JR山手線と京浜東北線が停車する鶯谷。山手線の駅の中では比較的マイナーな駅として知られていますが、実は多種多様な見どころを兼ね備えた魅力ある街でもあります。

歓楽街のイメージも強い駅周辺には、意外にも歴史あるスポットが点在。
また、日本初のグルメや老舗の専門店など、ここでしか味わうことのできない魅力的な店が集まる下町グルメスポットとしての一面も持っています。

台東区にあり、上野や浅草といった観光地に近い立地ながら、街の存在としてはその影に隠れてしまいがちな鶯谷。
こちらでは、そんな鶯谷の知る人ぞ知る魅力をご紹介したいと思います。

江戸の昔から文人たちの居住地だった、歴史ある下町の飲み屋街

現在の鶯谷は、飲み屋街や歓楽街といったイメージが強いものの、江戸中期から幕末にかけては、別荘地として重宝され、明治期以降は文人や著名人の居住地としても愛された、穏やかな田園地帯でした。
実は「鶯谷」という地名は、行政上は存在しておらず、現在の鶯谷駅周辺は「根岸」と呼ばれる地域に相当しています。

歓楽街のネオンがきらめき、駅周辺にマンションなども目立つようになってきた現代は、当時とは似ても似つかない雰囲気ではありますが、ところどころにかつての面影を垣間見ることのできる文化遺産が、数多く残されている街でもあります。

江戸の別荘地だった「根岸の里」

鶯谷駅のある「根岸」というエリアは、「根岸の里の詫び住まい」という句でも知られるように、江戸の時代は自然豊かで穏やかな街並みが広がり、別荘地として人気を博していました。
明治期以降は、文人や著名人が多く住んだエリアとしても知られており、外務大臣を務めた陸奥宗光の別荘であった「西宮邸」(通称ホワイトハウス)や、型破りの笑いで時代を切り開いた落語家 林屋三平の住居であった「ねぎし三平堂」、そして明治の俳人・歌人である正岡子規の旧居「子規庵」などが、貴重な文化遺産として今も一般に広く公開されています。

また、明治期を代表する洋画家・書道家である中村不折の旧家は、書道博物館として氏の40年以上にわたる貴重なコレクションを展示する専門博物館になっています。

また大正末期になると、根岸では花柳界が花開きました。
そして、昭和20年代後半頃には大変な盛り上がりをみせていたと言われています。そのメイン通りともなる「柳通り」沿いには、現在も老舗や高級料亭が軒を連ねかつての面影を残しています。

正岡子規と鶯谷

日本の近代文学に多大な影響をおよぼした明治の俳人・歌人である正岡子規は、鶯谷とゆかりの深い人物の一人です。
上述したとおり、根岸2丁目にある「子規庵」は、正岡子規の旧居を一般公開したもので、その住居と合わせて、書簡や原稿、貴重な遺品の数々などの展示も併せて楽しむことができます。

子規は、明治27年にこの地に移り住み、その8年後に34歳の若さで亡くなるまでこちらで暮らしていました。
つまり、この「子規庵」は、氏が闘病生活を過ごした最期の地でもあるのです。ちなみに、子規庵の6帖間からみることのできるへちまは、子規の辞世の句でも詠まれています。

ちなみに正岡子規は、自分が愛した根岸の地や台東区周辺にちなんだ句を多く残しています。
「雀より 鶯多き 根岸かな」は、根岸の里を謳った句として有名で、現在は根岸小学校前に句碑がたてられています。

そしてこのような句碑は、台東区の子規ゆかりの場所に11もあり、台東区と子規との深いかかわりを見て取ることができます。
また、鶯谷から9分のところにある西蔵院の不動堂には、「御行の松」という江戸時代から有名な松の木があり、その松のことを詠んだ句「薄緑 お行の松は 霞みけり」の句碑も、松のすぐそばにたてられています。

入谷 朝顔祭り

毎年七夕の時期になると開催される「入谷 朝顔市」は、この地域恒例の夏の行事になっています。
このお祭りは、朝顔の開花にあわせて朝の5時から開催されるのですが、早朝にもかかわらず例年多くのお客様が訪れ、大変な盛り上がりを見せてくれます。

会場となる、「入谷鬼子母神」から「言問い通り」沿いには、約60軒の朝顔業者と96軒もの露店が並び、例年約40万人もの人が訪れているそうです。
もともと、御徒町で栽培されていたものが、時代の変遷とともにこの地で作られるようになり、その出来の素晴らしさから、観賞用として広く知られるようになったという朝顔。
そのような背景を持つ「入谷 朝顔祭り」は、すっかりこの地域の夏の催しとして定着し、約70年もの長い間続いています。
現在も、子供から大人まで幅広い人たちから、“下町の夏の風物詩” として人気を集めています。

都内随一の老舗ダンスホール「ダンスホール新世紀」

1996年に制作された日本映画「Shall We ダンス?」は、当時日本アカデミー賞を独占した日本映画史に残る映画作品です。また広く一般にも普及し大ヒットした作品にもなりました。
その映画の舞台モデルとなったダンスホールが、鶯谷から徒歩3分のところにあります。1969の開業以来、都内随一のダンススタジオとして現在も営業を続けている老舗です。

このダンスホールは、オーケストラ用の舞台、社交ダンスフロア、3階席まである客席、そしてバーや飲食用のカウンターもある広々とした空間で、イベントなども頻繁に開催され、ダンス好きの大人たちの社交場となっています。
社交ダンス初心者も気軽に参加できる体験レッスンなどもあるため、ここからダンスの魅力にはまっていくという人も少なくありません。

 

どんな飲食店がある?(1km圏内)

鶯谷に最も多い飲食店は和食(272件)です。次いで多いのが、居酒屋(179件)・カフェ(125件)となっています。他の街に比べて洋食(30件)が多いのが特徴的です。鶯谷には有名な老舗洋食屋もあります。

どんな業態が出店チャンス?

鶯谷に出店チャンスがあると考えられるのは、『和食』や『居酒屋』『カフェ』の業態です。『洋食屋』も話題を集めやすいと言えるでしょう。

業態別 募集中の居抜き物件一覧

和食の居抜き
居酒屋の居抜き
カフェの居抜き
洋食・レストランの居抜き

周辺の主なスポット

・子規庵
・書道博物館
・西宮邸(旧陸奥宗光邸)
・ねぎし三平堂
・ダンスホール新世紀
・入谷鬼子母神
・下谷七福神
・下谷病院
・寛永寺霊園
・徳川家霊廟
・東京文化財研究所
・東京国立博物館
・下町風俗資料館
・台東区立江戸下町伝統工芸館
・上野の森美術館
・大名時計博物館
・日本美術院
・黒田清輝記念館
・朝倉彫塑館
・横山大観記念館
・一葉記念館
・東京芸術大学
・東京キネマ倶楽部

鶯谷に似た地域

赤羽

せんべろの街としても知られる赤羽は、駅周辺に飲み屋街が広がる賑やかな街です。外国人居住者も多く雑多な魅力のあるところが、鶯谷と共通しています。
赤羽(北区)で居抜きで飲食店を開業するための街情報

本郷

文化的な街としても知られる本郷は、東京大学のキャンパスも近いことから学生も多い街です。江戸から続く老舗も健在で、文化人に愛されていた歴史をもつ点が、鶯谷とも共通しています。
本郷三丁目(文京区)で居抜きで飲食店を開業するための街情報

日ノ出町

駅周辺に「野毛」という飲み屋街が広がる日ノ出町は、横浜の中心部にある下町です。みなとみらいや伊勢佐木町など横浜を代表する観光地からも近く、雑多な魅力のあるところが鶯谷とも共通しています。
日ノ出町(横浜市中区)で居抜きで飲食店を開業するための街情報

類似地域 周辺の募集物件一覧

赤羽・日ノ出町・本郷三丁目の居抜き物件一覧

 

どんな客層?

【平日/昼】
鶯谷は住宅街でありながら、東京芸術大学のキャンパスも近く、上野などの観光地と隣接しているため、昼間人口も一定数いる街です。平日昼間は周遊客や学生、周辺で働く人々がメインターゲットになり、メニューは1,000円以下というお店が多数です。

【平日/夜】【土日】
平日夜と土日は、周辺観光スポットからの流入客や仕事帰りのビジネスパーソン、近隣住民がメインターゲットとなります。メニューは、2,000~3,000が平均的です。

人口特性

鶯谷のある台東区の総人口は198,525人(2018年)です。その中でも、世帯数は118,246世帯となっています。外国人居住者も多いエリアです。男女比を見てみると、男性の方が多い傾向にあります。

乗降人数

鶯谷駅には、JR山手線と京浜東北線の2路線が乗り入れています。2017年度の1日平均乗降人数は25,375人で、山手線の駅の中では最も少なく、京浜東北線の駅の中でも東十条駅に次いで4番目に少ない駅となっています。

鶯谷の賃貸相場

鶯谷で部屋を借りる場合の相場は、ワンルームの場合7.78万円、1LDKの場合12.94万円です。また2LDKは15.83万円、3LDKは18.43万円となっています。単身層、ファミリー層、外国人居住者等幅広い世帯が居住しているエリアです。

鶯谷の店舗賃料相場

鶯谷の店舗賃料は、月に20~40万円という方がもっとも多くいらっしゃいました。こちらが全体の39%となっています。次いで多いのが、20万未満で32%です。平均賃料相場の推移を見てみると2017年から2018年は上昇傾向にあるようです。

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