“日々の生活”を楽しみ、愛おしむ
そんな思いを込めて店をオープン
相場正一郎。 カフェ経営に携わる者、志す者の間で、その名を知らない人はいないだろう。開店と同時にランチ客が行列をなし、どの時間帯もテーブルが埋まる超人気店「LIFE」のオーナーシェフだ。13年前の開業以来その勢いは留まることを知らず、北陸や九州にも姉妹店がオープン。知名度は全国区となった。さらに、異業種とのとコラボやコンサルティング業など、シェフという肩書きを超えた活動やそのライフスタイルにも注目が集まっている。
「ここLIFEは、正確にはカフェではなくイタリアンレストランなんですよ。」やわらかな物腰の相場さんは、微笑みながらそう話す。「店のコンセプトは“カフェ卒業+レストラン入学生”。イタリアンというとどうしても敷居が高いと思われがちですが、僕が修業していたイタリア・トスカーナでは自宅の延長のように気軽に顔を出してくれるお客様ばかりでした。自分の店を作るにあたり、その店と同じように週に1度は気軽に来てもらえる場所にしたいと真っ先に思い浮かんだんです。店の名前も“日々の生活”を楽しもうという意味から。本格的なイタリアンとカフェの居心地のよさを同時に味わえる雰囲気づくりを大切にしました。あえてイタリア語の店名をつけず英語にしたのも、ガチガチのイタリアンにはしたくなかったからなんですよね」
そのイメージ通り、13年たった今も店内にはふっと脱力できる「ゆるい」感じの空気が流れている。みな、美味しい料理はもちろんのこと、この空気感を求めて何度も店に足を運んでしまうのだ。実際、週1ならぬ週2、週3で通う客もいるという。