菊川（墨田区）で居抜きで飲食店を開業するための街情報

東京東部に位置する墨田区。お花見・花火・早慶レガッタなどで有名な「隅田川」をはじめとして、大小8つの川が流れています。また、「浅草雷門」「両国国技館」「東京スカイツリー」といった名所が多く、観光地としても人気です。
下町情緒にあふれ、江戸時代から続く職人文化が今に息づく街でもあります。今回は、その中でも「菊川」にスポットを当て、街並み・歴史・文化などの観点からご紹介します。

2020年へ向け進化を遂げる菊川エリア

墨田区の南部に位置する菊川は、江戸時代から続く日本の伝統と、「東京スカイツリー」に象徴される最先端の技術を併せ持つ、都内でも稀有なエリアです。この地域一帯は、2020年に開催されるスポーツの祭典へ向けて、さらなる発展を遂げようとしています。

そんな菊川の周辺には中学校や高校があり、ファミリー層も多く暮らしています。治安も良く、また地元の人々が自主的に街の健全化・活性化に努めていることから、安心して生活しやすいのも特徴です。また、昔ながらのお店以外にも、コンビニや深夜1時まで営業するスーパーもあり、住環境としても魅力があります。

ビジネス街にも観光スポットにもアクセス良好

菊川は「東京スカイツリー」から直線距離にして約3km南のあたりに位置しています。新宿までは都営新宿線直通で約20分。JR両国駅にはバスで約20分、錦糸町には約10分で到着します。
また、乗り換えを含めてビジネス街である新橋や汐留に約20分、大手町に約10分でアクセスできる点も便利です。近くには首都高も通っており、交通の便は良好だといえるでしょう。また、押上「スカイツリー前」までは乗り換え1回で約10分、同様に浅草にも乗り換え1回で約15分で着くことから、休日の外出にも適しています。

鬼平と遠山の金さんが暮らした街

菊川のあたりは、江戸時代には「本所南横堀」と呼ばれていました。池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』の主人公のモデルとなった、火付盗賊改方の鬼平こと長谷川平蔵という人物は、1764年からこのエリアで暮らしていたようです。
その後、TVドラマ「遠山の金さん」のモデルとして知られる北町奉行の遠山金四郎こと遠山景元が、この地に住居を構えました。都営新宿線菊川駅の近くには、これらの史跡説明版や記念碑が建てられています。

また、『鬼平犯科帳』の作中にはよく食事のシーンが出てきますが、軍鶏なべ屋「五鉄」跡や、作者である池波正太郎がよく通ったという鳥料理「かど家」も、菊川周辺に位置しています。

ものづくりの伝統と技術を守る「すみだ3M」

墨田区は、近代工業発祥の地といわれ、ものづくりの街として発展してきました。
江戸時代には染物・江戸切子・江戸木目込人形・表具などの職人が技術を競い、明治時代になると「鐘淵紡績（現・カネボウ）」が創業を行なったほか、「長瀬商店（現・花王）」などの工場が墨田区に移転し発達してきました。

現在は、そんな伝統を今に伝えるニットや革製品を始めとした製造業が多く、そのうちの約8割が中小企業で、工房や工場も数多く存在しています。

そんな墨田区のものづくりをアピールするために生まれたのが、「すみだ 3M（すみだスリーエム）運動」です。
「小さな博物館（Museum）」「工房ショップ（Manufacturing shop）」「マイスター（Meister）」というものづくりに携わる施設から、それぞれの頭文字を取って、この名が付けられました。
菊川には、「江戸指物」に関する「指物博物館」、「名刺と紙製品の博物館（SAKURA TERRACE）」、「建築道具・木組資料館（墨田住宅センター）」という3つの小さな博物館があります。

「名刺と紙製品の博物館」では、展示のほかに定期的にワークショップも開催されています。
「建築道具・木組資料館」では、明治時代のカンナやのこぎりなどの建築道具や、木造建物に使われるさまざまな柱の組み方が実物で展示されています。その技術を学びに建築業者の方も見学に訪れるそうで、この地域の伝統を今に伝えています。

下町ならではの地域の交流

墨田区といえば、やはり昔ながらの人情が息づく下町というイメージがあるでしょう。菊川では桜の季節になると、大横川（菊川橋～南辻橋）と安兵衛公園（立川第二児童遊園）の桜並木が、立川菊川まちづくり研究会の手によってライトアップされるイベントがあります。
12月には菊川の駅周辺を明るくして地域の絆を深めようと、菊川2丁目および3丁目で合同イルミネーションが行なわれたり、地元住民を中心に手作りの企画が実施されたりしています。

また、墨田区には約40カ所の商店街がありますが、菊川駅近くにも菊川通商店街があり、地元の人々に愛されています。下町ならではの地域の交流を楽しめるエリアでもあるのです。

2020年に向けて「暮らしにも観光にもよい街」へ

2020年を見据えて、墨田区は、2015年に“東京スカイツリーを活かし、暮らしてよく、訪れてよい、「国際観光都市すみだ」をつくる”という形で振興プランを作成しました。
そのプランのひとつとして、伝統工芸や昔ながらの商店街といった地域の産業が、観光と融合することによって発展するように力が入れられています。

区内循環バスや観光舟運の活用を検討したり、外国人観光客の受け入れ体制を強化したりするほか、食を活用しての観光にも力が入れられています。同時に、防犯カメラの設置や、誰もが安心して旅行を楽しめるユニバーサルツーリズムを推進するなど、安全で快適な街作りへの取り組みも充実しています。菊川エリアは、これからますます発展を遂げていくことが期待されている街です。

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