インタビュー
居抜き開業を成功させたオーナーに、成功の秘訣や開店までの裏話などを伺います。

飲みたい時に、話したい時に、気軽に立ち寄れる場所

住みたい沿線として大人気のJR中央線。なかでも高円寺は新宿から電車でわずか6分という便利な立地にありながらも「庶民的で住みやすい」と、OLやサラリーマン、学生、ファミリーなど幅広い世代から人気だ。駅周辺には3つの商店街があり、買い物にも便利。ライブハウスや古着屋、昔ながらの喫茶店や居酒屋などディープな世界も広がる。

このエリアに2017年3月1日にオープンした『Old Time』の店主遠藤祐人さんは昔からこのエリアを愛する一人だ。ずっとこの界隈で飲み歩いてきたという生粋のお酒好きでもある。そんな遠藤さんが開いた『Old Time』は、高円寺駅北口から徒歩3分という駅近ビルの2階にあり、始発が出るまで時間を気にせずくつろげる“飲み屋”だ。
開業までの経緯や現在の状況についてうかがった。

妥協なし!物件探しは、お客様との距離の近さを重視

遠藤さんは高校卒業後に上京し、飲食の世界に入った。その頃から「30歳までに開業しよう」と心に決めていたという。そしてその言葉通り、29歳で自分の店を持った。
パートナーの後押しもあり、夢への第一歩を踏み出した。前職である新宿三丁目のカフェダイニングで働きながら2016年夏頃から始めた物件探しは、なかなか思うようにいかず、苦戦を強いられた。
「予算内に納めないといけないのでその点で苦労しました。開業後最初の1年はほぼ軌道に乗らないことを考えると、予算を抑えるという意味でも居抜き物件が一番いいと考えました」。
結局半年ほどかけて20軒近く見て回り、ようやく現物件に出合った。
「カウンターがあることが絶対条件でした。お客様とカウンター越しに気軽に話せる店を作りたいと思っていたのです。ABC店舗の方が根気よく探してくれて、現物件は空くかもしれないという段階で下見に来ました。ここは駅からも近いし、適度に広い。調理スペースもちょうどよかったので、すぐに決めることができました」。

引き渡しまで約1カ月あったため、その間にメニューなど色々準備できたというが、物件引渡しからオープンまではわずか1週間。その陰にはたくさんの友人や以前の職場からつきあいのある業者の方たちの協力があった。
「オープン準備で一番大変だったのは、店内に残されていた不要なものを片付ける作業でした。残されているものすべてを引き取るという条件で契約したため、引き渡されるまで何が残っているかわからなかったのです。使えるものもたくさんありましたが、不要な物もたくさんありました。友人たちが手伝ってくれたおかげでなんとかオープンに間に合わせることができました」。

想定よりも若い層を中心に口コミと常連客の紹介でじわじわ新規顧客を獲得

もともと高円寺や阿佐ヶ谷でよく飲み歩いていたという遠藤さんだが、実際オープンしてみると客層は想定と違ったと話す。
「高円寺は一人暮らしの人が多く住んでいる街なので、僕のように飲み歩くのが好きな人が多いのかなと思っていました。またOLやサラリーマンも比較的多く住んでいるので、20代後半から40代くらいまでをターゲットにしていたのです。しかし実際は思っていたよりも若く、今の常連さんは20代前半の方が多いんです。あとは以前勤めていたお店の常連さんたちがたくさん来てくれるので、すごく助かっています」。

お客様は中央線沿線や地元に住んでいる人が多いが、朝まで営業しているため、時間を気にせずのんびり飲める。そのため多少遠いところからでも来てくれるという。店内にはゆったりとしたソファ席や店主と話しやすいカウンター席、さらにゲームもできるTVモニターが設置してあるため、自宅にいるようにくつろぐお客様が多いという。
「お客様と一緒に僕もおしゃべりしていることが多いんです。時々人生相談みたいな話をされることもありますよ。常連さんが友達や知り合いを連れて来てくれて、またその方たちが常連さんになってくれる。お客様の名前はほとんど全員分覚えています」。
遠藤さんの飾らない人柄とアットホームな雰囲気が“ついまた来たくなる店”を作り上げているのだ。

ここでしか飲めないお酒とお酒に合うこだわり手作りメニュー

このお店のウリはもちろんお酒。このエリアには格安居酒屋チェーンも多いが、“ここでしか飲めないお酒”を求めてくる人に満足してもらえるように考えて取りそろえている。
中でも「サッポロパーフェクト黒ラベル」は高円寺ではここでしか飲めない生ビールで、「ぜひ飲んでもらいたい」と話す。ワインも赤・白・ロゼ・スパークリング合わせて40種類くらい取りそろえている。最近ではクラフトジンも増やしているという。
お酒に合わせたおつまみも充実している。和・洋・中ジャンル問わず30種類くらいあるフードメニューは、できるだけ化学調味料を使わずにソースや出汁からすべて手作りするというこだわりよう。
人気メニューは「鶏のフリット 柚子胡椒添え」。衣にベーキングパウダーを混ぜているため、口に入れた時にふわっとした食感が楽しめる。醤油ベースのしっかりとした味付けに柚子胡椒がアクセントとなりお酒が進む一品だ。
数量限定の「自家製鶏ハム」や、マグロの刺身から作る「自家製ツナとタマネギの和えもの」もおすすめ。

(取材日:2017年10月30日)

遠藤 祐人さん
1987年、長野県生まれ。高校卒業後に上京し、アルバイトから飲食業界に入る。その後新宿三丁目にあるカフェダイニングで社員として経験を積み、独立。これまでの経験すべてが今に生かされている。

Old Time
住所:東京都杉並区高円寺北3-2-15 八字ビル2F
TEL:03-5356-7910
営業時間:15:00~翌4:00
定休日:無休
店舗情報:公式サイト食べログ