第一章
「飲食店を開業したい」と思ったら
居抜き物件で注意すること(居抜き物件のデメリット)

低コストで早く開業できるという「居抜き物件のメリット」は前回ご紹介した通りですが、今回はそのメリットの裏に隠された注意点についてみていきましょう。デメリットとはいえ、事前の確認をしっかり行えば、リスク回避できることばかりです。大切なことは想定されうるリスクを知り、それに備えることです。

 

居抜き物件では前テナントのレイアウトがそのまま残っている状態からの設計になるため、100%イメージ通りの内装にするというのは難しいかもしれません。特に自分が出店しようとしている店とまったくの異業態の居抜き物件を取得した場合は、キッチンでの調理方法やホールでの接客の仕方が大きく異なるため、大幅な改装を余儀なくされることもありえます。内装設備の基礎となる、水回り、電気、ガスなどの配置を変える場合は多くの費用がかかってくるので、心配な方は内見時に店舗専門の施工会社に同行してもらうなど、事前に確認をしておきましょう。

 

冷蔵庫、食洗器、シンクなどの厨房設備をそのまま引き継ぐことができるのは費用面でも大きなメリットですが、引き継いだ機器がリースでないかは注意して確認しなければいけません。もしも厨房機器の一部がリース契約になっていて、前テナントにリース残がある場合、そのリース契約についてどのような手続きをとるかを事前に取り決めておく必要があります。

 

当然、居抜き物件の設備や機器は少なくとも数年間使われてきたものになるため、新品にくらべ故障のリスクは高まります。特に長年営業していた店や、居抜きの居抜きなどで設備を継続して使用している物件などは、事前に使用年数を確認し、できれば現借り主にメンテナンス業者を紹介してもらうとよいでしょう。また、オープン前にクリーニング業者に依頼してすべての設備の清掃・クリーニングを依頼しておくのもおすすめです。

 

居抜き物件のメリット」でもお伝えした通り、前テナントの良いイメージを引き継ぐ場合はいいのですが、悪いイメージを引き継いでしまうケースも考えられます。取得する居抜き物件の閉店理由や近所とのトラブルがないかなどは不動産会社を通してできる限り情報を得ておきましょう。また、前テナントとの差異化をはかるため、特にファサードの大幅なデザイン変更を行うなど、新しい店に変わったことを外からみえる範囲でしっかりと認知させるというのも効果的です。