街レポート
港区|新橋はどんな街?居抜きの物件で飲食店開業するための街情報
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上場企業のオフィスが多く、ビジネス街として知られる新橋。今回は、都内でも有数の飲み屋街・繁華街としても知られ、“サラリーマンの街“の愛称ももつ新橋の魅力をお伝えします。新橋に住んでみたいと考えている社会人や学生、また飲食店開業を計画しているオーナーは、ぜひ参考までにご一読ください。
国内初のSLが開通した街
新橋といえば、テレビのサラリーマン街頭インタビューでもおなじみの駅前のSL広場を思い浮かべる人も多いと思います。新橋は日本の鉄道発祥の地で、1872年10月14日に日本で最初の鉄道路線の起点として開通しました。現在その当時の駅舎が、銀座口から徒歩5分ほどの場所に「旧新橋停車場」として再現されています。待ち合わせスポットとしても有名な新橋駅西口のSL広場に展示されている蒸気機関車(C11-292)は、1972年に鉄道開通100年を記念して同地に設置されたもので、今では新橋駅の象徴的な存在になっています。
豊富な交通アクセス
新橋駅は、JR線、東京メトロ、都営地下鉄、ゆりかもめの4線が乗り入れています。JR東京駅・有楽町駅・品川駅・浜松町駅などの主要駅から1駅と地の利もよく、高速バスの発着駅でもあることから、成田や逗子など千葉・神奈川方面との接続もしやすい駅です。また「ゆりかもめ」の起点にもなっており、この駅を経由すればお台場・有明方面にも足を伸ばすことができます。銀座、虎ノ門、汐留からは徒歩圏内のため、ショッピングやギャラリー巡りをしながらの街歩きなども楽しめます。
大手企業が建ち並ぶ汐留口
新橋駅の東側に位置する汐留口は、企業の本社ビルが多いエリアです。特に2001年の再開発で、電通、日本テレビ、パナソニックなど名だたる大手企業の本社が入る「汐留シオサイト」が建設され、汐留口側は、近代的なオフィス街へと生まれ変わりました。
それぞれの顔を持つ鳥森口・銀座口・日比谷口
新橋駅には東側の汐留口のほか、鳥森口、日比谷口、銀座口と4つの出口があります。新橋の代名詞でもある「SL広場」や「ニュー新橋ビル」の最寄り口として知られているのが駅の西側にある日比谷口です。同じく西側には、古くからの商店街や中小様々な雑居ビルが建ち並ぶ歓楽街への入り口 鳥森口があります。また汐留口と並び、駅の北東側にあるのが、銀座エリアのラグジュアリーな商業施設への導線としても機能している銀座口です。ちなみに前述したSL広場は日比谷口にあり、有名なガード下の飲食店街は、いつも仕事帰りのサラリーマンで賑わっています。
新橋の飲食店トレンド
新橋は、歴史的な出来事とも縁があります。学校の教科書などでよく目にする「平将門の乱」も、その1例です。白羽の矢が、この乱と新橋をむすびつけました。反乱事件は940(天慶3)年に起きますが、朝廷から派遣された藤原秀郷により鎮められます。彼は、先勝祈願のために訪れた稲荷神社で、白狐(びゃっこ)から「矢」を受け取っていました。この矢が反乱を鎮定へと導いてくれたため、藤原秀郷は感謝の意を込めて新しい稲荷神社の創建を思い立ちます。その際、再び現れた白狐のお告げにしたがい、秀郷が選んだ創建場所が、新橋2丁目の烏森の地だったというわけです。
また鉄道マニアでなくても、国内で最初の鉄道は新橋駅~横浜駅間に開通したことを多くの人がご存じでしょう。1872(明治5)年開業ですが、その後、初代の新橋駅は「汐留駅」に改称されます。1877(明治10)年、モースが大森貝塚を発見したのも横浜から新橋へ向かう途中でした。1995(平成7)年、汐留駅跡地の再開発工事がはじまると発掘調査も行われ、営業当時の新橋駅の様子などが確認されています。
ひときわ目を引く「ニュー新橋ビル」
高度成長期に新橋の街に姿を現し、それから数十年もの長い間愛されてきた新橋駅東口前の雑居ビル「ニュー新橋ビル」は、電車からも見える独特な格子状のファサードが特徴的で、いまとなっては“渋いビル”の代表格としてレトロフューチャーな魅力を放っています。
このビルは今も変わらずサラリーマンの憩いの場で、“オヤジビル”という愛称で呼ばれることもあります。
ビル内にある店舗は、居酒屋や食堂、パチンコ店、整体など新橋で働く人々をターゲットにした個人店が多く、飲食店では、健康に気づかうビジネスパーソンたちにこよなく愛されるジューススタンド「ベジタリアン新橋本店」や、ビル開業時からある喫茶店「純喫茶フジ」など、新旧いりまじったラインナップが魅力です。刺身・焼き魚・てんぷらがセットになった定食が1,000円以下で食べられる「しんばし初藤」や、昔ながらの串揚げが1本130円から楽しめる「串かつ 串かしく」など、昼は定食、夜は居酒屋といった使い分けができるのもこのビルの特徴といえます。
東口駅前のレトロビル「新橋駅前ビル」
新橋駅は、西側には「ニュー新橋ビル」、東側には「新橋駅前ビル」と昭和の2大レトロ建築が健在です。汐留口を出るとすぐ目に飛び込んでくる格子状のガラスのファサードが印象的な「新橋駅前ビル」には、立ち飲み屋や喫茶店といった昭和の雰囲気を感じられる名店が多数入居しています。
中でもナポリタンやハンバーグといった昔ながらの洋食がいただける「カフェテラス ポンヌフ」や、ビル開業当時からこの地に店を構え、池波正太郎が通ったことでも知られる「ビーフン東」など、数々の名店が今も営業を続けています。また、ランチタイムはとんかつ、夜は立ち飲み屋という2つの顔を持つ「立呑み とんかつ まるや 新橋店」は、食べログとんかつ百名店にも選出されているほどの人気店です。
再開発によってうまれた「HIBIYA OKUROJI」
「HIBIYA OKUROJI(ヒビヤオクロジ)」は、新橋駅—有楽町駅のJR線高架下に2020年9月にオープンした商業施設です。歴史ある煉瓦造りの高架下には、飲食店16店、物販14店の合計30店が軒を連ねています。
ワンランク上の大人の肉料理を楽しめる「ニクバルCARNIVOR」や、天ぷら×ワインという組み合わせがおもしろい「天ぷらとワイン 大塩」、ハラル、ベジタリアン、ヴィーガンといった食の多様性を持つ人が1つのテーブルを囲んで楽しめる多国籍カフェ&ダイニング「SOLEIL」など、モダンな空間に現代的なコンセプトをかかげる新店が目立ちます。
赤煉瓦の高架橋のたもとにできた「日比谷グルメゾン」
同じく新橋—有楽町駅間のガード下に、2020年に誕生したのが6店舗の飲食店からなる「日比谷グルメゾン」です。タイ東北地方のタイ式焼肉が食べられる「タイ屋台999(カオカオカオ)」や“一年中オクトーバーフェスト”がコンセプトの本格ビアホール「シュマッツ・ビア・ホール」などのほか、「中華そば ふくもり」「神仙」、「博多豚骨 新風」など全国各地の有名ラーメン店が集結したフードコート形式のラーメン店「RAMEN AVENUE」も店を構えています。
新橋ガード下横丁
新橋ガード横丁は、“新しい大人の溜まり場”をコンセプトに、2018年に新橋駅徒歩1分ほどのエリアに誕生しました。おばんざいが楽しめる「おばんざい家 新橋」や、コスパのよい串屋「串カツ勝」、ジンギスカンの店「成吉思汗ラムバカ」など、10件ほどの飲食店がフロアを共有しています。通常は、15時から翌5時まで営業しているため、昼飲みも楽しめ、終電を逃しても安心です。(※現在は東京都の要請に伴い営業時間が変更されている場合があります。)
新ビジネス拠点「日比谷 フォートタワー」
西新橋の再開発により、新橋・虎ノ門・霞ヶ関・日比谷の4駅からアクセス可能な東京の新ビジネス拠点「日比谷フォートタワー」が2021年6月30日に無事完工しました。地下2階から地上27階のタワーには、光がふりそそぐ開放的なスカイロビーや多様なワーキングスペースなど、快適なワークライフのための設備がそろっています。サステナブルを意識した空間づくりがされ、SDGsへの取り組みにも意欲的な、この西新橋エリアの新しいオフィスビルは、新橋にさらなる人の流れを生み出してくれそうです。
今後どうなる?新橋の再開発
近隣の虎ノ門駅や東京駅などに比べ、再開発にはやや遅れをとっていた新橋は、そのおかげもあって昭和の面影が色濃く残る街として港区の中でも強い個性を放っていました。しかしながら近年、ついに新橋にも大規模な再開発の話題がでているようです。上述した「ニュー新橋ビル」と「新橋駅前ビル」は老朽化のため取り壊しがおこなわれ、跡地に新しい建物が建設される予定とのこと。そのため2022年には現在の建物は解体されるという見込みが、ネット上の記事に散見されます。正式な情報はまだ発表されていないものの、レトロな雰囲気の駅前の風景は今が見納めのようです。
「新橋駅東口地区再開発協議会」のホームページによると、東口の再開発は、新橋駅の線路と外堀通り、第一京浜に囲まれた三角形のエリアで行われる予定とのことです。2020年には三井不動産株式会社と事業協力を締結したことが報告されています。現在は、土地の権利者や行政などとの連携をとりながら、どのような開発が行われるかを検討している段階のようです。同じく西口地区の開発も未定の部分が多く、今後新橋の街がどのような変貌をとげるのかは、引き続き見続けていきたいところです。
新橋の歴史を感じさせる鳥森神社
鳥森神社は、新橋駅鳥森口から歩いて2分ほどのところにあり、平安時代に起こった平将門の乱と深い関わりがある神社です。創設は天慶3年(940年)という長い歴史を持ち、商売繁盛・家内安全・技芸上達のご利益があると言われています。この神社では、毎年5月4・5・6日に例大祭が行われ、2年に一度の本社大神輿を楽しみにしている人も多いです。
名前の由来は「新しい橋」
「新橋」という名称は、汐留川に架けられた橋に由来します。かつて汐留川は、港区の虎ノ門や中央区の浜離宮沿いを経由して東京湾へと流れていました。橋が渡された年代は明らかにされていませんが、古い橋であったといわれています。もともとの橋より新しいということで、人々はこの橋を「新橋」と呼び、町名にも採用されたという話です。1710(宝永7)年には芝口御門の造営にともない「芝口御門橋」と改称されますが、1724(享保9)の御門消失により旧名「新橋」が復活しました。
どんな飲食店がある?
新橋周辺の飲食店で最も多いジャンルは和食で、1061件あります。次いで多いのが居酒屋で866件です。またバーなどお酒を提供するお店も589件と多く、全体的に飲屋街としての需要が高い印象です。フレンチやビストロなどは100件に満たず、和食や魚介系の需要が高いようです。
どんな業態が出店チャンス!?
新橋で新規に出店するなら、和洋を問わず『食事処』や『飲み屋』の出店チャンスが高そうです。競合店も多くなりますが、新橋に飲みにくる人の数も多いため、コンセプトやサービスで差別化を図るなど、オリジナリティを出して顧客獲得を狙う必要がありそうです。
周辺の主なスポット
・汐留シオサイト
・ヒビヤオクロジ
・日比谷グルメゾン
・日比谷公園
・日比谷シティ
・新橋ガード下横丁
・ニュー新橋ビル
・新橋駅前ビル
・ラ・ピスタ新橋
・浅野内匠頭終焉の地
・第一ホテル東京
・桜田公園
・日比谷神社
・鳥森神社
・新橋塩釜神社
・新橋住友ビル
・旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
・東急ステイ新橋
・レインボーホテル
・御成門中学校屋内プール
・ヤマハホール
・三井ガーデンホテル銀座プレミア
新橋に似た地域
浅草
新橋同様に飲屋街としての一面をもつ街に浅草があります。浅草寺をはじめとする下町風情溢れるスポット目当てに、海外からの観光客もたくさん訪れる街です。
新宿
新宿は23区内において最も飲食店が多い街の一つです。新橋と同じようにビジネス街としての一面ももつほか、繁華街として、観光地として多様な側面を持っています。
有楽町
新橋の隣駅である有楽町は、銀座や丸の内などおしゃれなエリアと隣接しながらも、昔ながらの面影も色濃く残るエリアです。駅前に繁華街が広がっている点も新橋と共通しています。
どんな客層?
【平日/昼】
ランチの平均単価は1,000円以下。昼間は、新橋駅のある新橋2丁目だけでも人口が1万人近く、1〜6丁目をあわせると5万人近くに達します。オフィス街のため、来店する客層も近隣で働く人たちが中心です。
【平日/夜】
ディナーの平均単価は3,000円~4,000円程度。客層は、新橋ではたらくビジネス需要も高いですが、飲屋街・繁華街として多様な人の流れが期待できるエリアです。
人口特性
新橋を含む港区の人口は、同区の調査によれば2021(令和3)年現在では、男性が122,111人、女性が136,925人であり、総人口は259.036人になります。
乗降人数(平均/1日)
2019(令和元)年度におけるJR新橋駅の利用者は、1日平均の乗車人数が278,334人、都営地下鉄が100,183人、東京メトロが247,103人、ゆりかもめが63,123人で、JRと東京メトロのユーザー数が圧倒的に多いです。
新橋の賃貸相場
新橋駅周辺の賃貸相場は、ワンルームが12.46万円、1Kが11.44万円、 1DKが23.22万円、2LDKが33.98万円となっています。港区全体の相場に近く、同区内としては平均的な家賃相場と考えられます。
新橋の店舗賃料相場
新橋の店舗賃料相場は、2020年7月現在、20万〜40万が最も多く全体の28.5%を占めています。次いで多いのが、100万以上で20.6%です。飲食店が密集するエリアだけに、家賃相場は平均的にも高めですが、20万未満から100万超まで、幅広い物件がまんべんなくある印象で、条件によっては安く手に入れられる物件もありそうです。
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