オフィス街の飲食店ランチ需要を調査!小川町・淡路町エリア(前編)
東京都千代田区の小川町・淡路町エリアは、都内では有数のビジネスマンが多い地域です。
隣り合う神田・秋葉原・御茶ノ水といった大きなオフィス街から徒歩のアクセスが可能なだけでなく、小川町や淡路町自体も靖国通りに面していることからオフィスビルが軒を連ねており、特に平日は多数のビジネスマンが行き交います。
このようなビジネスマンで溢れかえるエリアでは、ランチ難民の発生が問題視されがちです。
小川町・淡路町エリアのランチ需要はどれほどのレベルなのか、現地で実態を調査してみました。
JRが通らないエリア。しかしビジネスマンがとにかく多い!
近隣の神田や秋葉原と比べると駅の規模こそ小さくなりますが、小川町・淡路町エリアは靖国通りが外堀通り・本郷通りと交差する地域を中心にそれぞれ高層ビルが多く立ち並んでいます。特に小川町では2020年2月末に地上21階、地下1階建て、同年12月には11階建てのオフィスビルが完成予定となっており、エリア内で働くビジネスマンの数は隣り合う地域と比べても引けを取りません。
それでいて隣り合う複数のオフィス街から徒歩でのアクセスが可能であることから、平日日中帯はとにかくビジネスマンが多く行き交います。
ビジネスマンだらけの街。気になるランチ需要は?
これだけ多くのビジネスマンであふれかえる地域で気になるのは、何と言ってもランチタイム。
とある平日の11時~15時に小川町・淡路町エリアに潜入。このエリアで人通りが多い特段靖国通り沿いで実態を調査してみました。
静けさを感じる11時台前半
お昼時の手前、11時台はそれほど混みあっていません。
もちろん靖国通りなだけあって常に誰かしらは視界に入りますが、集中せずとも目視で通行人数を数えることができる程度です。
靖国通りと本郷通りが交わる交差点前には、ちょうど取材時点で弊社が取り扱い中のラーメン店居抜き物件が。
小川町駅至近の弊社取り扱い物件
物件は小川町駅B5番出口を出たすぐ先。目の前には靖国通りと本郷通りの交差点があり、多くの人通りを見込むことができます。
ここでの開業をシミュレーションしながら、1分間あたり何人が通るかを数えてみます。
物件目の前の計測にはスマートフォンのカウンターアプリを使用。よくある交通量調査と同じ形式で挑みます。
天候・気温や季節的条件などによって違いは出るかとは思いますが、取材日の午前11時15分時点では1分間あたり76人が通行。
誰もがスムーズに通行できており、体感的にも人が多いとは感じません。
11時台後半からランチを求める人が増え始める
11時半ごろから、徐々に通行人が増え始めます。
11時40分の計測では、1分間あたり116人が通行。
まだスムーズに通行できる状況ですが、次第に通行人が増えてきました。
通行人の動向を見てみると、オフィスワーカーだと分かる身なりの人々は飲食店やコンビニへ入っていきます。
このエリアの飲食店は多くの場合が11:30に営業開始となるため、早くランチを済ませたい人はその時間に合わせて休憩に入るのでしょう。
12時から一気にピークが襲来!
こちらは12時10分時点での写真。やはり12時からピークになりました。
12時を過ぎたあたりから、付近のオフィスビルからゾロゾロと人が出てきます。
交差点の信号待ちは常に人でごった返し、通行するだけでも大変な状況。
12時10分時点で1分あたりの通行人数を計測してみると、手元のカウンターでは258人。
ただし、あくまでも手元のカウンターでの数字です。
あまりにも人が多く、交差点ではまるで通勤ラッシュの駅構内かのように混みあっている箇所もあったため、目視では数えきれていない人数も相当数はあったと思われます。実数はさらに多いと思った方がよいでしょう。
淡路町側の靖国通りと外堀通りが交差するエリアへ足を運んでみると、こちらも小川町側と同様に混みあっている状況。
12時台はエリア全体で人通りが多くなり、通行人の大半が飲食店・コンビニ・カフェに入っていきます。
飲食店はどこも満席
ランチタイムのピークになってからは、どこの飲食店を覗いてもほぼ満席。
空席が見えたとしても、すぐに埋まってしまうことも珍しくはありませんでした。
ラーメン屋をはじめ、低価格帯の牛丼・ファストフードチェーンではどこも列ができています。
外に列がなくとも、店内で並んでいるケースも。
飲食店を覗いたあとに諦めて別の場所に向かう人や、扉を開けて店内を確認してから引き返して付近のコンビニへ入っていく人の姿も多く、やはりランチ難民は多い状況です。
コンビニやスーパーのイートインスペースも満席。
ランチ難民は飲食店だけでなくコンビニでも。
イートインスペースを設けるコンビニが多くあるエリアですが、どこのコンビニもランチタイムは満席。
2019年10月1日の消費税増税により、イートインスペース利用時はテイクアウトよりも消費税が2%多くかかることになりましたが、その影響は出ていないようにも見受けられます。
近隣のコンビニマップ
エリア内には多数のコンビニがありますが、ランチタイムはどこへ行っても混雑。会計時の列も長く、購入するだけでも時間を要してしまいます。
「どこも混んでいるから、コンビニのイートインスペースでいいや!」という訳にはいかない状況。
12時台の通行人計測や通行人の観察がひと段落し、筆者もどこかで昼食を取ろうと考えましたが、12時半を過ぎた時点ではすぐに食事を済ませられそうな場所は見つかりませんでした。
根気よく探せば席に余裕のあるお店はあるのかもしれません。しかし、限られた時間の中で待たずに入店できる飲食店を実際に探すとなると、なかなか見つかりません。
穴場なんてない!?
次の調査まであと30分弱。
限られた時間の中で昼食を取ることができる穴場はないかとインターネットで検索してみたところ、淡路町2丁目の外堀通り沿いにスーパーマーケットがある模様。
ここにイートインスペースが設けられているとの情報を得ます。
「これは穴場かもしれない!」と期待して入ってみたものの、ここですら満席!
ひと目でビジネスマンと分かる人々で埋め尽くされていました。
「少なくとも12時台は穴場なんてない!」
これこそが、実際に筆者がこのエリアで感じた率直な感想でした。
テイクアウト需要も高い
待たずに入ることができる飲食店がなかなか見つからない状況なだけあり、コンビニやパン屋などで買った食品を持ってオフィスに帰っていく人々の姿も多く見受けられました。
外堀通り沿いには高層ビルの下に大きな広場があり、ここにはキッチンカーが数台出店していました。
広場のベンチや段差に座ってコンビニやキッチンカーで購入した食品を食べている人々も多く、テイクアウト需要の高さも感じました。
このエリアでは、ランチタイムにテイクアウトを実施する飲食店は売り上げや集客率を高められる可能性が高まります。
御茶ノ水・神田方面から人が流れてくる
これほど人が多いことに関しては、有数のオフィス街なだけあり想定内ではありました。
しかし、筆者にとって想定外であった点は人の流れ方。
小川町・淡路町エリアの靖国通り沿いに、御茶ノ水方面に続く外堀通り・本郷通りや、神田駅・神田須田町方面からも人が流れてくるのです。
本郷通りから流れてくる人々
黄:本郷通り、青:外堀通り、赤:神田方面
どこからも5~10分以内には靖国通りに辿り着けるとはいえ、御茶ノ水や神田にも多くの飲食店があり、商圏は成り立っているはずです。
そのような人々の動きを見てみると、人気のラーメン屋や老舗の蕎麦屋へ行きつくケースが多くありました。好みの味や店舗を求めて靖国通りまで歩いてくる人もいるのでしょう。
しかしながら、チェーン店や定番の定食を取り扱う飲食店に行きつく人々も少なくはなかったことから、御茶ノ水や神田でランチ難民となった人々が流れてきている可能性も考えられます。
逆に小川町・淡路町エリアから御茶ノ水や神田方面へ歩いていく人々もいたことから、この付近はエリアをまたいで食事に出かけることも珍しくないようです。
13時以降のランチ需要は!?
12時50分を過ぎると、次第にオフィスへ戻っていく人々が増えてきます。
大半の飲食店は14時台ごろまでランチ営業を行っていますが、はたして13時以降の客足はどうなるのでしょうか。
夕方ごろまで張り込みを続けていると、ビジネスに特化した街だからこその“意外なこと”に気付きました。
詳しくは後編をご覧ください。
◇オフィス街の飲食店ランチ需要を調査!小川町・淡路町エリア(後編)
Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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