開業ブログ

【第50話】今年と去年の売上を比較してみよう

山田 耕路さん

新年明けましておめでとうございます。
焼鳥酒場 鶏のから騒ぎ 中の人のこー爺(じぃ)です。

ブログもついに、第50話になりました!

(年末年始は1月4日まで営業していまして、有難い事に連日賑わってブログを更新する暇もありませんでした…、と言い訳してみる。)

今回は前回のブログで予告していた通り、この新しい年度に新規開業を目指している方々の為に数字の参考になればと、鶏のから騒ぎの損益表を特別に大公開します!


さて、本題に沿って記載しますが、お忘れの方もいるかも知れませんが、2020年の10月は時短営業の制限も緩和され、国の施策で始まった「Go To Eatキャンペーン」で飲食業界が多いに賑わいました。

勿論、鶏のから騒ぎもその恩恵に預かり、中板橋地区では食べログを使用していち早く導入したおかげで、“Go To”で検索すると居酒屋は当店だけだったのでスタートからかなりの新規客で連日賑わいました。
11月初旬には国の予算が無くなり、「Go To Eat」が打ち切りになるほどの盛況ぶり。12月末にはその反動なのか、コロナ患者が増えてきて2021年10月まで緊急事態宣言とまん延防止法が繰り返され、まさかの約11ヶ月もの間、自粛期間が続いたのは別の話です。

今回比較してみる月次損益表は、その10月度に着目

お店の開業を検討する時にシミュレーションする「損益計算書」。席数と自分の思い描いた業態の予想客単価をかけて予測売上を出すまでは皆さんやられると思います。しかし、ここで手が止まるのが【水道光熱費】だと思います。
自分が計画している業態や集客数、店の広さで変わってしまう水道光熱費は正直いくら予算を取れば良いのか初心者には分からないでしょう。

焼鳥酒場鶏のから騒ぎでは、昼は11:00から鶏そば(鶏の白湯ラーメン)を提供し、夜は焼鳥や鶏の逸品料理を提供する2毛作居酒屋です。
鶏そばや焼鳥(備長炭ではなく無煙ガス台を使用)でガスは結構使いますし、水も電気もそれなりに使用します。
ですので、水道光熱費については支払金額を抑えるため、様々な取り組みを行っています。(※経費削減方法につきましてはこー爺(じぃ)までお問い合わせください。)

それでは、以下の店舗状況で一度シミュレーションしてみてください。

店内は29席、テラス席8席、ランチ客単価1350円 ディナー客単価3,000円

そして、こちらが実際の2020年10月度と2021年10月度の損益表になります。

驚くべきことにご覧の通り、「Go To Eat」で沸いた2020年より、2021年の方が売上が上がっているのをご確認できるかと思います。

実際に細かく分析すると、2020年の方がディナータイムで150名ほど来客数が多いのですが、2021年は昼飲み需要が高くなりテイクアウト販売も伸びた結果、売上が勝ったのです。
コロナが長引き、昼飲み需要が伸びたのは想定外でした。
(ちなみに、食事ではなく居酒屋飲みの為、ランチ営業終了後の休憩は殆ど取れていません…笑)

さて、損益表を見るときに最初に目が行くのがF/Lだと思います。

1年経つとだいぶ【原価率】が改善されていますね。
鶏のから騒ぎの理想は原価率33%ですので、まだまだ改善の余地がありますが、生ビール275円(税込)やお通しの強化、Aランクメニューを高い原価をかけて宣伝広告費と捉えてご提供している為、やはりこの位にはなるのかも知れません。

【人件費】もこの1年間で激的に改善されていますね。
売上の傾向が分析され、どの位アルバイトを配置すれば良いのか判ってきました。
オーナー人件費も入れて25%以下が目標で、尚且つ利益がある程度残っている状態だと、今後社員を雇用しても良くなりますね。

【売上高】もまずは300万円を目標にしていますので、コロナ禍が収束し固定客がもっとつけば数値もかなり良い業態に育つのではないでしょうか。

さて、問題の【水道光熱費】ですが、コスト削減していて、何も対策を行っていない店舗よりはお安くなっています。また、2021年は2020年より安いのは電気料金が2ヶ月に1回の徴収なので、たまたま請求が無かった月に当たったのだと思います。

最後に少し面白いのは【雑収入】ですね。2021年10月の途中まで感染拡大防止協力金が支給されていましたので、それが計上されています。

個人事業主としての成績は【経常損益】になります。経常損益=個人事業主(オーナー)の収入ということです。

売上がこれ以上あがってもアルバイトへの給与はさほど変わらないでしょうから、自分の給与を上げたければ売上をあげて経費を抑えるしかないわけです。


さあ、如何でしたでしょうか。
なかなか飲食店の生の数字の中身を見る機会など無いでしょうから良い参考になったかと思います。

鶏のから騒ぎはコロナ禍にオープンしたお店ですので、世の中の状況の最底辺からの出発をしています。
”これ以上悪くなる事は無い!あとは数字が上がる一方だ!”とポジティブに捉えて営業してきました。

まだまだ改善の余地はある業態ですので、ここからまずは月商300万円を目標にして着実に力を入れていきたいと思います。
本日、こちらのブログに書けなかった数値情報やコストダウンの秘密、運営方法など、気になる事があれば是非お店にいらっしゃって下さい。
こー爺(じぃ)が直接伝授致します(笑)

また、飲食業コンサルタントも幅広く始めました。

【1】開業支援
【2】店舗撤退支援
【3】FC加盟事業

サポート内容に少しでもご興味ありましたら直接こー爺(じぃ)までご連絡下さいね。
実際に飲食店舗を開業して継続運営しているこー爺(じぃ)の経験値を生の声でお伝えし、支援しています。
物件情報はABC店舗さんでもご相談頂けます。

本日も最後までお読み頂きまして有難うございます。
鶏のから騒ぎのホームページでも別でブログ発信していますので、良ければそちらもご覧ください!

この記事へ応援コメントや質問をする(1)

じゅん 2022.01.21

ブログ読ませていただきました。とてもこーじぃさんの考え方に共感しました。いまの自分にはとても勉強になります。

記事を書いた人
山田 耕路さん

高校卒業1週間後、地元の北海道より役者になる為に上京。 大手劇団に所属するも、自分の目指す芝居と方向性が違う為、1年後に自分で小劇団を立ち上げ、約9年運営。 劇団運営中、知り合った別の劇団の嫁と結婚を機に飲食業の世界に就職。 自分の接客・料理でお客様が喜ばれる事が肌で感じられ、舞台のスポットライトとはまた違うやりがいを感じ、天職と思い20年以上勤務。 外食・中食・給食と様々な経験をして、残りの人生を「社会に飲食業で貢献する」仕事をしたいと独立を決意。 夢は「毎日オープンしているこども食堂」を開く事! 中板橋駅前にて、2020年4月20日に『焼鳥酒場 鶏のから騒ぎ』をオープン! もっと読む

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