お店通信簿
飲食店専門コンサルタント原島純一さんが、店舗の訪問診断に伺います。

≪ 今回の訪問先 ≫

店舗名
鳥旬・かがり火
所在地
東京都港区赤坂2-10-17 赤坂三星ビル2F
電 話
03-6441-0319
業 態
焼鳥、和食

 


 

今回伺った「鳥旬・かがり火」さんは、東京メトロ銀座線・南北線溜池山王駅11番出口から徒歩1分。2016年4月21日オープンの本格炭火焼鳥&和食店です。長年、和食の世界で修行を重ねてきた店主様が、鳥取・大山鶏をさばいて一本ずつ丁寧に串打ち。ハツモト・おび・ソリ・そで・はらみなどの希少部位も用意。炭火で最高の具合に焼き上げた絶品焼鳥が楽しめると評判です。

場所は複数の飲食店が入居する雑居ビルの2階。薄暗い階段を昇り、店のドアを開けると、そこには全16席のお洒落な隠れ家空間が!!コンクリートの天井、美しい大理石と丸木のカウンター、キッチン上の印象的なタイル壁―スケルトンからデザイナーを入れて一から設計したこだわりの内装です。客席への煙を防ぐ横型ダクト、コートに臭いがつかないよう用意したクロークなど、お客様の快適性を重視した仕様が素敵です。

 

料理皿は、知人の陶芸作家に特注で焼いてもらった器を使用。自然派・オーガニックワインはアンティークグラス、ビールはうすはり、サワーやロックは昭和レトロなグラスと、個性溢れる食器類によって、見た目にも美しく、楽しいひとときを提供されています。

主な客層は、近隣のサラリーマンの方々。最近はほぼ常連さんで占められるそうです。店主様の当面の目標は、「日によって客入りに波があるので、安定してご新規様の予約数を確保し、さらに売上アップを図ること」。そこで、さらにお店の人気をアップさせるための方策を原島先生にお伺いしました。

 

原島先生

「”雑居ビルの中にこんな雰囲気ある素敵なお店が!” ”しかも料理もお酒も美味しい!!” という嬉しい驚きがこの店の一番の魅力。

今夏は台風も多くどの飲食店も厳しい状況。その中で、これほど着実に業績を上げているのは凄いこと。自信を持っていいですよ。店主さんの人柄も素晴らしく、これからどんどん伸びていけそうなお店です。

さらなる売り上げアップを達成するために、いま何に集中して取り組むべきか、検討していきましょう!

 

【課題1】Webの充実

⇒⇒ 《対策》Web予約を導入しよう!!

⇒⇒ 《対策》SEO対策&口コミ獲得でWeb上で店を見つけてもらいやすくしよう!!

店主様

「客足安定のため、新規のお客様を獲得していきたいと考えているのですが」

 

原島先生

「新規客獲得のためにはWeb対策が必要です。

このお店は、ご自分で作られたホームページが読みやすくて素晴らしい。職人だけれど客目線の経営感覚もきちんと併せ持たれています。販促は食べログ、ぐるなびを活用されていますが、ネット世代のお客様はホットペッパー、Retty含め口コミサイトを一通り見てから店を決めます。これらのサイトは相互に関連してもいるので、広く浅く利用していくとよいでしょう。

改善ポイントはWeb予約の導入。現在は電話予約のみですが、仕事中で掛けられなかったり、「忙しいだろう」と店に気を使って電話を控えたりするお客様は意外と多いもの。Webなら通話の手間なく、24時間いつでも申し込め、お客様の利便性をアップすることができます。ただし、Webは仮予約とし、座席、人数、お料理などの詳細は必ず電話で相談して詰める・確定するようにしましょう。

 

SEO対策も重要です。Web上で見つけてもらいやすくするために、検索エンジンで引っかかりやすいキーワードをホームページや食べログのタイトル・文章に取り入れましょう。例えば、恋人と行く店を探している人だったら、「デート」「カウンター」「隠れ家」などのキーワードで検索するかもしれない。ブログ記事の最後に店名・住所・電話番号・URLなどの署名を付すのも、店のことを覚えてもらうには意外と効果大ですよ。

あとは、目立ちにくい2階店なので、グルメの方々にSNS投稿で口コミを広げてもらうのも一案です。常連さんは好きなお店が混んでほしくないので、意外と口コミは書かない(笑)。今の世の中は、観光地でもレストランでも、スマホやPCで皆あらかじめ店の情報を調べてから来るので、口コミが充実していると「どんな店なの?」というお客様の不安要素を取り除くことができます」

 

【課題2】メニュー増は必要?不要??

⇒⇒ 《対策》今の最優先事項はメニュー数を増やすことより、基本的な料理・接客など、お店の基礎体力の向上!!

店主様

「スタッフ数が充実したので、常連さんの来店数を増やすために、秋から魅力あるメニューを作って、品数を増やそうと考えています」

 

原島先生

「季節の品を洗練させるのは良い考えでしょう。でも、お店の一番の売りは焼鳥。「今後、売上増のときもそのサービスを維持できるか?」という観点から考え、メインの焼鳥の提供スピードが落ちない数に留めることが必要でしょう。「和食の経験を活かして他の焼鳥店に無い魅力あるメニューを作りたい」というのが動機なら、裏メニューにしておいた方がプレミアム感は高まるかもしれませんね。

いま一番の重要事項は、メニュー数を増やすというより、年末繁忙期に向けてお店の基礎体力を高めることです。料理、接客、お見送りなど…どれだけブレずにしっかりした店を保てるかが勝負。そのためには、お名前や好みの料理を覚えるといったスタッフ一人一人の接客能力の向上、そして、顧客ごとの個別サービスによる満足度アップが必要です。

大切なのは、「お客様がどうしてこの店を気に入ってくれているか」その理由を見誤らないこと。このお店の場合、「こんな場所にこんな空間が!」というのがお客様が一番喜ぶポイントのはず。また、仲の良いスタッフ達の接客による雰囲気の良さも大きいでしょう。繁盛店の条件は「納得感のある店」。今は絶妙のバランスでそれが成り立っています」

 

【課題3】単価アップの検討

⇒⇒ 《対策》個人店舗の売り上げ向上には適切なタイミングでの単価アップが欠かせない!!

原島先生

「席数が16席と限られている中、売上アップの道は、営業時間の延長か、単価アップのいずれか。前者の選択肢は現実的には考えにくいので、いくつかのタイミングで単価アップして、次のステージに進むことが必要です。

ゲーム理論の法則にもありますが、単価を上げると客離れが起こり、一時的に売り上げがダウンしますが、新たな店のサービスに新規ファンを獲得することで、また回復していきます。このリズムを繰り返すことで売り上げはアップしていきます。人や用途(社用かプライベートか)によるサービス差別化、例えばお酒のグレードの調節などから取り組み始めると良いのでは」

 

明るいお人柄の店主様に確かな技術の焼鳥&和食、そして雰囲気あるお店。「これだけ揃えば売れないハズはない」と原島先生も太鼓判を押す鳥旬・かがり火さん。こちらのようにすでに軌道に乗ったお店がさらに繁盛を目指すには、「確かな経営感覚」がプラスアルファで必要とのこと。理想のお店に近づくために、いま何をしたら良いか?自分でも逐一チェックするとともに、プロのコンサルタントさんと定期的に意見交換をする機会を持つことも、有効な方法として覚えておきたいですね!

店主様、原島先生、ありがとうございました!

相談回答者
名 前
株式会社STAYDREAM
代表 原島 純一(はらしま じゅんいち)
所 在
新宿区西新宿7-2-6 K-ビル3階
連絡先
TEL. 03-6890-1313 FAX. 03-6890-1158
H P
http://www.c-staydream.com/