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飲食店の電子マネー決済導入|メリット・デメリットやコストを解説

飲食店の電子マネー決済導入|メリット・デメリットやコストを解説

飲食店にとって、支払いのバリエーションの多さは顧客の回転率の確保につながります。ただし、その導入法や手数料、現金化などの問題でお悩みの店主様も多いのではないでしょうか。また、支払いのバリエーションの豊富さをうたっても、従業員が顧客の支払い方法に対応できない場合や、支払い方法が分散することで店側に弊害が生じることも考えられます。ここでは、飲食店の決済方法でポピュラーな「電子マネー」の導入を紹介いたします。

飲食店が電子マネー決済を導入するメリット

飲食店の場合新規客の獲得はもとより、リピーター客の確保も重要な課題です。魅力あるメニュー作りや店づくりのコンセプトがその課題の大部分を占めるといえますが、顧客にとって「支払いのスムーズさ・利便性」も店選びの要素として欠かせないものとなっています。顧客が利用しやすい決済方法を導入することは大切ですが、店側にとってメリットが得られなければ、導入の意味はないといえるでしょう。
飲食店が決済方法の手段のひとつとして電子マネー決済を導入するメリットは、次の3つが考えられます。

・レジの混雑緩和
・スタッフの負担軽減
・支払い手段が増えるため、売上増加につながる

それでは、ひとつずつ内容を追っていきましょう。

レジの混雑緩和

レジ
レジでの会計を待たせることは飲食店だけではなく、どの店舗でもできることなら避けたい行為です。特に飲食店の場合、回転率を上げる要素としてもレジの会計待ちを減らすことが大切です。
その中で利用客が多い時間帯などは小銭で支払うだけではなく、お札で支払う人も増えてしまいます。性能が良いレジを導入しても、入金確認などお札を扱う際の確認を従業員同士で行う店も見られます。また、お釣りとして手渡すお札のカウントで手間取ってしまうことは、その会計待ちの客を増やしてしまう要因につながります。
こんな時に電子マネー決済を導入していれば、客は自身が持つカードやスマホなどのデバイスを端末にかざすだけなので、スムーズに会計をすますことができるうえ、混雑の解消にもつながります。

スタッフの負担軽減

cashless
飲食店の場合、経験が未熟なアルバイト店員中心で店内の切り盛りをすることがあります。電子マネーを導入することで、ある程度までのレジ業務を簡略化することができます。電子マネー決済を導入しても、レジ機器などの操作手順はいくつか覚える必要がありますが、指導や研修の手間を大幅に省略できる可能性が生まれます。
また金銭の受け渡しや、レジ打ちのミスなどヒューマンエラーによる、現金過不足のリスクも大きく減らすことができます。従業員側の現金管理に対する負担を軽減することができます。銀行に出向いての釣銭用の小銭の準備や、現金の入金業務をする必要も軽減されるため、働きやすさも向上できます。
これらの軽減メリットは、人件費の節約にもつなげられると考えることができます。

支払い手段が増え売上増加

支払い
現金決済以外の支払い方法があれば、客もそのお店を利用しやすくなります。特に電子マネーの場合は、クレジットカードなどからチャージできるシステムを利用できる場合も見られるため、万一カードの残高不足があったとしても安心して支払えるメリットがあります。
また、電子マネーであれば、クレジットカードを持たない人でも選択できる現金決済以外の支払い方法なので、若年層なども気軽にお店を利用できるメリットが生まれます。
中でも電子マネーの場合、クレジットカードのように「掛け買い」ではなく、即時決済ですので未回収のリスクも防げます。

飲食店が電子マネー決済を導入するデメリット

飲食店が電子マネーを導入することは簡単で便利ということを先の項目で解説いたしました。利用客・店側ともにメリットが得られるので導入も前向きに考えやすいことでしょう。
メリット先行型ともいえる電子マネーですが、飲食店が電子マネーを導入する際にはデメリットも理解する必要があります。
飲食店において、電子マネー決済を導入するデメリットとして、考えられることは3つ挙げられます。

・電子マネー決済の利用率が低い
・初期費用や手数料などコストがかさむ
・入金までのタイムラグが生じる

それでは、順番に説明してまいります。

電子マネー決済の利用率が低い

電子マネー決算
電子マネーは、nanacoやwaon、Suicaなどに代表されるICチップが内蔵されているカードや、felicaが内蔵されたものや、対応アプリをダウンロードしたスマートフォン(携帯電話)などで利用することができます。2019年5月に公表された総務省統計局による家庭消費状況調査 によると、1人以上電子マネーを持っている家族がいるという家庭は全体で58.1%でした。そのうち、関東地方では73.0%という結果が出ました。この結果からも、都市部をのぞいてまだまだ日本における電子マネー決済の利用率は高くないことがわかります。
ただ、電子マネー自体の知名度や、最新OSを導入したスマートフォンの普及率も年々高まっていることから利用率が伸びていると考えることができます。

初期費用や手数料などコストがかさむ


小規模の飲食店にとって、電子マネーの導入は「顧客拡大の起爆剤」にもなることがわかっていますが、コスト面でのデメリットも考えられます。
店側が支払い環境の充実を図るべくその利用環境を整えるには、決済端末や通信回線の設備が必要になります。一度導入すればそれまでですが、初期投資としては高額になるリスクが伴います。決済端末や通信機器等のレンタルやリースで初期投資を抑える選択をしても、月額のリース料などのランニングコストが発生します。
また、決済サービスを提供する業者との契約における決済手数料は飲食店側の負担となります。決済サービス自体の利用料も発生しますので、最終的に不採算という結果を迎えるお店も少なくありません。

入金までのタイムラグが生じる

入金

小規模の飲食店の場合、その日に使う食材を仕入れて無駄のないよう顧客に提供することを基本としていることでしょう。飲食店の場合、売上金を仕入れ費用に回すこともあるようです。
電子マネーで決済された代金は一時的に決済サービス業者が預かったのちに、1週間~2週間に1度程度のペースでまとめて入金(現金化) されます。電子マネー決済を選択した客に食事を提供してから、店主が使える現金が手元に入るまでの期間が長いため、仕入れができなくなる・維持に必要な経費が支払えなくなるといったデメリットが考えられます。場合によっては、黒字倒産といった結果を迎えることもあるようです。

電子マネー決済導入のコスト

先ほども触れましたが、電子マネー決済を導入する際にはコストがかかります。もちろん、システムを導入し運用を始めてからも費用が掛かります。
決済代行サービスによって、初期投資の費用やランニングコストは変化しますが、一般的に、初期投資費用とその後に発生する費用として下記の3つの費用が発生します。

・端末購入費用
カードリーダーなどの端末を購入する費用。1台につき2万円前後 の費用が発生します。
また、購入をせず、リースをする方法もありますが、長期的なコストを考えることも大切です。

・決済手数料
決済代行サービスの利用金額に応じて、店が決済代行サービスに支払う費用です。手数料は決済金額の3%~4%程度 が一般的です。

・振込手数料
決済代行サービスが店側に電子マネー決済で発生した売上金を送金する際の手数料です。
指定金融機関の利用で無料とするところもありますが、1回の入金につき200円程度 の振込手数料が発生します。

電子マネー決済端末の比較

飲食店で多く選ばれている主な電子マネー決済端末は以下の通りです。

<電子マネー決済端末>
・Coiney
2012年設立。決済代行サービスのパイオニア的企業で、クレジット・電子マネー決済はもとより、オンライン決済ページを作成できる「Coinyペイジ」の提供によって手元に現金がない時でも気軽に決済できるサービスを展開しています。

・楽天ペイ
楽天株式会社が提供する決済代行サービスです。独自の電子マネー「楽天Edy」を中心とした決済が選べます。 

Coiny 楽天ペイ AirPay
対応電子マネーブランド 交通系電子マネー 楽天ペイ
nanako
交通系電子マネー
交通系電子マネー
訪日観光客向け決算 WeChat Pay AliPay
WeChat Pay
決算手数料 3.12%~
3.74%
電子マネー決算は3.24%
3.24%~3.74%
電子マネー決算は3.24%
3.24~3.74%
電子マネー決済は3.24%
入金タイミング 月6回まで手動入金と月1回の自動入金から選択 翌日入金
楽天銀行以外は手動手続きが必要
みずほ銀,三菱東京UFJ銀,三井住友銀は月6回
上記以外の銀行は月3回
振込手数料 10万円未満:200円
10万円以上:無料
楽天銀行:無料
それ以外:200円
無料
対応端末 iosのみ ios,Android iOSのみ

代表的な3つの決済代行サービスを比較すると、交通系電子マネーをメインとした決済サービスを導入していることがわかります。駅ナカや駅チカの飲食店では導入価値が高まりそうです。また、特定の銀行を振込先に指定することで振込手数料や振込回数の上限といったところでメリットが生まれます。ただし、電子マネーブランドが交通系に限定される場合や、利用客が使用するスマートフォン端末のOSによって電子マネー決済が利用できない場合があるため、支払いの幅を制限してしまうデメリットが生まれます。

電子マネー決済手数料の比較

3社とも電子マネー決済の手数料は「3.24%」と足並みをそろえています。小規模の飲食店にとっては3.24%の決済手数料は大きいと感じるかもしれません。また2019年10月の消費税10%増税に関する売上への懸念も感じていることでしょう。
総務省では「キャッシュレス・消費者還元事業」おいて、生産性向上や消費者の利便性向上をもくろみ、キャッシュレス決済を推進しています。この事業では飲食店を含む中小の事業者がキャッシュレス決済端末などを導入し利用することで、決済手数料を「実質2.16%」まで下げることができる恩恵が受けられます。
消費者還元事業者登録が必要であるうえ、増税が施行された2019年10月~2020年6月末までと期間限定のものですが、電子マネー決済の利用拡大が見込めるため増税の痛手はある程度緩和されると考えられます。

まとめ

飲食店が電子マネー決済を導入することに関して、メリット中心に導入のデメリット面も含めて解説してまいりました。中小事業者が気になる初期費用やランニングコストなどにも言及し、3社比較も行いました。その飲食店のカラーや回転率に応じて、端末を選択することもよいでしょう。飲食店にとってメリットがある決済代行サービス選びもそうですが、利用客にとってもメリットにつながるサービス選びを視野に入れることも大切です。総務省が展開する「キャッシュレス・消費者還元事業」の登録も併用し電子マネー決済の導入を検討していきませんか?

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