釣り歴15年、飲食経験ゼロからはじめた店舗運営
古くは、江戸の門前町として栄え、現在はビジネスパーソンの街としても知られる門前仲町。そんな歴史と今が交錯する街の一角に、2016年にオープンしたのが「居酒屋 釣り人」だ。屋号からも想像できる通り、この店を営むオーナーの稲葉聡さんは、もちろん釣り人である。稲葉さんと釣りとの出会いは、今から10年前に遡るそうだ。
「子供が3歳の頃に釣りをやりたいって言いだして、近所の川でハゼ釣りをしたんですよ。その時、大きいセイゴがかかったのに、それを逃してしまった。そうしたらアイツを捕まえてやろうっていう気持ちがでてきて、それでのめり込んでしまったんです。」と笑顔で話す稲葉さん。人が何かにハマるきっかけはいつも突然だ。それは稲葉さんの場合も例外ではなかった。それからというもの、船釣り、堤防釣りとなんでもあれの釣り人になったという。
とはいえ、飲食業経験はゼロ。そこから居酒屋を開業するとなると、さぞ勇気がいることだろう。しかし尋ねてみると、意外にも「何も考えないで始めました」という、あっけらかんとした返事が返ってきた。その言葉の通り、前職である内装の管理業者を辞めてからたった1~2か月で物件を決め、その1か月後にはもう店をオープンしていたというのだから驚きだ。