インタビュー
居抜き開業を成功させたオーナーに、成功の秘訣や開店までの裏話などを伺います。

名物塩つくねはリピーター続出の人気メニュー!
その時期に合った日本酒も魅力

「とりの炭家(すみか)」はJR五反田駅東口から徒歩3分、都営浅草線のA6出口からだと約1分という駅近のお店だ。ただ道が碁盤の目ではないため、どの路地を入ったらいいかちょっと分かりにくいのが難点だ。通りの入口は、両側に立っている黄色い「壱番街」のサインが目印と覚えておくと間違いない。店に入ると黒と木を活かした落ち着いた空間。カウンター席の足元に荷物を掛けられるフックと各席に荷物入れが備え付けられており、あると嬉しい気配りがなされている。

店主の中村さんが目利きした鮮度の良い鶏肉はお刺身でもいただける。焼き鳥は炭火で丁寧に焼き上げられジューシー。名物の塩つくねはほとんどのお客様が注文し、リピーターも多い人気メニューだ。焼き鳥に合うよう厳選された日本酒は、なくなったらどんどん入れ替えられ、その時期に合ったお酒を味わえるのも魅力の一つだ。〆には卵とろ〜り親子丼や極み鶏らーめんなどもあり、さまざまな形で鶏の旨味を楽しめると好評だ。

ホテルマンから一転、焼き鳥の名店で修業
人通りの少なさに危機感を抱きランチで形勢逆転

中村さんは元々ホテルマンだった。高校時代にアルバイトをした居酒屋での経験が楽しかったと、ホテルを退職後飲食業に進んだ。あるとき、ちょっと高めの焼き鳥屋に食べに行ったら、「すごく美味しい!今まで食べていたものとは全然違う!」と感動し、その店で働かせてもらうことにした。そこは当時10店舗ほどあり、銀座や神楽坂の店舗で修行を積んだ。実はこの店に入るまで調理の経験はなかった中村さんだが、約2年でノウハウを習得し、店長を任されるようになる。周りに独立していく人が多かったこともあり、この頃からいずれは自分の店を持てたらいいなぁと考えるようになっていった。約7年で退店し、まずは業務委託という形で「とりの炭家」を自由が丘に出店。早速評判になったが店舗が3Fだったため、3年弱で路面でやれる大塚に移動し繁盛店にする。しかし業務委託は当然のことながら委託金やしばりがあるため、大塚は1年の契約満期で更新せず、ついに自らがオーナーとなる店を持つことに。

物件は、オフィス街で住宅地でもあるところを希望。箱の形ときれいな状態の居抜きだったことが気に入り、明るい時間帯に内見に来て今の店に決めた。駅から近いが場所はそんなによくないと思ったが、時間をかけてれば大丈夫だろうと思った。しかし暗くなると予想以上にお店の前の道は人通りが少なく、一見さんは期待できないと思い知らされることとなる。

オープンして約2週間は、知り合いがいなかったらお客さんがゼロという状況が続いたのだ。「ここまでとは思わなかった…。これはちょっとヤバイぞ」そう思った中村さんは、当初予定になかったランチを始める。メニューは親子丼・唐揚げ定食・週替わり定食の3種類に絞った。狙い通り昼間はそこそこ人通りがあり、初めてのお客様が足を運んでくれた。オフィス街だけあって12時から13時の間にお客様が一気に集中するそうだ。「まずは1回来てもらわないと始まらない。ランチを始めて流れが変わってきましたね、まずはお店の存在を知っていただけるようになりました」と手応えを感じている。

人通りが少なくてもネットを活用し予約を増やす
五反田で有名な店に!が最初の目標

自分の店を持った感想を伺うと「業務委託のときはいろいろと口を挟まれていましたが、今は自分のやりたいようにできることが一番大きいですね。すべて自分にかかってくるのでプレッシャーにはなりますけど、その分やりがいがあるので楽しいです」。
もっかの課題は集客だ。当初から食べログに公式情報を掲載していたが、5月中旬にはお店のHPが完成し情報やブログを発信できるようになった。食べログの口コミはまだ1件と寂しいが、その1件のお陰でネット予約が増えたのだ。たとえ人通りが少なくても、予約のお客様はお店を探してでも来てくれると感じた。ランチで地元のお客様を増やしつつ、ネット予約も増えるよう力を入れている。

「うちは高級店ではないけど、焼き鳥の味と大きさは他店には負けないものをお出ししている。コスパで勝負したい」という中村さん。その味に惹かれて大塚のお店には熱狂的なファンが多く、ここのオープン当初も山手線の反対側から週に何回も来て中村さんを応援してくれた。だからこそ「まずはこのお店を五反田で有名なお店にしたい」というのが中村さんの最初の目標だ。その味の虜になる人が増えるのにそう時間はかからないだろう。

中村 栄一さん
高校時代に居酒屋でアルバイトを経験。学校卒業後はホテルマンとして働いていたが、飲食業の楽しかった思いが忘れられず、ホテル退職後に焼き鳥屋に入店し、銀座や神楽坂の店で腕を磨く。7年ほどで店を辞め、業務委託の形で自由が丘に「とりの炭家」をオープン。大塚に移転し繁盛店となるが、1年の業務委託満期に伴い独立を決意。2016年3月、ついに自身がオーナーとなり五反田に店を構えた。

とりの炭家
住所:品川区東五反田1-16-3 EAST1ビル1F
TEL:03-5422-7883
営業時間:ランチ/月~金(祝日除く)11:30~14:00
ディナー/土~木、祝日 17:00~23:00(LO.22:30)
金、祝前日 17:00~26:00(LO.25:00)
定休日:日曜日(祝前日は月曜日)
店舗情報:HP食べログ