インタビュー
居抜き開業を成功させたオーナーに、成功の秘訣や開店までの裏話などを伺います。

26歳で独立開業。自由な使い方を提案するカフェ

東京・本郷三丁目は、富裕層が多く住む閑静な住宅街。一方で、昔からある地元密着型の飲食店が多く、またラーメンやカレーなどのB級グルメも密集している。そんな本郷三丁目で、2017年8月9日にオープンしたのが『Cafe & Dining FREE(カフェ&ダイニング フリー)』だ。同店は店名が示す通りフリー、つまり自由であることを謳った一軒。それは料理ジャンル、利用シーンすべてにおいて制限を設けず、お客さまの自由に利用して欲しいとの想いを込めている。

オーナーは若干26歳の渡邉大也さん。人懐こい笑顔が印象的で、どんなお客さまともすぐに打ち解ける雰囲気を持つ。渡邉さんは大学2年生のとき、焼鳥居酒屋でバイトを始める。そこからバイト店長に就任し、いつの頃からか「お店を開きたい」との想いが芽生えたという。

「やりたいことが明確になった時点で、大学を中退しました。その焼鳥居酒屋では社員登用し、計3〜4年は働きましたね。仕事が辛い分、お客さまの『ありがとう』『おいしかったよ』との声が嬉しく、これで食べていけたらと思ったんです」

街に住む家族客のニーズを汲み取ったスペースを提案

居酒屋で経験を積んだが、初めは古民家カフェでの独立を思いつく。しかし古民家という縛りから、物件がなかなか出てこない。そこで業態を広くダイニングカフェに変更。前職もそうだったように、働き慣れている住宅エリアに限定し、物件を探した。

「現物件は一目惚れだった」という渡邉さん。下町感が残り、ファミリー層が多い街の雰囲気が気に入った。また近隣にチェーン系のコーヒーショップやカフェが少ないことから、地元の方々が集える場として提案できると考えた。こうした街の雰囲気を見たとき、「ターゲットの年齢や属性を縛らず、誰でも来られるアットホームな店にしよう」との方向性が固まった。

現物件は元フレンチ店。客単価の高いレストランだったため、一通りの厨房設備が揃っていた。一方で客席はカフェの開放的な雰囲気にするために改装。店内奥には大きな鏡を貼り、子供連れでも利用できるベンチシートを設置した。また元々あった壁や床などの造作は活かしつつ、席レイアウトをがらりと変えた。

工事期間中から、外に黒板を貼出し店のコンセプトとオープン日を書いて宣伝。オープン後に来店したお客さまからは「何ができるか楽しみにしていた」「気軽に入れるお店ができて嬉しい」などの声も聞こえた。

有名シェフの下で修業した料理人が作る大皿料理が自慢

料理を担当するのは、前職で知り合った松波秀行さん。「僕自身、松波さんの作る料理が大好きで、お客になりたいくらいと渡邉さんが太鼓判を押す料理人だ。松波さんは19歳から料理人になり、某有名中華料理人に師事。その後イタリアンやチェーン系居酒屋の事業部長などを経験した。そのため中華料理からイタリア料理、和食まで幅広い技術と知識を持っている。

そんな松波さんが手掛ける料理は、「サーモンのカルパッチョ」などの前菜から、複数でシェアして食べる「ハーブチキングリル」などの大皿料理、締めのパスタまで60〜70品も用意。またイチオシメニューは「FREE特製アメリカンワッフル」。季節のフルーツや、アイスクリームなどをたっぷりとトッピングしたワッフルは、子供から女性まで大人気だ。
ディナータイムはワインを中心に、アルコール利用も促すが「まだ食事利用の方が多い」と渡邉さん。ゆくゆくは松波さん自慢の料理とお酒で、アルコール利用ニーズの獲得にも努めたいと考えている。

「お店をカフェダイニングとして捉えず、例えば自分たちで店内を装飾してホームパーティ感覚で使うなど、自由な発想で利用していただきたいですね。イメージは貸しスペース兼料理店。そこにお客さまのかゆいところに手が届くサービスで、居心地のよい空間を提供していきます」と渡邉さんは話した。

想定以上にかかってしまった内装工事費

2017年2月より物件探しを開始し、6月には現物件を契約。その後は資金調達や料理開発、オペレーション確認など、細かな準備に追われた。6月後半より内装工事が始まり、工期は1ヵ月を要した。
内装工事費は当初200万円を予定していたが、工事を終えてみると300万円まで増大。「細かい出費の積み重ねで予算がオーバーしてしまった」と振り返る。
店内は、渡邉さんが想定している「自由な使い方」にも対応しやすい、開放的でシンプルな空間に。『Cafe & Dining FREE』は、渡邉さんと松波さん、そしてそこに集うお客さまによって、すてきな店に成長していくことだろう。

オーナー 渡邉大也さん
1992年、愛知生まれ。大学進学のため上京し、2年生のときに焼鳥居酒屋でアルバイトに入る。その後バイト店長に就任し「いつかお店を開きたい」との想いから大学を中退、そのまま社員に。その1年半後には退職し、独立に向け準備を開始、26歳で独立した。

シェフ 松波秀行さん
1978年、東京生まれ。高校卒業後、調理師専門学校に進み、19歳で料理人に。某有名中華料理人の元で修業を積んだ後、イタリアンカフェの料理長、大手外食企業の事業部長などを歴任。渡邉さんとは前職の焼鳥居酒屋で知り合う。当時、松波さんが事業部長という立場で上司だったが、渡邉さんに誘われて一緒に独立した。

Cafe & Dining FREE
住所:東京都文京区本郷4-37-4 レーヴ本郷1F
TEL:03-6801-8368
営業時間:ランチ11:30〜14:00、ティータイム14:00〜17:00、ディナー17:00〜23:00
定休日:月曜日、月2回不定休
店舗情報:食べログヒトサラ