インタビュー
居抜き開業を成功させたオーナーに、成功の秘訣や開店までの裏話などを伺います。

旨味と栄養のあるニンニクを
ヨーロッパ料理で提案するニンニク料理専門店

地下鉄2線にJRの3線が乗り入れる市ヶ谷駅。靖国通り沿いは飲食店が多く林立するが、1本入ると閑静な住宅街となる。2016年12月1日にオープンした「Una Casita(以下、ウナ・カシータ)」は、そんな裏通りの角地にオープンしたニンニク料理専門店だ。

「消費者の健康志向の高まりを受け、飲食店でも健康を打ち出す店が増えています。そこで、まずは健康をテーマに、元々僕が好きだったニンニクも健康食材だなというところから、ニンニク料理店を思いつきました。実際、都内でニンニク専門店となると一昔前はブーム的なものもありましたが、今はほとんどない。レッドオーシャンの業態に飛び込むより、ブルーオーシャンの業態で勝負した方がいいので、ニンニク料理専門店に決めました」と話すのは、柴田ロナルドブライアンさん。

ニンニクには、青森・福地村で育つ「福地ホワイト」を使用。1片が大粒で70%以上が水分であることから、火を入れて調理すると新じゃがいものようなホクホク感と甘さが際立つ。またニンニク特有の濃厚な味わいを持つ一方で、後味はさっぱり。翌日の匂いが気にならないのも特徴だ。
この福地ホワイトを使い、イタリア、フランス、スペインなどのヨーロッパ料理で提供する。また月替わりで、アジアなどの他ジャンルのニンニク料理も提案。何度も通えるようなメニュー構成で、常連客を獲得する。

食感度の高い20代後半〜30代をターゲットに
オフィス街立地で勝負

オイスターバーの立ち上げから、マネージャー職を務めてきた柴田さん。メインターゲットは20代後半〜30代と決め、オフィス街で物件探しを開始した。その理由を柴田さんは、「ニンニク料理専門というキャッチーさは、SNSなどの口コミが集客に結びつくと思いました。そのためSNS世代かつ、食感度の高い層をターゲットにしたのです」と話す。
当初は20坪前後、坪2万円内を条件に掲げ、御茶ノ水や池袋界隈を候補に挙げた。開始2ヵ月半で出会ったのが現物件。完全なオフィス街ではなく居住者もいる地域であり、家賃も理想に近いことが決め手となった。
「靖国通りから1本入ったところなので、フリー客の集客は難しいだろうと思いました。しかし地域密着店にできれば、長く続く店にできるとの確信もありましたね」と柴田さんは言う。             元中華料理店の物件は暗い印象があったため、白と青に塗り替えヨーロッパをイメージ。厨房区画は変えず、壁で閉ざされていたキッチンの壁を一部取り払うことでオープンに。厨房機器は洋食料理が調理できるよう、ほとんどを入れ替えた。
こうして完成した店は、自宅に招かれたような心地よさと、配色のセンスのよさを感じる空間に。スペイン語で「小さな家」を意味する店名にぴったりの店ができ上がった。

ニンニク料理とワインで日常使いから接待まで
幅広いシーンに対応

「福地ホワイトは元の素材がいいので、その持ち味を活かす料理を考えています」とシェフの駒崎慶介さんは言う。
人気は「UnaCasita ガーリックトースト」や「カルボナーラ〜ガーリックソース〜」、マッシュルームなど8種を揃える「アヒージョ」など。カルボナーラは生クリームを使用せずとも、福地ホワイトのクリーミーさだけでクリームを使ったような滑らかさを表現。また看板商品の一つである「ガーリックローストチキン」は、表面をパリッとなかはジューシーに仕上げた。メニューの95%以上にニンニクを使っており、いずれはニンニクを使ったデザートも考案予定だという。                          
ドリンクのメインは50種を超えるワインで、ボトル2500円のがぶ飲み系が人気。一般流通しない珍しい銘柄も揃え、ワイン好きも取り込んでいる。単品料理以外には、6000円前後のコース料理も提案。近隣会社の接待や宴会利用客にも対応する。                         
「開業時に3年で5店舗の目標を立てまして、今2店舗目を立ち上げ中です。なのであと約2年半で3店の出店を考えています。どれもニンニク専門という打ち出しは変えず、立地や料理人に合わせて料理ジャンルや提供法を変えていきたいと思います」と柴田さんは今後の展望を語った。

トラブルもなくスムーズに開業。
気軽な利用を促し、リピーター獲得に専念する

「開業までは順調で、特にトラブルもなく進めました」と柴田さんは振り返る。
2016年11月に物件を契約後、内外装工事に1ヵ月を費やし、同年12月にオープンしている。物件探しも2ヵ月半と、それほど時間もかからずに見つかった。10年営業する中華料理店の居抜きであったため、コールドテーブル1台を残し厨房機器は入れ替え。スチームコンベクションオーブンや真空調理器を入れるなど、幅広い調理ができる機器を新たに投下した。

現在の主客層は、当初の狙い通り20〜30代。ランチ営業もしていることから、近隣会社員の女性客の来店が多いという。一方で土曜は近隣に住む60〜70代の老夫婦や、子供連れのファミリー客も来店。想定よりも幅広い客層に支持されている。コンセプトとしてはおいしい料理といいサービスながら、ファミリーレストランのような使い勝手のいい店。現在は目指して来てもらうための予約獲得や、リピーターづくりに力を入れている。
(取材日:2017年6月13日)

柴田ロナルドブライアンさん(左)
1983年、フィリピン生まれ。オイスターバーを経営する外食企業で店の立ち上げに携わり、マネージャー職を経験。

シェフ 駒崎 慶介さん(右)
1985年、東京生まれ。中華料理店で3年調理を学んだ後、シェフとして「ウナ・カシータ」に入る。

Una Casita(ウナ・カシータ)
住所:東京都千代田区九段北4-1-31 一口坂ハイム1F
TEL:03-6261-5208
営業時間:月〜金11:30〜14:30(L.O.14:00)、17:00〜23:00(L.O.22:00)
     土曜12:00〜15:00(L.O.14:30)、17:00〜23:00(L.O.22:00)
定休日:日曜祝日
店舗情報:HP食べログ