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飲食店経営における駐車場の必要性|設置するメリットや飲酒運転の防止策とは

飲食店経営における駐車場の必要性|設置するメリットや飲酒運転の防止策とは

飲食店経営を検討する場合は、経営戦略上「お客様がどんな交通手段を利用して来店するのか」という点は把握すべきです。なかでも地域や立地によっては駐車場の設置は必須だと考えている経営者も多いのではないでしょうか。

しかし、駐車場を設けることのメリットが見いだせない、そもそも店の経営コンセプトと駐車場が結びつかないという場合もあるはずです。

ここでは、どのような店舗に駐車場が必要なのかを解説し、近隣に設けられた駐車場の利用を促すことのメリットについても解説いたします。

飲食店経営に駐車場は必要?

飲食店を経営する場合、家からの来店手段なども考慮する必要があります。お店のコンセプトとともにバス・鉄道・徒歩・車など、立地や地域性などを考え、駐車場の設置を検討しなければいけません。

では、飲食店において、駐車場を設けたほうがいい店舗駐車場が必要ではない店舗はどのような線引きになるのでしょうか。

駐車場が近隣にあったほうがいい店舗

確実に集客が見込める時間帯に、最寄り駅やバス停からの徒歩移動が難しい立地にある場合や、地方や郊外など日常的に車での移動が当たり前となっている地域で飲食店を経営する場合は駐車場が必要です。

そのほか、国道などの主要道沿いに店舗を構え、集客が見込める時間帯をその道路のラッシュ時(朝夕の時間帯など)に設定する場合も駐車場が必要だといえます。このほか、店舗周辺が一方通行帯や時間帯で交通規制が敷かれている場合は、エリア外に専用駐車場を設けたほうが便利でしょう。

駐車場が必須ではない店舗

とりわけ駐車場を持たなくてもよい店舗も存在します。駅前商店街など、駅から直結した導線が確保できる立地にある飲食店は、ターゲットを「駅を利用する客」に設定できるため、駐車場は必須ではありません。

また、店からごく近い範囲に公共駐車場や時間貸駐車場があれば、そちらを利用してもらうことも一案です。駅周辺の繁華街の場合、時間帯によっては車の混雑も予想されます。「車利用の客」よりも「電車や徒歩での来客」を意識することも大切です。

飲食店といっても、お酒をメインに提供する業態の場合はあえて駐車場を持たないという選択もあります。というのも、飲酒運転による自動車事故は厳しく罰せられるようになり、酒を提供した店舗も罰則の対象となったからです。駐車場を持たないことで車での来店を遠回しに拒むこともできます。

駐車場が近くにあるメリット

駅利用客・商店街利用客と徒歩や公共交通機関を利用している人をターゲットにしたとしても、店舗専用の駐車場があるとさまざまなメリットが生まれます。
駐車場を確保することで、「自家用車利用者」の来店も視野に入ります。その分だけ売り上げアップにつながることを考慮に入れて、ここから先のメリットをお読みください。

立地の悪さを補える

店舗のアクセスが悪い場合、車での来店を考える人が多くなります。駐車場があればそのニーズに応えることができ、来店機会が得られるようになるでしょう。「車」での来店の選択肢を増やすことで、飲食店の損失を減らすことができます。また、車でも出かけられるとアピールすることで、集客力の向上が期待できます。

路上駐車を防げる

立地に限らず、移動手段は基本的に車という人もいます。そのような人が来店したときに駐車場がなかったら、路上駐車されてしまうかもしれません。駐車場を設けることは、迷惑駐車を事前に防ぐことにつながります。店舗の営業は近隣との関係も大切ですから、トラブルを避けることは重要です。

路上駐車は近隣の住民や店舗にとってだけでなく、他の来店客にとっても迷惑なものです。評判が下がってしまうことがありますので、店側の最低限のモラルとして気をつけましょう。

雨の日でも来店数に大きく影響しない

飲食店の悩みとして挙げられるのが「天候によって左右される来店率」ではないでしょうか。雨の降る日や冬の寒い日などは驚くほど来店率が減ってしまい、店の売り上げにも影響します。

車による移動の長所は、天候に左右されないところです。さらに駐車場が近くにあれば、車から店舗まで雨に濡れずに来店することができます。
車での来店客が多い店舗であれば、雨などの天候に影響されにくくなり、売上も安定するというメリットがあるのです。

大人数での来店の機会が増える

飲食店は、客単価を設定して1日の売り上げ目標を設定することが一般的です。1人でテーブルを使用する場合と、複数名でテーブルをシェアする場合を比べると、滞在時間はほぼ同じです。回転率の面でいえば複数名で入店してもらうほうが売り上げアップにつながることでしょう。

駐車場を完備して車で来店してもらえるように環境を整えれば、家族やグループでといった大人数での来店チャンスが見込めます。大人数であれば、飲み物やサイドメニューの注文機会が増えるため、客単価も若干アップするメリットが生まれます。

飲食店が駐車スペースを提供する方法

飲食店が来店客に対して駐車スペースを提供するには、まず「お店側が駐車スペースを確保」することから始まります。駐車スペースを確保する方法として、いくつかの方法が挙げられます。ここではその方法を紹介します。

もちろん、敷地内に駐車場を持たない店舗が駐車スペースを新たに設けようとする場合は、経費が掛かります。こういったことも含めて検討していきましょう。

専用駐車場の土地を借りる

近くに駐車場用地に適した土地があれば、賃貸借契約を経て土地を借りるという方法もあります。お店の大きさや回転率(グループの滞在時間や、入店する顧客の頻度)にもよりますが、3~4台駐車できるスペースが確保できればよいでしょう。

契約を結ぶ土地や立地によって、賃借料が大きく変わります。広い土地や、将来マンションや商業施設の建設が見込まれる地域は、賃借料が高額に上るかもしれません。売り上げから生まれる利益以上に駐車場の費用が掛かれば、意味はありません。こういった経費も踏まえて検討しましょう。

また、駐車場から店舗への導線も確保しなければいけません。「駐車場が遠くても行きたいお店」というのはほんの一握りです。そのほかの店舗は「駐車場が遠い不便なお店」と受け取られてしまいます。立地も踏まえて検討しましょう。

月極駐車場を利用する

近くに月極駐車場があれば、店舗駐車場として契約する方法もあります。必要な台数分だけ契約できるメリットがあります。店の滞在時間が短い場合や、車での来客をターゲットとしていないお店などに最適です。地方では、平面の月極駐車場もありますが、都心部になると車の収容台数や駐車場自体の付加価値を上げるために以下の形態が中心です。お店にとっても安全に駐車できる安心感があるでしょう。

立体駐車場
タワー型や階層駐車場などが挙げられます。タワー型駐車場には、昇降装置がついており、入庫するだけで自動的に車を運んでくれる機械式が中心です。このほか、駐車スペースまで利用者が自分で車を運転して移動する自走式に分けられます。機械式の場合、高さ制限があると入庫できません。また、入出庫で待ち時間が発生することも考えられます。

レージ
車の入庫スペースが壁で仕切られ独立しているため、車同士の事故を防ぐことができます。ハイルーフ車の駐車はそのガレージごとに対応が異なります。月極駐車場の場合、月額利用料が比較的高くなる傾向にあります。

コインパーキングの近くに出店する

駐車場を借りるまでの運転資金や、現状では駐車場を借りてまでお店を維持できるほどの採算がとれるかわからないということもあります。また、車で来店する客が少ないという場合、駐車場の費用は無駄になってしまいます。このほかに、近くに駐車場として利用できそうな土地や、月極駐車場がないという場合もあります。

こんな時は、出店場所をコインパーキングの近くに設定し、あえて利用客にコインパーキングを利用してもらうことも一案です。

駐車場料金は利用客の負担になってしまいますが、購入金額に応じて30分以内ならお店が負担するなどのサービスを提示すれば利用客も損を感じないはずです。パーキングチケットを購入するというように、コインパーキングと提携をすれば問題ありません。この方法であれば、賃借料より経費を抑えられる可能性も見いだせます。

飲酒運転防止における店側の対策

このところでは、お酒を楽しむことをメインとした飲食店も注目されています。日中からワインやカクテルなどを提供するお店も増えています。流行を意識したお店のコンセプト作りは大切ですが、飲酒運転を防止するための対策も講じなければいけません。

飲酒運転の取り締まりや罰則は厳しくなってはいるものの、無責任なドライバーによる事故は後を絶ちません。もし利用客が飲食店で提供された酒を飲んだことが原因で事故を起こした場合、その飲食店も責任を問われることになります。酒酔い運転や酒気帯びで運転手が検挙された場合、酒類を提供した店舗は懲役刑や罰金が科されます。

お店の信頼が失われますので、面倒でも来店客すべてに、車で来たかを確認することが大切です。グループ客の場合は、ハンドルキーパーを確認し酒を提供しない客として店側が情報共有をすることも大切です。車で来た客が飲酒をした場合には、代行運転の利用を促しましょう。
また、ハンドルキーパーにはソフトドリンクを無料提供するなど何らかの特典をプラスすることも一案です。

まとめ

飲食店を経営する際は「駐車場があれば、客単価や来店チャンスが増える」ことを認識しましょう。敷地内や周辺に駐車場が確保できれば活用しましょう。ただし、飲食店の場合費用対効果を意識しなければいけません。都度費用を負担するコインパーキングの活用なども検討し、飲食店にとってベストな集客を検討することをおすすめします。


Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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