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コロナ禍の気になる飲食店出店状況レポート【12月度】

コロナ禍の気になる飲食店出店状況レポート【12月度】

「飲食店を開業したい!」「もっとお店を広げたい!」
「でも、こんな時期に大丈夫なのか…?」

新型コロナウイルス感染拡大により社会環境が目まぐるしく変化する昨今。
飲食業界においても営業の自粛や時短要請が発令され大きな影響が及ぶ中で、開業・出店に対しての不安を募らせている方が多いのではないかと思います。また、出店を諦めようかと悩んでいる方もいることでしょう。

私たちABC店舗は、コロナ禍でも飲食店開業を目指す皆様と飲食業界を応援。こうした状況下でもご自身と同じように開業・出店を志し、ご契約に踏み切った方たちの実態を調査し、発信していきます。

コロナ禍の気になる飲食店出店状況レポート【12月度】

■調査概要
調査対象:2020年12月契約者
調査期間:2020年12月
調査方法:ヒアリング調査

■契約者属性
12月に物件を契約した会員のうち、23%が新規開業で出店。また、移転での出店者が8%、増店での出店者が54%、別事業から新規参入での出店者が15%となっております。

新規開業者

コスト対策は厳重に

新規開業でのご契約者様に開業のきっかけとコロナ禍の状況をどう考えていたか伺うと、「約30年飲食業に従事し、ずっと独立を考えていた。コロナ禍となってようやく自分の時間ができ、物件を探すことができた。」「働いていた飲食店で自身のスキルが納得いくレベルに達した為、独立しようと決意。コロナ禍においても対策を十分に行えば支障はないと思った。」といった回答がありました。

つづけて、物件選びにおいて重要視していたポイントについて伺うと、『費用』と『立地』に関する意見が多くあり、中でも『立地』に関しては、希望通りの場所で決めることができたと全員が回答。
『費用』に関しては、「賃料と取得総額の両面で検討し、予算よりも出来るだけ抑えることを考えていた」「今後、資金調達としてクラウドファンディングでの支援を呼びかける予定」といった方もあり、コストに対するリスク回避と対策に強く意識が向けられていることがわかりました。

移転での出店者

視野を広げれば見つかる好物件

移転でのご契約者様に今回店舗を移転する理由について伺ったところ、「コロナ禍でのリスクを少しでも減らす為、人件費と賃料が抑えられる住宅街に移転しようと考えた。」とのこと。
つづけて、物件を選ぶにあたり妥協点と決め手について伺うと、「妥協点は賃料が予算よりも少し上回ったこと。しかし、半年間物件探しを行い希望条件では見つからず、視野を広げた結果出会ったのがこの物件。立地が良く思い描いていた通りの場所で、厨房機器も揃っていた為ここにしようと決めた。」との回答がありました。

以上のように、空き物件が増えているコロナ禍においても、ご自身の希望条件にすべて合致する物件が必ず見つかるという訳ではありません。
物件を探すにあたっては、何を譲れない要素として何を妥協できる要素とするか考える必要があります。「なかなか希望の物件が見つからない…」という方は、物件がありふれている今だからこそ、条件を狭めず視野を広げて探してみることをおすすめします。

増店での出店者

テイクアウト店を含めた複数業態を展開

増店でのご契約者様に、今回増店に至った経緯について伺うと、「以前より増店はしたいと思っていた。先が見えないコロナ禍が続くならいつ始めても変わらない。それであれば早く動き出そうと決意した。」「居酒屋のみでずっと営業していたがコロナ禍では状況が厳しかった。そこで、10月にテイクアウト店をオープンしたところ、売上は好調となり増店を決めた。」といった回答を得ることが出来ました。

こうしたテイクアウト専門店を含めた複数業態を展開する出店者は徐々に増えてきており、12月のご契約者様の中にも2組ありました。この2組は大手チェーンではなく、5店舗未満の店舗を持つ中小規模経営者に当たります。

1)居酒屋 + チキンのテイクアウト店

2)肉バル店 + スムージー屋

コロナ禍で夜間の営業時短要請や消費者の外出自粛によって、外食の機会とともに落ち込む売上げ。複数業態の店舗展開は、新たな需要創出やリスク分散を可能とし、厳しい経営状況を好転させる起点になると考えられます。

別事業からの新規参入

物件の決め手は“すぐに始められること”

新規参入でのご契約者様に何がきっかけで別事業から参入したのかを伺ったところ、以下の回答が得られました。

・本業:テレビ・イベントの大道具製作会社 → カフェ開業
「コロナで本業の仕事が減少し、何か手を打たなければということで以前から興味のあった飲食開業に至った。」

・本業:ウェブ開発、ボードゲームの企画・製作会社 → ダイニングバー開業
「2~3年の間、いつかは飲食業をやりたいと考えていた。そうした中で、お店を任せられる人材と出会い開業に踏み切った。」

また、上記2件のご契約者様に物件の決め手に関して伺ったところ、「さくっと始められる金額でありながら、希望していた業態の内装でそのまま使えると思った為。」「イメージ通りのカウンターのほか、設備も揃っており即決。金額も予算以内だった。」との回答。
両者ともに費用は予算以内に抑えつつ、居抜きのままに開業できる物件を選んでいたことがわかりました。

出店状況レポート【11月度】でお伝えした多角化における「時間」と「コスト」のリスクについて、初期投資を抑えることでリスクヘッジが出来ている例だと伺えます。

今月のPICK UP

コロナ禍の物件選び、最も重要な要素とは?

今回、【移転での出店者】項目において、物件を探すにあたっては何を譲れない要素として何を妥協できる要素とするか考える必要があるとお伝えしました。
しかし、先行き不透明だからこそ希望通りで物件を探したい、条件を広げるのは難しいという方も多くあると思われます。
そこで、物件探しにおける視野を広げるべく手段として、まずは希望条件に優先順位をつけてみましょう。こちらでは、周囲の出店者たちがどういった要素に重点を置いて物件を決めたのか、3月~12月のご契約者様にアンケートを行い【物件選定における重要度】をまとめてみました。

上記、【物件選定における重要度】の内訳をみていくと、「賃料」「物件取得費」の2要素に対して89%の方が“重要”“最重要”と回答しており、やはり費用に対する警戒は厳重であったことがわかります。そして、それを上回って重要視されていたのが「エリア(立地)」。回答者の92%が“重要”“最重要”と回答し、“最重要”の項目だけをみても56%と全要素のトップとなっております。
一方で、“全く”“あまり”といった回答が最も多く、重要度が低いとされた要素が「階数」です。つづけて、「設備30%」「路線28%」と回答が続いております。
ここで、もう一つ注目しておきたい要素が「駅からの距離」。 “全く”“あまり”と回答した方が25%を占め、“最重要”と回答した方も25%に落ち着いています。意外にも、出店者にとっての重要度が低く妥協できる要素だと考えられていたということです。

以前までは「駅近」「1階」「路面」物件が人気物件・希少物件として評されていましたが、コロナ禍となってその価値は大きく低下。出店者にとって、より重要な要素は他にあると判断されるようになりました。
この結果は、リモートワークの増加と外出自粛で電車の利用が減ったことや、ビジネス街・繁華街に代わり住宅街での出店需要が増えたこと、UberEats等店舗に足を運ばなくても注文が可能になったことが起因していると考えられます。

以上のように、コロナ禍で飲食店に対して求められるものが変化している今、物件選定においても重要だと判断すべき要素は変わってきています。何が必要で何を優先すべきなのか、出店・開業後の営業を見据えて現況に即した物件選びを心掛けましょう。
重要度の高い要素はそのままに、これまで視野に入れてこなかった物件も含めて探してみることで見つかる好物件があるかもしれません。条件の見直しを図る際にはこちらの情報をひとつ参考にしてみて下さい。

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Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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