個性を感じる和居酒屋!《宴会需要》つかむ3つの工夫とは?
外観
赤と黒の二色づかいのシンプルながら印象的な外観。「和」をテーマとした店舗コンセプトに合わせて、三角看板、屋根、酒甕など余分な装飾類を外して、すっきりとした上品な雰囲気を出した。
店内
店内は壁色をテーマカラーの茜色に全面的に塗り替えた。奥行きのある店内は柱など遮るものがないため、宴会の会場として好評である。立派な一枚板風のテーブルは、実は前店舗から引き継いだテーブルに木材を被せてリメイクしたもの。
厨房手前のカウンター席は、背後のテーブル席と椅子同士がぶつかってしまうため、思い切って食器や備品置き場として活用中。
レビュー
「肉菜処 和心(わしん)」は都営地下鉄大江戸線・東京メトロ東西線「門前仲町」駅・5番出口から徒歩2分。深川不動尊、富岡八幡宮に向かう道の傍らに開く「和」をテーマとした居酒屋である。オープンは2014年2月22日。富士山麓から直送される農薬・化学肥料不使用の旬野菜、京都の猟師から仕入れる鹿・猪のジビエ(野生の鳥獣の肉)、国産肉、国産ワイン、日本酒など、全国各地の一流の食材が楽しめる。
テーマカラーの茜色に塗られた店内はたいへんシックな雰囲気となっている。オーナーの遠藤淳さんがこの店をオープンするにあたって狙ったのは《宴会需要》。木場、両国、東陽町など周辺オフィス街からも飲み客が多数流入する門前仲町という街の特性を考慮し、団体利用がしやすい空間づくりを心がけた。入口から奥までひとつながりの細長い店内はもともと宴会にはぴったり。遠藤さんは以下のような工夫を行い、店の利便性・柔軟性をさらに高めている。
【1.上品かつ融通が利くテーブル席】
上質な食材を適正な価格で提供するため、和心の客単価は約5000円とこのエリアでは少々高めの設定となっている。単価に見合う内装とするため、前店舗から譲り受けたテーブル5卓に木材を被せて上質なイメージを出すとともに、ゆったり使っていただくために卓上面積を広げた。さらに、うち3卓は、元々4名掛けだったものを半分に切断。2名掛けテーブル×6卓に生まれ変わらせた。これによって無駄なテーブルのロスを防ぎ、カップル客含め、より多くの組数の入店が可能となった。
【2.自由自在な席構成を可能とするテーブルエクステンション】
オープン後の様子を見て、業者に依頼してオーダーメイドの嵌め込み式テーブルエクステンションを製作してもらった。テーブル間をこのエクステンションで接続することで、瞬時に2席の増席が可能となり、来客に応じて柔軟な席構成をつくることができる。
【3.隣のテーブルを気にしなくて良い可動式の間仕切り】
個室席はないが、代わりに天井に御簾(みす)のような間仕切りを設置し、営業中は客席と客席の間を分けている。最初は固定式だったが、人数が異なると仕切る位置も違ってくるので、可動式のものに付け替えた。結構な費用がかかったが、顧客にはたいへん喜ばれており、コスト回収は出来ていると感じている。
顧客のニーズを捉えた合理的な対応の数々が見事だが、改装のもうひとつのポイントは、遠藤さんのお父様のご活躍。素人とは思えない腕で、椅子の張り替え、店頭のメニューボードの作成、荷物置きの棚など次々とこなし、最初から営業に集中できる環境を整えてくれたという。こうしたお父様の愛情も、和心のあたたかでほっとする空気の源になっているのかもしれない。
Written by 飲食店の居抜き物件なら!居抜き店舗ABC
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