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コロナ禍で再注目!飲食店が活路を見出す最新ドライブスルー事情

コロナ禍で再注目!飲食店が活路を見出す最新ドライブスルー事情

ファストフード店では馴染みのある「ドライブスルー」

消費者は車から降りることなく商品の注文から決済、受取りまで完結できるテイクアウトサービスの一つです。そうしたドライブスルーが、コロナ禍において再注目!
店内での3密を回避し、人との接触を大幅に削減できることから消費者の需要は高まっており、多種多様な飲食店が新たな販売方法として導入を進めております。

また、飲食店のデジタル化が加速していることから、モバイルオーダーやキャッシュレス決済等と組み合わせて、従来よりも一層 “非接触”“利便性”が増した形へと進化しています。

コロナ禍で高まるドライブスルー需要

(出典:ナイル株式会社)

カーリースを運営するナイル株式会社は、2021年2月に「ドライブスルーの利用」に関する調査を実施しました。その結果として、コロナ流行前と比較したドライブスルーの利用頻度について「増えた」と回答した方が6割強。利用が増えた理由としては、「新型コロナウイルスが気になるから」と7割強の方が回答しています。この結果から、コロナの流行をきっかけにドライブスルーの利用が増えていることがわかります。

進化するドライブスルー

並ばずに時短で購入可能な “パーク&ゴー”

日本マクドナルドは、2020年5月、事前にスマートフォンからモバイルオーダーで注文し、車に乗ったまま店舗の駐車場で決済と受取りができるサービス「パーク&ゴー」を開始しました。現在では約250店舗以上での利用が可能となっています。

従来、ドライブスルーのデメリットとして、店舗に到着しても待機レーンでの渋滞が発生し、受取りまでの待ち時間が長いということがありました。

そこで、マクドナルドでは、店舗に到着後、通常のドライブスルーレーンに入る必要なく、駐車場に車を停車。スマートフォンのオーダー画面に「駐車場番号」を入力してキャッシュレス決済を完了させると、事前に注文した商品をクルーが車まで届けてくれるといったサービスにすることで、デメリット解消に成功しました。
現在では、じっくりメニューを検討したい方や商品購入の時間を短縮したい方、車の乗り降りに手間が必要な方など、多くの方にとって利用しやすいサービスとして好評を得ています。

テイクアウトが難しかった麺類もドライブスルー可能に

幸楽苑では、2020年5月、福島県内4店舗と群馬県内3店舗で注文から受取りまで車内で完結できるドライブスルーを開始しました。

メニューとしては、チャーハンやギョーザを組み合わせたお弁当を中心に、ラーメンのテイクアウトも可能。ラーメンのテイクアウトでは、麺・汁・具材が分かれた専用の容器に入れられており、麺が伸びないように工夫されています。
現在では、福島県・茨城県・栃木県・群馬県・新潟県・長野県内の16店舗に展開し、ドライブスルー対応店を増やしています。

ケンタッキーではETC自動決済の運用テストを実施

日本ケンタッキー・フライド・チキンは、2020年8月から11月までの期間、神奈川県のドライブスルー併設店舗においてETCシステムで自動決済を行なう運用テストを実施しました。
ケンタッキーでは、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済といったキャッシュレス決済がすでに導入されていますが、さらに新たな試みとして、ドライブスルー利用時でのETC決済を可能にしようと検証が進められています。

従来、ETCは有料道路の支払いのみで活用されてきたものであり、ドライブスルーにおける飲食や物販販売の決済に活用されるのは日本で初となります。
現在はまだ試行運用中ですが、本格的に実用化となれば、ドライブスルー利用者にとっての利便性を高めるだけでなく、回転率の向上と接触機会低減にともなう感染リスク削減が見込まれます。

意外と知られていないドライブスルーへの対応

従来、ドライブスルーといえば、ハンバーガーや牛丼を中心としたファストフード店が主流でした。しかし、コロナ禍となった現在では、回転寿司チェーンのくら寿司やはま寿司が100店舗以上、カレーハウスCoco壱番屋が200店舗以上、スターバックスコーヒーが300店舗以上、と幅広い業態がドライブスルーへの対応を進め、全国への店舗展開を果たしています。

さらに、ドライブスルーの拡大は大手飲食チェーンだけではありません
山口県山口市や愛知県蒲郡市では、売上不振に悩む飲食店とホテルがタッグを組み、ドライブスルー形式でテイクアウトできるサービスを始めたり、熊本県熊本市では、駐車場に複数の飲食店舗が集まってドライブスルー形式でお弁当の共同販売を行なったりと、全国各地で地域が一体となって新たな販売形式に乗り出しています。
同様に、感染リスク削減と販路拡充を目的として、車内での受取りに対応している個人店も増えてきています。電話やネットで予約注文。受取り希望時間を事前に伝えておくことで、店舗到着後待たずに車内でのスムーズな会計・受渡しを実現しています。また、ドライブスルーマップといった、ドライブスルー可能店舗をマップで確認できるサイト等も登場し、ドライブスルーの広がりが各所で伺えます。

ドライブスルー導入の効果

週刊文集2021年3月4日号の記事によると、マクドナルドが過去最高売上を達成した理由の一つに「ドライブスルー」をあげられています。
記事の内容(一部抜粋)は以下の通りです。

「新型コロナウイルスの影響で大手外食チェーンが軒並み赤字に転落する中、マックが2月9日に発表した通期決算の営業利益は前年比11.7%増の312億円。全店売上高は約5900億円で、過去最高を記録しました」(経済部記者)

なぜマックだけが、これほどの好業績だったのか。

「大きく貢献したのが、感染拡大前から取り組んでいたドライブスルーの設置です。国内約2900店舗のうち、半数超の約1500店舗で備えている。特に緊急事態宣言中の昨年4~5月は売上高の半分をドライブスルーが占めました。加えて、宅配利用への対応も迅速だった。結果、客1人当たりの単価も前年比約17%増となったのです」(同前)

この傾向は日本だけでなくアメリカでも同様で、新型コロナウイルス流行の最中、ドライブスルーによる売上は週を追うごとに増加。アメリカのマクドナルドでは、売上の約90%がドライブスルーレーンを経由したものです。その他飲食店舗でもドライブスルーが併設されている店舗では、外出自粛で店舗閉鎖を強いられた後の売上回復が比較的早かったといいます。そして、現在、コロナ以前未参入であった大手ハンバーガーチェーンの「Shake Shack(シェイクシャック)」やアメリカで大人気のメキシカンフードチェーン「Chipotole(チポトレ)」もドライブスルーの開発に焦点をあてています。

以上より、ドライブスルーの効果は非常に大きく、需要増加と売上に直結していることがわかります。最大の要因としては、ドライブスルーのメリットである“3密回避” “接触最小限”といった感染防止効果。加えて、アプリやネットでの注文・決済が可能になったことにより長時間待機が解消されたことも起因しているといえます。

実際にドライブスルーを利用してみた

今回は、長崎ちゃんぽんや皿うどんでお馴染みのリンガーハットでドライブスルーを利用してみました。(2020年7月時点、全国87店舗でドライブスルー利用可能)

車を走らせること20分、ドライブスルー対応店舗であるリンガーハット松戸八柱店に到着です。こちらでは、よく目にするドライブスルーレーンはなく、駐車場の端にメニューが設置されたカーポートタイプのドライブスルーでした。車を寄せると、メガホンからスタッフの方の声が聞こえ、「長崎ちゃんぽんと薄皮ぎょうざ5個セット 790円(税込み)」を注文。その後、前方のドライブスルー専用駐車スペースへ停車をお願いされました。

そして、待つことたったの5分。
スタッフの方が車まで商品を持ってきてくださり、お会計と受取り。店内での提供スピードと変わらぬ速さでスムーズに利用できました。

再び車を走らせること20分、試食会場に到着。
袋から商品を取り出すと、ちゃんぽんは頑丈な容器に入っており、餃子は紙の容器に入っていました。袋の底に段ボール版が敷いてあった為、商品の偏りやスープの漏れもなく安心です。ちゃんぽんの方は、容器が2層に分かれており、上部に具材・スープ、下部に麺。蓋を取ると湯気が立ち昇るほどしっかり保温された状態です。

今回は外で食べるシーンも想定し、レンジで温めずに実食!
はじめに、餃子から実食。紙の容器ゆえに少し冷めていましたが、味は健在。こちらは出来ればレンジで温め直す方がより美味しくいただけるかと思います。
しかし、驚いたのはちゃんぽん。受取りから30分経ったとは思えないくらいスープが温かく、麺も全く伸びていません。国産野菜たっぷりの具材は炒められたことで甘みが増しており、店内で食べるに劣らず満足のお味です。

この出来立て品質を保つ秘訣は、「保温性の高い専用容器」の使用と「テイクアウト専用ちゃんぽん麺」の開発・導入にあります。
従来利用されていたテイクアウト容器では、“食べる際にスープが冷めた状態で麺ものびてしまっている“といった感想が多く、改善点が多くありました。しかし、コロナ禍でのテイクアウト需要を見込み、容器を一新。保温性と耐久性に優れ、麺とスープを分けた2層構造にすることでテイクアウトのデメリットを解消しました。コストアップから容器代として別途30円(税込み)要することにはなりましたが、品質保持には欠かせないポイントです。
さらに、注目すべきは2020年10月より導入された「テイクアウト専用ちゃんぽん麺」。時間が経っても伸びずにもちもち食感を長持ちさせる為、店内で提供している通常の麺より太く、硬さも1.5倍になりました。

以上のように、リンガーハットではご家庭でもお店の味がたのしめるような工夫がたくさん施されています。


(出典:株式会社リンガーハット)

今回は利用しませんでしたが2020年8月20日より、リンガーハットはスマートフォン等で利用できるモバイルオーダーサービスを開始しています。事前に注文・決済を行ない、希望時間に出来立ての商品が受取り可能となりました。

対応店舗は全国189店舗。ドライブスルー実施店舗ではドライブスルーを利用しての受取りも可能なので、お急ぎの方でもスムーズに商品を受取ることができます。車で移動の際には、ぜひ一度利用してみてください。

今後も欠かせない存在として評価

2020年、新型コロナウイルス流行により感染リスクの高い店内飲食は避けられ、代わりに飲食店の料理を自宅で楽しむテイクアウト・デリバリーが一般化しました。
2021年以降は、時短で場所を選ばず飲食を楽しめるドライブスルーが発展する可能性が高いと予想されています。
今後、ドライブスルー文化が広まれば、消費者はシーンに合わせて柔軟に食を楽しみ、飲食業界は更なる需要拡大を見込めることでしょう。

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Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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