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駐車場で事故が起きた場合の対処法|飲食店経営者の賠償責任は?

駐車場で事故が起きた場合の対処法|飲食店経営者の賠償責任は?

自分のお店の駐車場で事故が起こった場合、飲食店の経営者は責任を負うのでしょうか?
駐車場はあった方が便利だけど、店内にいながら監視することは難しいため、駐車場を持つことを躊躇してしまいますよね。

経営者側に問題がなくても、自身の敷地内でトラブルが起こることは周囲に悪い印象を与えかねません。

そんな、駐車場問題に頭を悩まされる方のために、「駐車場でトラブルがあった際の対処法」について解説します。

アクセスが悪い飲食店に駐車場は必須

 

                  
すべての飲食店に駐車場が必要ではありませんが、アクセスの悪い立地の場合、駐車場は必須といえるでしょう。
駐車場を設置することで、来店機会の損失を防ぐことができるため、集客数も増えるでしょう。
駐車場を設置する場合、アクセスが良い立地であれば客席の1/5、アクセスが悪い立地であれば客席の1/2程度の台数を確保することをおすすめします。

また、駐車場を設けることで路上駐車を防ぐこともできるため、敷地内でのトラブル防止にもつながります。

駐車場設置の場合は飲酒運転にも注意を

駐車場を設置する場合は飲酒運転をさせないように注意しましょう。
飲酒運転の増加に伴い、飲食店にも飲酒運転の要因があると責任を問われるようになりました。
そのため、お客さんのみならず飲食店も飲酒運転の注意喚起を促す必要があるのです。
飲酒運転で事故を起こした場合、酒を提供した飲食店が3年以下の懲役または50万円以下の罰金の支払いを命じられることもあります。

飲食店に駐車場を設置する以上、ドライバー自身が車で来援する可能性も十分に考えられるでしょう。
来店したお客さんには、飲酒運転の注意喚起を必ず行いましょう。

駐車場は事故が起きやすい

実は駐車場では事故が起きやすいのです。
もちろん十分なスペースがないことや、形がいびつなど様々な要因が考えられますが、車両事故の3割が駐車場で起きているというデータもあります。

・接触事故
・当て逃げ事故

駐車場でよく起きる事故として、この二つのパターンが挙げられます。
それぞれの事故について詳しく解説します。

駐車場で多い事故

接触事故

駐車場で多い事故の一つが接触事故です。
駐車場は公道とは違い、車や人が不規則に動くことがあるため、進行方向を予測できないことも少なくありません。
ウインカーを出さずに進行方向を変えたり、死角から人が飛び出てきたりすることもあるでしょう 。
また、公道とは違って車がたくさん止まっているため、ドライバーからの見通しは悪く、人や車に気づけずに接触事故が起きてしまうケースも多いのです。

当て逃げ事故

駐車場で多いもう一つの事故が当て逃げ事故です。
駐車の際に横の車にぶつけてしまったり、ドアを開くときに横の車にぶつけてしまったりという事故が多く、ドライバーが車内に不在の場合に当て逃げをしてしまう人が多いです。
事故の規模は小さいかもしれませんが、どれも刑罰の対象です。
もし駐車場で、事故を起こしてしまった場合には、小さな事故でも警察や保険会社に届け出るようにしましょう。

駐車場での事故は交通事故になるのか

それでは、駐車場での事故は交通事故として扱われるのかを解説します。
駐車場で事故が発生した場合、「交通事故として扱われない」「私有地は道路交通法が適用されない」などの噂をあなたも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、実際に駐車場で事故があった場合、どのように扱われるのかを知らない方も多いのでは?
駐車場での事故が起こった場合の扱いについて、詳しく解説していきます。

駐車場の事故に警察は対処しない

結論から言うと、駐車場で起こった事故に警察が対処してくれることはありません。
道路交通法では、交通事故は道路上で起こったものとされているため、駐車場での事故は基本的に交通事故として扱われません。
そのため、駐車場は道路交通法の規制が及ばない場所と判断され、警察が対処してくれることがなく、交通事故として扱われないのです。

駐車場でも道路交通法が適用されるケース

駐車場での事故でも道路交通法が適用されるケースがあります。
私有地の場合でも「不特定多数の人が自由に行きかうことができる場所」と判断される場合には、駐車場で事故が起こった際に道路交通法が適用されます。
飲食店やショッピングモールなどの駐車場であれば、道路交通法が適用されるケースも多いため、警察が対処してくれる場合もあるのです。

駐車場で事故が起きた場合の店舗の責任

ここからは、駐車場で事故が起きた場合の飲食店の責任について解説します。
実際に、自分が経営している飲食店の駐車場で事故が起きた場合には、飲食店はどのような責任が発生し、どのような対応をしなければいけないのでしょうか。

店舗側に賠償責任は発生しない

飲食店の駐車場で事故が発生した場合、店舗側に賠償責任は基本的には発生しません。
なぜなら、飲食店の駐車場は道路交通法で「道路」とみなされることが多いからです。
そのため、飲食店の駐車場で事故が起こった場合にも、道路交通法が適用されます。
道路交通法が適用されると、道路上の事故と同様に事故を起こした当事者同士の責任が問われます。
そのため、飲食店側には賠償責任は発生しないのです。
ただし、駐車場の環境や当時の状況などの聞き取りはされるでしょう。

店舗側に責任が発生するケース

それでは店舗側に責任が発生するケースを紹介します。
基本的には飲食店側に賠償責任は発生しないと解説しましたが、例外もあります。
例えば、駐車場の環境などが劣悪だった場合などは、飲食店側に責任が発生することもあるのです。

駐車場内の環境や設備に問題がある場合

駐車場内の環境や設備に問題がある場合は、事故の責任が飲食店に発生する場合もあります。
駐車場の所有者は、利用する人の安全性や防犯性を考えた環境・設備を整える義務があります。
そのため、駐車場の設計や設備を整えていない場合に事故が起これば、環境整備を怠ったとして飲食店側に責任が発生するケースもあるのです。
駐車場を設ける場合には、事故が起きた際に責任はないと主張できるような環境整備が重要となるでしょう。

有料駐車場の場合

飲食店が有料駐車場を契約して駐車場を用意している場合にも、飲食店側に責任が発生する場合があります。
月極駐車場などを契約してお客さんが利用する駐車場を用意している場合は、賃貸借契約が成立します。
そのため、有料駐車場で事故が起こった場合は飲食店側に管理責任が発生するのです。
駐車場を用意する場合には、駐車場の整備だけでなく、防犯カメラや警備員を用意して事故対策に勤める必要もあるでしょう。

駐車場の事故によるトラブルやクレームを予防するには

駐車場での事故が起きた際、いくら飲食店に責任がないと言っても、私有地内でのトラブルやクレームは避けたものです。
駐車場の事故によるトラブルやクレームを予防するには、物理的対策が有効でしょう。
例えば、

・フェンスを設置すること
・常夜灯を設置して夜でも見通しを良くする
・「駐車場内での事故の責任は一切負いません」という旨の看板を設置する

このような物理的な対策をすることで、トラブルやクレームを未然に防ぐことができます。
ただし、看板などで責任を負わない旨を明記していたとしても、店舗側に責任があると判断された場合には、責任をとらなければいけないことは覚えておきましょう。

どうしても飲食店側が賠償する必要があるケース

駐車場で事故が起きないための対策をどれだけ行っても、飲食店側に責任が発生することもあります。
その場合は、誠意をもって対応し解決に向かうように警察や当事者に協力することが大切です。
また、賠償の際には、「この事件・事故に関する賠償が完了していること」「以後はこの件に関して請求をしない」などの文章が明記されている念書を作成してもらうことをおすすめします。
念書があることで、事実関係があいまいになってしまった際や、後日のクレームにスムーズに対応することができます。

事故によって飲食店の設備が壊れた場合の対処法

飲食店の駐車場で事故があり、飲食店の設備が壊れた場合、通常の事故と同様に警察に連絡をして、事故処理をしましょう。
警察に連絡し、事故処理を行うことで、保険が適用されます。

・お客さんが車で駐車場のフェンスにぶつかり破損した
・飲食店の看板にお客さんの車がぶつかり破損した

このような物損事故で保険に加入している場合には、警察に事故処理をしてもらうことで保険が適用されるでしょう。
また、物損事故では事故の当事者に修理費を請求できることも覚えておきましょう。

まとめ

飲食店において駐車場は重要な集客ツールです。
しかし、駐車場は常に管理することは難しく、設置に頭を抱えている方も多いでしょう。
駐車場での事故は、交通事故に該当し、警察が介入してくれることも多いです。
そのため、万が一、自身が経営する飲食店の駐車場で事故が起こった場合でも、飲食店に責任が発生することは少ないです。
しかし、駐車場の環境を整備していない場合には責任が発生することもあるため、注意しましょう。

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Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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