東京都中央区中部に位置する八丁堀は、商社や印刷工場などが多く、住宅マンションが次々と進出してきている注目の街です。人情味にあふれた街で、八丁堀から日本橋・茅場町方面へ南北にのびる「すずらん通り」は、当時“下町の銀座”と呼ばれるほど賑やかな通りでした。現在ではオフィスビルが多く立ち並び、派手な建造物などもありませんが、「水路の町」と呼ばれていた頃の江戸の名残が感じられます。そんな江戸の雰囲気を今に残す八丁堀の歴史と魅力をご紹介します。

江戸の面影を感じさせる粋な街

町名として「八丁堀」という地名がついたのは1931年(昭和6年)のことで、名前の由来は江戸時代にこの地に8丁(870m)もの掘割が作られたことだと言われています。京橋川から隅田川に通じる長い堀は、江戸城に物資を運ぶため、また城を攻めてくる大型の船が近づけないようにするために作られました。当時は、江戸城への登城に便利な場所であることから、多くの大名や武士の屋敷が並んでいたようです。

町奉行所の与力・同心の組屋敷

八丁堀は、「与力・同心」の組屋敷が存在していたことで有名です。そのため「八丁堀」が彼らを指した通称となり、時代劇ではよく“八丁堀の旦那”などと呼ばれています。

江戸時代における「与力」とは、上官を補佐する役割があり、「同心」とともに配属されていました。有名なのが町奉行配下の「町方与力」です。町奉行を補佐しながら、江戸市中の行政・司法・警察の役割を果たします。与力は馬上が許されていたため、単位は「騎」として数えられ、南町・北町奉行所にはそれぞれ25騎ほどの与力が配置されました。

「同心」は与力の下にあり、主に庶務や見回りなどの役割を担いました。南町・北町奉行所には各100人配置されていましたが、このうち警察業務を執行する「廻り方同心」は、南北を合わせても30名にも満たないほどでした。この人数で江戸の治安を守ることは困難であったため、同心は私的に「岡っ引」と呼ばれる手先を雇うなどしていたようです。

与力・同心にはそれぞれ役宅として、現在の八丁堀にあたる場所に組屋敷(いわゆる宿舎)が与えられました。与力が約300坪、同心が約100坪の規模だったようです。現在は残っていませんが、「与力・同心組屋敷跡」として京華スクエアという建物の前に説明板が立っています。

東洲斎写楽 地域歴史説明板

江戸で活躍した浮世絵師の「東洲斎写楽」は、役者や力士のリアルな表情と姿態を描き人気を博し、日本を代表する浮世絵師として世界中に知られています。近年まで写楽の正体や生涯は不明な点が多く、謎多き人物とされてきました。

しかし、斎藤月岑(さいとうげっしん)という人物が、1844年に『増補浮世絵類考』で「斎藤十郎兵衛」という人物について記載し、これが写楽ではないかと考えられました。さらに1997年には、埼玉県越谷市の法光寺で、同じく斎藤十郎兵衛という人物についての過去帳の記述が発見されました。

このようなデータから、写楽と斎藤十郎兵衛が同一人物との見方が強まり、八丁堀に住んでいたという説が注目されるようになったのです。亀島橋のたもとには、写楽をはじめ、八丁堀にゆかりのある歴史上の人物の説明板などが設置されています。

於岩稲荷田宮神社

新川にある於岩稲荷田宮神社は、「東海道四谷怪談」で有名な“お岩さん”を祀っている神社です。もともとは1719年に四谷へ創建されたものでしたが、社殿が火災で焼失したのを機に、1879年に新川へ造られました。その背景には、四谷怪談を演じる際に於岩稲荷田宮神社を参拝していた、歌舞伎役者の市川左団次による、「芝居小屋の近くに移転してほしい」という強い要望があったようです。

その後、四谷の社殿も復興されたため、現在は都内に2つの於岩稲荷田宮神社が存在しています。八丁堀の於岩稲荷田宮神社の境内には、中央区内に現存する最古の百度石があり、現代でもお百度参り祈願者が後を絶ちません。

“お岩さん”といえば、夫に殺された恨みで幽霊になったという、悲劇のヒロインのイメージを持たれている方も多いでしょう。田宮神社は彼女にゆかりのある神社ということで、厄払いや悪縁を切るスポットとしてひそかに噂されているようです。

良好なアクセス環境が整う

八丁堀駅は、東京メトロ日比谷線とJR東日本京葉線の、2社2路線が乗り入れる接続駅となっています。京葉線は、東京の表玄関こと東京駅から、舞浜や幕張を通って蘇我までアクセスできます。八丁堀から東京までは1駅で、散歩がてら京橋や日本橋経由で歩ける距離です。日比谷線を利用すれば築地・銀座・六本木・恵比寿にも乗り換えなしで行くことができるため、非常に良好なアクセス環境にあると言えるでしょう。

「隅田川テラス」

東京の北東部を流れる隅田川は、江戸の頃から生活用水や憩いの場、運河として付近に住む人々の暮らしを支えてきました。現在は河川敷の整備が進み、「隅田川テラス」として地域住民や観光客、ビジネスマンの憩いのスポットとして親しまれているようです。平日と休日を問わず、ジョギングや散歩を楽しむ方をはじめ、お昼時にお弁当を食べたり休憩したりするサラリーマンやOLの姿が多く見られます。

浅草から日の出桟橋を結ぶ水上バスも運行しているため、水上から隅田川テラス越しに東京のビル群を臨んだり、隅田川にかかる橋を眺めたりできます。また、東京湾の夜景を満喫しながら江戸前の天ぷらや料理を楽しめる屋形船もあり、外国人観光客などを中心に人気を集めているスポットです。

どんな飲食店がある?(1km圏内)

八丁堀にある飲食店のうち大半を占めているのが、267件の和食店や、292件の居酒屋です。次いでBARやカフェの件数も、他の業態に比べると多い印象を受けます。オフィス街のため、接待や打ち上げなどで利用できる、お酒を扱うお店が重宝されるようです。

どんな業態が出店チャンス?

八丁堀では、ビジネスマンをターゲットにした『和食店』や『居酒屋』などの、お酒を楽しめる店舗が出店チャンスと言えるでしょう。働く女性向けに、素材・メニュー・店内の装飾などにこだわったオシャレな『BAR』や『カフェ』も狙い目であると考えられます。

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居酒屋の居抜き
和食屋の居抜き
バーの居抜き
カフェの居抜き

周辺の主なスポット

・三越日本橋本店
・東京駅
・日本橋高島屋
・於岩稲荷 田宮神社
・隅田川テラス
・鉄砲洲稲荷神社
・歌舞伎座
・東京クルーズ(東京都観光汽船)
・堀部安兵衛武庸之碑
・築地本願寺
・日本橋
・警察博物館
・河村瑞賢屋敷跡碑
・歌川広重住居跡

八丁堀に似た地域

■茅場町
八丁堀の隣に位置する茅場町は、オフィスが多く、東京駅まで徒歩圏内にある点で似ていると言えるでしょう。
茅場町駅周辺で居抜きで飲食店を開業するための街情報
■日本橋
茅場町のお隣にある日本橋も、ビジネス街であり落ち着いた雰囲気があるため、八丁堀と似ている点が多くあります。
■有楽町
オフィスや商業施設が多く立ち並び、都心へのアクセスが良好であり、そして何より犯罪件数が少なく治安が良い点が、八丁堀との共通点です。

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茅場町・日本橋・有楽町周辺の居抜き物件一覧
  

どんな客層?

【平日/昼】
オフィス街が多くある中央区は、昼間は60万人を超える多くのビジネスマンで賑わいます。ランチの平均単価は1,000円以内と、毎日利用する方には嬉しいリーズナブルな料金設定のお店が多いようです。
【平日/夜】【土日】
中央区の夜間の人口は14万人ほどに落ち着きますが、昼間に比べて増加率が高い傾向があります。マンションの進出により、世帯数が格段に増えているためと考えられます。ディナーの平均単価は3,000~4,000円と少々高めの金額です。

人口特性

平成30年1月1日現在の八丁堀には、2,212世帯3,461人の人が暮らしています。そのうち男性は1,705人、女性は1,756人と、ほぼ同数。京橋地域全体で見ると、女性の方が2,000人ほど多く暮らしているようです。

乗降人数

2016年度の1日平均乗車人員は、JR東日本で33,172人、東京メトロで109,064人と地下鉄利用者の方が3倍ほど多い結果が出ています。これは、東京メトロ全130駅の中でも33位の多さを誇っている数値です。乗降人員の推移を見ても、近年は増加傾向にあります。

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八丁堀の賃貸相場

東京駅が徒歩圏内の八丁堀は、マンション建設の増加とともに物件も増加傾向にありますが、物価は高く、家賃相場も高めです。1R・1Kの単身者用物件の家賃相場は最低でも10万円を超えてしまうでしょう。1LDKで17万円ほど、2LDKでは25万円を超えます。

八丁堀の店舗賃料相場

八丁堀駅周辺の店舗賃料は、20~40万円に設定してある店舗が全体の約半分を占めています。20万以下の物件を含めると62%もの店舗が40万円以下という結果になり、意外にもリーズナブルな相場といった印象を受けます。平均坪単価は22,555円で、徐々に増加傾向にあるようです。