特集

飲食店開業までのスケジュールを確認しよう

目次
経営における成功の鍵はスケジュール管理から
大まかな流れから
開業するための物件探し
契約後の流れ
お店をオープンしたら

経営における成功の鍵はスケジュール管理から

飲食店を開業して経営を軌道に乗せるためには、スケジュール管理がキーポイントとなります。飲食店は、未経験でもはじめやすい業種のひとつともいわれています。コンセプトを明確にし、立地を考慮して開業すれば、それなりの売り上げが見込めるはずです。料理の心得がない人がいきなり凝ったコースを提供するフレンチレストランを開業するには勉強に時間がかかり過ぎますので、最初は軽食を出すカフェやラーメン屋、カレー屋などメニューがシンプルで売上げの目途が立ちやすいタイプのお店から始めるといいかもしれません。
では、どのような飲食店を開店したいのか、具体的にイメージができるようになったら、スケジュールも詰めていきましょう。飲食店開業を決意したからといって即座に開店ができるわけではありません。最低でも1年ぐらい前から計画を立てて準備をしていかないと、予想外の出費やトラブルに遭ってお店の運営が難航することにもなりかねません。

飲食店を開業して成功する率は全体の10%。10軒の飲食店のうち9軒はオープンから10年以内に潰れてしまうという統計が出ています。はじめやすい反面、自営業はなかなか厳しい職業でもあるということです。そのため、自分の経済状態がどうなっているのかなど、しっかりと考えたうえで開業に踏み切ることが大切です。

大まかな流れから

開業を決意したら、1年ぐらい前からしっかりとスケジュールを立てて準備を始める必要があります。以下にその手順を見ていきましょう。

1年前 事業計画・資金計画

開業のための事業計画と資金計画を立てます。飲食店開業にかかる費用は最低でも800万円と見ておくべきです。800万円の貯金があってすぐにでも使えるという人はそう多くはないと思いますので、融資してくれる相手を探すのが最初にすべきことです。
個人事業主に貸付けを行っているのは銀行か国民政策金融公庫です。これらの機関に融資を依頼する際には事業計画書というものが必要ですので、これを早めにダウンロードするか店舗でもらってきて下書きをしながらアイディアを固めていくと効率的です。

半年前 物件探し・従業員計画

物件探しは商売が成功するかどうかの大切なポイントです。立地が良くて人通りが多く、しかも新しくてきれいな物件は理想といえば理想ですが、それだけに家賃が高くなるのは否めません。資金は無限にあるわけではありません。できるだけ家賃が高い安くてコストパフォーマンスのいい物件をこまめに探していく必要があるでしょう。

開業するための物件探し

では、飲食店を開業するための物件探しを、もう少し詳しく見ていきましょう。

居抜き物件とスケルトン物件

もともと、飲食店の店舗として使用され、内装や設備などそのままになっている状態のものを、居抜き物件といいます。反対に、内装や設備など、何もない状態のものをスケルトン物件といいます。開業資金を節約したいのであれば、厨房が既にできあがっている居抜き物件のほうが断然お得です。新たに厨房内のガスや水回りの工事をしたり、厨房設備を買ったりする必要がないので、ときには数百万円の節約になることもあります。条件のいい居抜き物件はすぐに借り手がついてしまうので、毎日チェックしていいものが見つかったらすぐに業者と連絡を取るようにしましょう。

この頃になったら、従業員計画も進めていかなければなりません。テーブルがなく、カウンターだけの小さなお店であれば自分と配偶者一人ぐらいでも切り盛りしていけますが、テーブルが3〜4席ある大きさだと、どうしても3人ぐらいのスタッフがいないとお客さまの回転率を上げることができません。
飲食店というのは1日中忙しいわけではなく、お客さまが集中する時間帯が決まっていますので、その時間帯だけアルバイトを雇うようにすれば人件費を節約することができます。
調理を従業員に任せるのであれば、調理師の確保も重要な仕事です。ありきたりの一般的なメニューを出すのではなく、スパイスの効いたエスニックカレーのお店をやろうと考えている場合などは特に調理師の腕が大切になってきます。腕とセンスのいい調理師を抱えていれば、それがお店の特色ともなり得ますので、人選には力を入れたいところです。

いい調理師を雇うにはそれなりのお給料を払わなければならず、ボーナスなども加算しなくてはなりません。さらに営業形態によっては社会保険に加入する義務が出てきますのが、飲食店の場合、法人ではなくて個人経営であれば社会保険に加入する義務はありません。ただし従業員が1人以上いれば労災保険と雇用保険には加入する義務がありますので留意しておきたいものです。労災保険料率は4/1000ですから、年間で200万円の賃金を払った場合の労災保険料は8,000円です。雇用保険料率は15.5/1000となっていますので、31,000円が支払わなければならない雇用保険料となります。

契約後の流れ

3ヶ月前 各種届出・販売ツール・物件契約・内装施工・人材募集・集客

飲食店は食品を扱う商売ですから、保健所に「食品営業許可申請」というものを届ける義務があります。さらに消防署に対しては「防火対象設備使用開始届」「火を使用する設備等の設置届」を提出します。お店の収容人数が30名を超えるような店では「防火管理者選任届」も必要になってきます。この30名というのは従業員も含めた人数であるということに注意します。防火管理者の資格を取得するためには消防署で実施している講習会を受講しなければなりません。講習会の受講費用は3,000〜5,000円程度ですが、1ヶ月に一度かそれ以下の頻度でしか開催していませんので早めに受講しておかないとオープンに間に合わなくなります。

店舗の内装準備にはかなり時間がかかるものですから、物件の契約も少なくとも開店の3ヶ月前までには済ませておきたいものです。家賃を余分に払うのが惜しいからといってあまりぎりぎりに借りてしまうと内装工事が予定に間に合わず、開店が遅れるといったアクシデントに見舞われる可能性もなくはありません。
内装施工に関しては業者に任せきりにせずに、時間の許す限り工事に立ち合うことも重要です。
従業員を何人雇うか、時間帯はどうするかなどを決めたら求人サイトに広告を出しておくのも忘れないようにしましょう。よい人材を確保すればお店にとってもかなりのプラスになります。

お店をせっかく開店しても、集客が下手だと人は集まりません。チラシを配るなどさまざまな工夫をしてお店の存在をお客さまにアピールすることが大切です。オフィス街の近くにあるのなら、ポスティングもかなり効果があります。チラシをただ入れておくだけではなく、「チラシを持参すると◯◯がお得です」といったような付加価値を付けるとさらにいいですね。
また、インターネットも商売戦略上の強力な武器ですからFacebookやTwitter、ホームページなどを充実させていくことにも力を注ぎましょう。
販促はオープン後に考えればと思いがちですが、事前にしっかりと計画しておくことでスムーズな集客ができます。

お店をオープンしたら

オープン後も売上・人員など全てにおいて計画的に管理

念願のお店をオープンまで漕ぎ着けられたからといって安心していてはいけません。開店後、いかに上手にお店を運営していくかが成功への道のカギとなるのです。
実際に営業を始めてみたらオープン前の試算とは違って従業員がもっと必要になった、メニューの金額ではとても採算が合わないなどの修正事項がいろいろと出てくるのは当たり前です。
毎日改善できる点はすぐに改善し、「こうやれば売上げが伸びる」「このメニューを加えればお客さまが増える」などアイディアを絶やさず努力していくことが大切です。

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