのお客を集客している。

また、裏通りの「クラフトビアスタンド ターコイズ」(上荻1丁目)も2013年オープンと比較的新しい一軒。

戦後の面影を残す一角ながら、新たな店が少しずつ出店していることで、

比較的若い世代でも通える場所となっているようだ。

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世帯数が多く、家族で住む街としての魅力も高い荻窪。

先述した「タウンセブン」屋上の遊技場をはじめ、

家族連れが楽しめる環境を有するのも荻窪の特徴だ。

一つは、回遊式日本庭園の「大田黒公園」(荻窪3丁目)。

音楽評論家である大田黒元雄氏の屋敷跡地を整備した公園は、

緑溢れる都会のオアシスとして知られる。

日本有数の音響効果を誇る音楽専用ホール「杉並公会堂」(上荻1丁目)も、「荻窪駅」から徒歩6分。

リサイタルやコンサートをはじめ、落語なども随時開催しており、エリア外からのお客の流入も多い。

特に夏休みや冬休みなどの長期休暇中は、子供向けのイベントも行なっており家族連れで賑わう。

また「荻窪駅」から徒歩1分の近さにある「武蔵野温泉 なごみの湯」(上荻1丁目)は、家族で過ごせるスパ施設。

天然温泉をはじめ岩盤浴などもあり、1日過ごせる設備が揃っている。

JR中央線「西荻窪駅」、

西武新宿線「上石神井駅」からも徒歩圏内の「杉並アニメーションミュージアム」(上荻1丁目)も、

子供から大人まで遊べる人気のアニメ専門施設。

日本のアニメの歴史から、これからのアニメまでを紹介する他、

アフレコや制作過程などを体験する参加型の展示も行なっている。

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「荻窪駅」は「西荻窪駅」同様、住宅地として人気のエリア。

駅利用者にとって利便性の高い商業施設を有する他、

駅前はファミレスやファストフード店などのチェーン店も多く、

単身者からファミリー層にまで優しい街だ。

一方でラーメン店に限らず、カフェ、カレー店の激戦区として、

出店のハードルが比較的高いのも特徴だ。

業態が飽和状態である以上、

これからは住民の日常に溶け込むための“シーン提案”(例えば帰り際に一人で軽く飲めるなど)が、

飲食店のキーとなってくると予想する。

 

オウチーノ総研による「O-uccino」賃貸サイトのアクセス数(2015年1月1日〜12月31日)を基に集計