インタビュー
居抜き開業を成功させたオーナーに、成功の秘訣や開店までの裏話などを伺います。

毎日5~6種類が店頭に並ぶ唐揚げ専門店
交通も買い物も便の良い街・笹塚

唐揚げや「Kara衛門」は京王線笹塚駅から徒歩3〜4分。三井住友銀行の角を曲がり高速道路の下を渡って十号通り商店街へ。日用雑貨から食料品まで見ているだけでも楽しい活気ある商店街を進むと、右手に「からあげ」の幟がたなびく「Kara衛門」が見えてくる。

「Kara衛門」では定番からオリジナルまで毎日5〜6種類の唐揚げが店頭に並び、全品100gあたり220円で量り売り・個数売りどちらでも買うことができるシステムだ。取材時の人気ベスト5は、しょうゆ・のりしお・甘だれ・ゆず胡椒・塩にんにくだ。唐揚げ単品だけでなくお弁当もあり、こちらも人気商品だ。

笹塚は京王線・京王新線の2線が利用可能で新宿まで5分と交通の便が非常に良い街だ。駅は渋谷区にあるが、少し歩くと中野区・杉並区・世田谷区という区が入り組んだ土地でもある。甲州街道を挟んで南側と北側に分かれており、駅の南側は新しいビルが建ち並びチェーン店が数々入っている。一方北側は小さな商店が多く下町のような雰囲気を漂わせている。駅周辺には7つの商店街が広がり、どちらも駅から少し離れると住宅街が広がっていて住みやすいと評判の街だ。

店舗デザイン会社が手がけた飲食店
ウッディーで温かみのあるお店作りにこだわった

「Kara衛門」の母体であるアーキプロシードは、店舗工事・デザインを主とし飲食店も数多く手がけている会社だ。お店を作るだけでなく飲食事業もやってみようと考え、オーナーと仲が良かった柳楽さんに「一緒にやってみない?」と声をかけた。柳楽さんは当時ホテルで調理師をしていたが、ちょうど独立を考えていたところだった。お互いのタイミングがピタリと合い、「一緒に頑張りましょう!」と手を組むことになった。

「Kara衛門」の味のベースになっているのは、東横沿線に何店舗も展開している唐揚げ専門店。その店舗をアーキプロシードがいくつも手がけたことから、柳楽さんはそこに研修に入りノウハウを教わった。開業までに難航したのが物件探しだった。コツコツ探し回ったがなかなかこれという物件と出会えず、あっという間に4ヵ月が経過。もう一人じゃどうにもならないと思ってインターネットで不動産屋を見つけて登録した。そこを介してようやく見つけたのが今の物件だ。初めて見に行ったのは土曜日で、商店街の人通りの多さに「ここなら行ける!」と思いすぐに申し込んだが、その時点ですでに5組の申し込みが入っていた。その後行われた内覧会に参加したら、その日のうちに「アーキさんに決めます」と返事をもらい、すぐに手続を進めた。しかし、その時営業していた店舗の契約が半年残っていたため、引き渡しは6月だった。「どうしても7月にオープンしたい!」と会社に無理を言って急いで工事をしてもらい、ホテルを辞めて丸1年後の7月1日、念願のオープンにたどり着いた。

店名の「Kara衛門」は社内でいくつも候補を出し合い検討して決められた。キャッチーで親しみやすいのか、小さいお子さんにもウケがいい。看板のロゴもデザイナーに4パターン用意してもらい、あれがいいこっちがいいと喧々がくがくした結果、現在のポップなロゴに決定した。ウッディーなお店にしたのは柳楽さんの強い希望だった。以前の店舗はステンレスが多用されていたが冷たい感じがして嫌だったのだ。衛生的にはその方が管理しやすいのだが、柳楽さんは温かみのあるお店にしたいと思い、お客さんの目に触れる部分になるべく木材を用いて色にもこだわって作ったのだ。

店舗は創業半世紀以上のお店が並ぶ市場の一角
オープン前にトラブル発生!?

「Kara衛門」がある十号通り商店街は、街歩き番組などでも度々取り上げられるほど非常に活気がある商店街だ。また、「Kara衛門」が入っているビルの1階はマルイストアーという市場になっており、50年前にこのビルが建つ前からここでお商売していた魚屋さんや八百屋さんなど大御所がたくさんいる歴史ある市場だ。みな柳楽さんが開店準備をしている頃から「分からないことがあったら聞いてね」と親身になってくれて、とても助けられているそうだ。

実際にオープン前日のトラブル発生時に柳楽さんが青い顔をして走り回っていたら、周りの商店街の方たちが心配して集まってきてくれたそうだ。やっと機材が全部揃ったオープン前日の夜、ガス管をつなごうとしたら口径が小さくてガスのノズルに入らないという緊急事態が発生!新しいホースを手配しようにも時間が遅く、このままでは明日開店できないと半べその柳楽さん。近所の人が針金を持って来て「縛っちゃえ!」「いや無理だろう!?」を大騒ぎに。結局連絡を受けた社長がやってきて力技でねじ込んでつなげてくれ一件落着。「今となっては笑い話ですが、あの時はもう本当にどうしようかと…。皆さんが必死になって一緒に考えてくれたり励ましてくれたりして救われました。いい環境に店を出せて本当によかったと思っています。ちなみにホースは今でもそのまま使っています(笑)」。

お客様の声を受けて作った商品が人気に!
東京に2〜3店舗が目標

暑い盛りに唐揚げやをオープンするとあって多少の不安はあったが、予想よりたくさんのお客様に来てもらえた。店頭には常時5〜6種類置かれ、数種類は味が日替わりだ。お弁当は大・中・小3種類あり、おかずの唐揚げは好みの味を選ぶことができる。副菜には煮物などが入り、家庭的で素朴な味付けが好評だ。

「Kara衛門」の唐揚げはサイズが大きめのためお子様が食べづらいというお客様の声を受けて、お子様が食べやすいサイズにカットした「ちびKara(5〜6個入り・350円)」を売り出したところ、人気商品となった。当初はポップな外観から若い方中心の客層だったが、最近ではご年配のかたから小さなお子さんまで幅広い層が来店してくれるようになった。この界隈は外国人も多く、ちょっと辛めのスパイシーやカレー味が好まれている。柳楽さんオリジナルレシピのゆず胡椒は若い女性からご年配の方までファンが多く、女性に一番人気がある商品だ。

味はもちろんのこと、お客様が買い物しやすいように店頭を改装したり、お客様に喜んでもらえることを追求し続けている柳楽さん。「Kara衛門」オープン当初から、東京に2〜3店舗展開したいという目標があり、1店舗目が軌道に乗ったら次の店に着手したいと考えている。この笹塚のように、小さいお子様からご年配の方までフレンドリーな関係を築ける地域に根付いたお店を目指している。
(取材日:2016年11月22日)

柳楽 孝二さん
ホテルの調理部門に長年勤務。独立を考えていた時に、建築業を営む有限会社アーキプロシードの社長から「飲食業を展開したいが一緒にやらないか」と誘いを受け、唐揚げや「Kara衛門」の店長を任される。2016年7月1日、笹塚十号通り商店街に1店舗目をオープンさせた。揚げたての唐揚げと柳楽さんの親しみやすいキャラクターが相まって人気上昇中の店舗である。

唐揚げや Kara衛門
住所:渋谷区笹塚2-10-6 今井ビル1F
TEL:03-65351-5421
営業時間:月・火・木〜日/11:00〜20:30
定休日:水曜日
店舗情報:HPTwitter