第一章
「飲食店を開業したい」と思ったら
飲食店開業に必要な費用とは(初期費用編)

飲食店を開業したいと思ったらまず最初に気になるのは費用面です。開業にかかる費用の相場ですが、都内での開業であれば最低でも300万~、一般的には平均1000万前後の初期費用が必要といわれています。

ここでは、実際の開業にどんな費用が必要になるのか、その内訳をシミュレーションを交えてみていきます。

 

開業にかかる初期費用は大きく以下の2つに分けることができます。

物件取得費用・・・・不動産取得に関わる費用
店舗投資費用・・・・内外装工事や備品、厨房機器購入に関する費用

 

保証金(敷金)

・契約時、賃料や原状回復費用など借主の債務を担保するため貸主が預かる金銭。契約終了時に償却分を差し引いて返還される。
・賃料の6~12か月分程度
・物件によって異なる

礼金

・契約時、貸主に御礼の意味で支払われる費用。返還されない。
・賃料の0~2か月分
・物件によって異なる

仲介手数料

・契約時、物件紹介業者に成果報酬として支払う費用。
・賃料の1か月分以内

造作譲渡料

・居抜き物件の場合、前の借主に内装や設備の譲渡代として支払う金額。
・物件によって異なる

前家賃

・賃料の前払い
・契約日から翌月分までが一般的

 

厨房機器費

冷蔵庫や食洗器等各種厨房機材にかかる費用

看板施工費

お店の表看板、立て看板、広告スペースに設置する看板費用

内外装設計費

お店の内外装に関わる設計デザイン・施工費

店舗クリーニング費

エアコン・厨房・フロア等のクリーニング費用

レジ導入費

レジスター導入に関わる費用

スタッフ募集費

アルバイト・社員などの募集に関わる費用

販売促進費

チラシ作成・グルメサイト掲載などプロモーションに関わる費用

備品費

食器・カトラリー・制服など備品購入のための費用

消耗品費

ティッシュ・文房具など消耗品購入のための費用

開店前経費

研修費や開店前に足りないものの購入するための予備的な諸経費

 

必要な初期費用が見えてきたところで、とある飲食店の推定初期費用をシミュレートしてみようと思います。

今回は、以下の設定で考えています。

家賃20万 広さ20坪 繁忙期で2名のスタッフが必要な居酒屋です。

またここでは以下の通り月の売り上げを予想しています。

客単価 3000円 × 席数 35席 × 回転数 2 × 営業日数 25日

上記の計算からこの店舗の一か月あたりの売り上げは 525万円 ということになります。
この数字を念頭に、初期費用をシミュレートしていきましょう。

保証金(敷金)

・月額家賃×6~10か月分
・120万~

礼金

・月額家賃×0~2か月分

家賃前払い

・月額家賃×1か月分
・20万

仲介手数料

・月額家賃×1か月分
・20万

造作譲渡料

・100万~250万程度が相場
・100万~

内装外装費用

・坪単価 30~80万程度
・600万

初期食材仕入れ費用(含む衛生備品)

・売上の10%を想定
※メニューによって変動
・52万

人材募集(2回)

・2万~20万/1回
※募集期間や媒体によって変動
・4万~

広告宣伝(チラシ・WEB製作費)

・20~100万程度
・20万~

通信費・初期水道光熱費

・光熱費:7万円前後を想定
・通信費:1万円前後を想定
・8万~

備品・消耗品費

・調理器具など: 10万~
・文具事務用品・掃除器具・通信機器・レジなど:30万~
・制服がある場合は×人数分の費用
・40万~

合計 984万~

 

このシミュレーションでは、上記設定の居酒屋を開業するのに、最低でも984万の初期費用が必要ということがわかりました。表の赤く囲まれた部分は定められた費用のため変えることはできませんが、例えば居抜きで取得した物件にほとんど手を加えずにオープンする場合は内装工事費にかかる600万のほとんどを運転資金に回せるようになるなど、実際ご自分で開業される際には、予算に応じて赤枠以外の費用を減らしたり、増やしたりして調整しましょう。