注意)居酒屋を経営するときに必要なことって何?開業段階の進め方 Vol.3からの続き記事となります。

 

資金を安く抑える方法

●コスト削減の意識づけで固定費を削減

一般的に水道光熱費は、売上げの5〜7%。水道、光熱費はある程度の努力で削減することができる。ちょっとしたことだが、水道をこまめに止める、電気をこまめに消すなど。これだけでもやるとやらないでは、年間でかなりの差がつくはずだ。そのためマニュアルとまでは言わないが、紙を貼るなどで日頃から従業員に意識づけしたい。
また電気とガスは近年の自由化により、電力会社、ガス会社を選ぶことができる。飲食店向けのプランを用意している企業もあるため、一度会社自体を見直すことも考えてみよう。
あとは電気をLEDにする、極端に古いエアコンを入れ替えるなども、コスト削減に大きく貢献してくれる。

 

●口コミメインの広告にシフト

一般的に広告宣伝費は、売上げの5〜10%。広告宣伝費は集客のための投資であるが、必ず投資するものではない。そして情報社会である現代において、お店側がお金を払って露出度を高めた有料広告を嫌厭する消費者も少なくない。
最も効果的な広告宣伝は口コミだ。そのための口コミサイトも多く存在するが、最近では信憑性にかけるとの声も。それでもそういったサイトに口コミを書いてもらうことを、日頃の営業で意識したい。そのためには顧客満足度に意識し、普段から接客態度に気を使う必要がある。「人に教えたい」と思わせるようなサービス、商品があれば口コミは広がるはずだ。
大手口コミサイトの「食べログ」でも、月1万円〜の広告料を取っている。支払う必要があるかどうかは考え方次第だ。

 

●居抜き店舗を狙う

再三書いているが、スケルトンからの施工コストは坪30〜50万円。豪華な装飾を施すとなると、坪100万円はくだらない。そのため、スケルトンからの居酒屋開業だと初期費用が2000万円を超えるケースも少なくない。だからこそ、独立1店目であれば居抜き物件を狙いたいところだ。
居抜き店舗により、内外装工事費の削減や設備費用が削減できるため、初期費用を1000万円程度におさえることが期待できる。

 

開業当初は経営赤字が当たり前

●固定客がつくまでは赤字経営が当たり前

「開業時してから最初の半年は赤字で当たり前」と頭に入れておいた方がいい。前職からのファンが多い、有名店から独立した、これまでにない新しい業態など、よほど話題性がなければ、スタートダッシュから成功するのは難しい。さらに居酒屋となると、なかなかオープンしただけではお客はつきにくいもの。そのためオープン半年間はキャッシュフローが尽きないよう、運転資金を用意しておく必要があるのだ。

駅前の好立地な物件は、家賃も高い。その場合は半年〜数年は赤字経営でも、家賃分を補填できるような資金を確保しておこう。

個人の場合、自宅の一部を店舗に改修して営業する方法も考えられる。その場合は家賃分がなく、固定費が下がるため、スタートが緩やかでも十分やっていけるだろう。

また居抜き物件で初期投資を抑え、その分の運転資金を確保することも大切だ。

飲食店は開業に労力を使うが、実は退店にも労力を消費する。満を持して開業したお店が半年持たずに閉店、とならないよう焦らず、じっくりと固定客をつけて半年以降から軌道にのせていくことを考えたい。

 

居酒屋経営の失敗例

内外装工事費をかけず、販促もせずに食器などに資金を多く投入してしまったケース

好きなブランドのインテリア、食器を揃えたい!

JR中央線沿線、駅から離れた場所に念願のカフェをオープンしたAさん。都内カフェでの勤務歴10年を経て、自己資金300万円、借入金なしでお店を構えた。コンセプトは、北欧インテリアのなかでゆったりとコーヒーを楽しめる空間。“北欧カフェ”という明確なコンセプトで、駅から離れていても興味のある人なら目指してやってきてくれるだろうと考え、家賃の安い居抜き物件を取得。

一方で、前店も同様にカフェであったことから、造作はそのまま使用。内外装工事費の代わりに、インテリアや食器にお金を投じた。いつしか自分の趣味の延長で、インテリアや食器を購入してしまったことから、運転資金として確保すべき資金まで手をつけてしまっていた。

オープンは宣伝も打たず、サイレントオープン。1〜2週間は、友人や前職の仲間がやってきてくれたが、新規客はほとんどいなかった。オープン景気であったにも関わらず、Aさんは「お客さんがたくさん来てくれた」と思い、宣伝をしなかったのだ。

1ヵ月、2ヵ月と営業を続けたが、新規客はほとんどなく、1日の売上げも数万円。2ヵ月終わりには、残っていた運転資金も底をつき、キャッシュが稼げず借金をするか、閉店するかの選択に迫られ、閉店を選択した。

 

運転資金がないことが閉店につながる

Aさんの失敗は、運転資金を持たなかったことと、理想を追い求めすぎたこと。投資すべき内訳の割合を間違えたことが、資金ショートにつながった。

もう一つはオープン前に宣伝を行なわなかったことだ。サイレントオープンは、立ち上げ当初のトラブルをコントロールするため、慣らし期間としての位置付けもあるが、その後の営業においても宣伝を行なわなかったことが、売上げを確保できなかった要因だ。

あとは前店のファサードを少し変えただけでオープンしたことで、周囲のお客はお店が変わったこと自体に気がつかず、集客に結びつかなかったと考えられる。

運転資金を残さず、月々の売上げで何とかまかなおうと考える経営者も多い。しかし、それができるのはほんの一握り。営業後の資金がなければ、軌道修正もできないまま、閉店となってしまう確率が高くなってしまうのだ。

 

居酒屋経営で成功するためには?

広告費に不要なお金をかけない

先述した通り、広告宣伝は必要だが、不用意な投資は割けたい。成功しているお店は、SNSやグルメサイトとの連携により、口コミを中心とした宣伝活動を行なっているので真似しよう。

SNSや口コミで発信してもらうための一つが、「SNS映え」するアイテムをつくること。最近「インスタ映え」という言葉を多く耳にするだろう。この「写真に撮って、人に教えたい!」という欲求をかき立てるアイテムこそ、集客に結びつく一つの策だ。

何も派手な演出をしろというわけではなく、盛りつけを少し丁寧にする、高さを出した盛りつけにするなど、簡単なところで構わない。

 

お客を飽きさせない

ファンづくりを意識することと、真似のできないオリジナル性を出すことが成功の鍵。ファンとは常連客のことで、この常連客をたくさんつくることで売上げの安定化を図ることができる。

またオリジナリティを打ち出すことが、集客のフックとなり、新規客の獲得にもつながる。

メニューの一部を定期的に変える、常連客の好みの1品をサービスするなど、お客を何度来ても飽きさせない工夫を常に考えたい。

 

最初の半年から1年は赤字経営覚悟で臨む

最初から超人気店となるのは至難の業。固定客が定期的につくようになるまでは、赤字経営覚悟で臨む覚悟を決めよう。そのため、運転資金は毎月の経費の6ヵ月分以上は確保しておきたい。

これは開業準備の際から気をつけなければならない。不要な箇所に無駄な投資をせず、安定的な収益基盤を形成することが大事。そのためには、事前にしっかりとした売上げシミュレーションを構成しておくことが重要なのだ。

 

まとめ

失敗を見込んで開業をする人はいないだろう。しかし、失敗してしまう経営者も多い。そこにはさまざまな理由があるが、一つはオープン後のイメージがぼんやりとしかないことにある。勝負はオープン後からであるにも関わらず、オープンがゴールとなり、資金を使い果たす。これが最大の失敗要因だ。

失敗しないためにはオープン後に使える資金を残し、集客ができなかった際や業態がうまく立地とはまらないときの軌道修正時に使えるようにしておきたい。

 

その他の記事

居酒屋を経営するときに必要なことって何?開業段階の進め方 Vol.1

居酒屋を経営するときに必要なことって何?開業段階の進め方 Vol.2

居酒屋を経営するときに必要なことって何?開業段階の進め方 Vol.3