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【飲食店開業】寿司屋で開業を目指すなら

【飲食店開業】寿司屋で開業を目指すなら

寿司屋といえば飲食業界の中でも高級感漂うお高い存在、そんなイメージはもう昔の話かもしれません。今では手軽で安価な回転寿司が主流となり、ファミリーに人気のチェーン店が続々と店舗数を拡大しています。

このように寿司屋に対する存在価値が変化しつつある中で、個人が経営する寿司屋はどのように戦略をとっていけばよいのでしょうか。今回は、寿司屋で開業を検討されている方に向けて、寿司業界における課題と開業のアドバイスについてお伝えしていきたいと思います。

寿司業界の市場変化と課題

外部環境の変化にも強い寿司屋

東京商工リサーチが発表した「すし店の倒産年度推移」をみていくと、2001年からの10年以上は倒産件数が30~50件と、30件以上が当たり前でしたが、2013年からは20~30件と、海外の観光客を呼び込んだインバウンド需要に支えられ30件を下回るまでに減少していました。

そして、新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年。
飲食業界は危機的状況に追い込まれ、多くの業態が過去最多を記録する倒産件数となっていました。
そうした中で、2020年度の寿司屋の倒産件数はというと、32件。
寿司屋も他の業態と同様、度々発令される休業・時短要請や、外出自粛、在宅勤務などの影響で売上減少に直面していましたが、感染対策とテイクアウト需要に迅速対応することで倒産件数は30件台に。
もちろん、各々のお店が汗水忍んで試行錯誤したゆえに生き残ってきた結果であることは言うまでもありませんが、倒産件数が過去推移よりも大きく上振れせず留まったことは、「寿司屋が外部環境の変化にも対応できる業態である」ことを示しているのではないでしょうか。

縮小していく個人経営店

外部環境の変化に強いと謳った傍ら、課題も多く抱えているのが寿司業界。その一つが、小・中規模の店舗における縮小化です。

総務省の発表する「事業所・企業統計調査」によると、2001年の寿司屋の事業所数は3万9539件で、そのうち70.5%が個人経営でした。
しかし、2004年になると、3万4877件に減少し個人経営は68.9%。2009年には、2万8865件で個人経営は63.8%。さらに、2014年には2万4069件で個人経営は59.7%と、ついに60%を切るまでに減少していっています。

この原因としては、スシロー、くら寿司、はま寿司、かっぱ寿司という大手回転寿司チェーン店が勢力を拡大し、4社の売上げで市場の7割以上を占める”4強時代”が到来したことにあります。結果、「地場の回転寿司店」や「町のお寿司屋さん」は客足を取られ失業と規模の縮小に追われる状況にあるのです。

高齢化する経営者

日本の社会問題として、後継者不足や高齢化が頻繁に取り上げられていますが、飲食業界や寿司屋においても例外ではありません。
特に、個人経営の寿司店では経営者の70%が50代以上であることが明らかになっています。

もちろん、生涯現役の方もいらっしゃいますが、ほとんどの場合は加齢と共に店を後継者に譲ることになります。しかし、この後継者が不足しているのが現状です。こうした状況に国や自治体も存続のサポートに乗り出し、役所にも事業継承相談窓口が設置されています。ですが、前述の通り、大手回転寿司チェーン店の勢力拡大も相まって個人経営の寿司屋は厳しくなる一方です。個人経営店の存続と町の活気を取り戻すためにも、若い継承者を育てなくてはなりません。

個人経営の寿司屋が生き残る為に

回転寿司チェーンとの差別化

ファミリー層や若い世代がお寿司屋に行くとなると、安価な回転寿司チェーン店を選択するのが主流となっている現代。
最近の回転寿司チェーン店は、1皿100円という安さだけでなく、メニュー数の拡充やネタの質がどんどん向上していることで、コストパフォーマンスの高さも魅力となっています。一方、個人経営の寿司屋はというと、値段が高く敷居が高い、特別な日に行く場所、と一般のご家庭にとってはハードルが高く、日常使いとしてはあまり見られていません。

それでは、個人経営の寿司屋がどうしたら回転寿司チェーンに勝てるのか

そのポイントとしては、安価な回転寿司チェーンとの差別化にあります。もっとも、個人店が回転寿司チェーン店と同様に値段を安くし、サイドメニューを充実させるような施策を真似たとしても勝算はありません
そんなことよりも個人店だからこそできる打ち手があるのではないでしょうか。
例えば、お客様に対する接客やサービス。昔から地域に根付くお寿司屋さんというのは、お客様との会話やサービスを大切にすることで常連さんを増やし、居心地のいいお店作りをなしてきました。この対面接客というのは、機械化が進む回転寿司チェーンにはない強みです。

個人経営の寿司屋のお客様というと、年齢層の高い方がメインだとイメージされやすいですが、そのお客様に自分の息子や孫を連れてきたいと思わせることができれば、若者世代にも回転寿司にはない魅力を伝えることができ、浸透させることができるのではないでしょうか。

その為には、個人店としての格式を保つことに留まらず、若者がギリギリ手を伸ばせる価格設定や、立ち寄りやすい外観・内装、立ち食いスタイルでの提供など、現代に適したカタチへと転換していく必要があります。個人経営の寿司屋で生き残っていく為には、従来からのお客様とのコミュニケーションやサービスを大切にしつつ、世代を問わず利用してもらえるお店づくりを目指すことが重要であるといえます。

海外顧客を視野に入れる

個人経営の寿司屋が縮小している日本ですが、相変わらず海外の方からは日本の寿司屋が人気となっています。これから自分で寿司屋を開業したいと考えている方は、日本だけでなく海外からの顧客も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
ただし、海外からの顧客と一口にいっても、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界各地の国と地域によって好まれる寿司も異なりますので注意が必要です。

また、前述した通り、対面接客が個人店の強みとなりますので、寿司を提供する際の演出や寿司づくり体験などお客様がたのしめる工夫を凝らすことで、さらに他店との差別化を図ることができるかもしれません。

寿司職人養成学校で学ぶ道

従来、寿司職人として一人前になるまでには、師匠の元で何十年という長い年月をかけて修行し独り立ちする、というのが一般的でした。しかし、このような方法は現代において合理的とはいえません。

そこで、昨今注目を集めているのが、寿司職人養成学校です。ここでは、なんと最短2カ月で寿司職人としてのノウハウを身につけることができ、ひと昔前であれば「師匠の技を目で見て盗め」と指導されていた技術も、養成学校では丁寧且つ的確に指導してくれるので着実に上達していくことが見込まれています。

また、この養成学校では、ただ単にネタの切り方や寿司のにぎり方を教えてくれるだけではなく、寿司業界にまつわる様々なことを0からしっかりと教えてくれます。もちろん講師たちはプロの寿司職人です。

そして、日本国内の寿司屋に就職したい方には学校が就活をサポートしてくれる制度もあるので、基礎知識を得た後に実際の寿司屋で技術を磨き、自分のお店を開業するのもそう遠くはありません。
たしかに学校に通う費用はかかってしまいますが、寿司屋で修行するよりも遥かに効率的に技術を身に着ける手段なのではないでしょうか。

寿司屋経営に必要な資格・手続き

食品衛生管理責任者資格の取得と飲食店営業許可の届け出

寿司屋での開業に際しこれといった資格はありませんが、飲食店を開業するときには、全業態共通で「食品衛生管理責任者資格」の取得と「飲食店営業許可」の届け出が必須となります。ちなみに、飲食店営業許可を各市町村が指定する保健所へ提出する際に、食品衛生管理責任者の資格が必要になるため、「食品衛生管理責任者資格」取得後に「飲食店営業許可」を提出するという流れがよいでしょう。

食品衛生責任者の資格取得については、
こちらの記事をご覧ください!

飲食店開業に際しては、開業前に資格の取得や届け出などで時間が取られることが想定されます。オープンまでの手続きをスムーズに進める為にも、事前におおまかな流れを頭に入れておき早めの準備を行ないましょう。

開業資金を抑える方法

できるだけ少ない資金で寿司屋をオープンしたいのであれば、寿司屋に転用可能な居抜き物件を選ぶことをおすすめします。
ラーメン屋や焼肉店などの重飲食と比較すると、特別な厨房機器や設備は必要ないので設備投資にかかる費用はさほど大きくかかりませんが、
さらに資金を押さえたいとお考えの方にとっては基本的な内装やカウンターが備わっているだけでも大幅なコストカットとなり、居抜きの状態次第ではほとんど工事をすることなくすぐに営業を開始することも可能となります。
選択肢として、自己資金が少なくても融資を利用して理想とする店舗を一からつくることは出来なくないですが、後の返済に追われるケースが多く見受けられますので、できるだけお持ちの資金で賄い無理のない開業を目指しましょう。

寿司屋に転用可能な居抜き物件



Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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