街レポート
千代田区|神田はどんな街?居抜きの物件で飲食店開業するための街情報
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神田は東京駅と秋葉原駅の間にある千代田区の街です。住宅よりもオフィスビルや飲食店が多く、ビジネスマンの街として知られています。一方で下町としての歴史や風情もあり、まるで昭和にタイムスリップしたかのような懐かしい雰囲気を感じられるエリアです。
神田周辺の地域情報や人気スポットなどその魅力をご紹介します。
オフィスとサラリーマン御用達の飲み屋街のある街
神田は千代田区の中心に位置しています。オフィス街としての側面を持つ一方で居酒屋などの飲食店が充実しています。JR神田駅のガード下には立ち飲み屋がここ数年で新規オープンするなど、昔懐かしいレトロな雰囲気が漂う街です。昼間は近隣オフィスで働くサラリーマン・OL向けのランチタイムを提供する居酒屋も多く、夜と同じく安くて美味しいコスパが良いお店が人気です。
東京駅や秋葉原駅の隣にあり交通アクセスが良好な立地
神田は交通アクセスが良好な街です。JR山手線・京浜東北線・中央線と、東京メトロ銀座線の4線を使うことができます。JR線の1駅隣は東京駅や秋葉原駅となり、徒歩で行くことが可能。さらに丸の内や大手町といったオフィス街へもスムーズに移動できます。
新宿までは中央線快速で12分、池袋までは山手線で22分、渋谷までは銀座線で22分と、主要駅にも足を運びやすくなっています。
雑居ビルや居酒屋が多く、レトロ雰囲気漂う街並み
神田はサラリーマン・OLを見かけることが多いオフィス街です。ただ高層ビルが立ち並ぶ大手町や丸の内、新宿などのオフィス街とは異なり古くからある小さい雑居ビルやせいぜい10階程度くらいのビルが立ち並ぶという具合に、昭和のビジネス雰囲気がたっぷりのオフィス街になっています。
神田のある千代田区は日本でも有数のオフィス街のひとつですが東京23区内の中で世帯人口が一番少ない区で住宅はそれほど多くは見かけません。神田は千代田区の中で比較的世帯人口が多いエリアではありますが、近隣から通勤通学で訪れて昼間に働いたり学校へ通ったりする人が多く訪れる街と言えます。
神田駅のJR線をはさんだ東西エリアは飲食店が多くにぎやかなスポットです。
西口を出てすぐの場所には「神田駅西口商店街」という約100件の店が立ち並ぶ商店街があります。飲食店をはじめ、薬局や傘店、酒屋、呉服店、靴店など昔ながらのお店がずらりと並んでいて地域住民や飲食店で働く人にも使い勝手が良いです。東側に比べて買い物しやすいエリアです。
どんな本でもそろう古書店街がある神田神保町
神田神保町は176軒もの書店が集まる世界有数の“本の街”です。「三省堂書店」や「東京堂書店」、「書泉グランデ」といった大型書店をはじめ専門書や珍しい古書を扱う古本屋な
ど、規模やジャンルもさまざまなタイプの書店がありあらゆる本が売られています。
大型書店では新刊本や普通はあまり見かけないマイナー雑誌までそろっていて、神保町へ行けばどんな本でも揃うと言われています。
また神保町は昔ながらの喫茶店や、カレー屋、ラーメン屋が多いことでも有名です。大学などの学校が周辺に多いことから、安くて美味しい飲食店にはランチタイムには行列ができていることもあります。
最近ではInstagramの「インスタ映え」にもなる風情のある喫茶店や古書店街のある路地裏で写真を撮ったり、カレー屋巡り、ラーメン屋巡りを休日に楽しむ人が訪れることが多くなっています。
神保町の書店街では「神保町ブックフェスティバル」や「神田古本まつり」といった本にまつわるイベントが充実しています。
「神保町ブックフェスティバル」では神保町にある書店が集まり本のワゴンセール・朗読会・文学に関する講演会など本好きにはたまらないイベントが目白押しです。ほかにも地元の学校の吹奏楽部による演奏や屋台出店も行われるなど、賑やかなお祭りです。
神田古本まつりは、年に1回の本の一大イベントです。100万冊もの本が靖国通り沿いの歩道に並ぶ「青空古本市」や古書店の有志による展示即売会「特選古書即売会」、オークション形式で有志書店選りすぐりの本を買える「チャリティー・オークション」が開催されてこの期間の週末のお昼は書店前に人の山ができます。
日本三大祭りの一つ神田祭が行われる「神田明神」
神田で有名な人気スポットといえば約1300年近くの歴史を持つ「神田明神」です。江戸時代には庶民だけでなく将軍にも崇拝され、江戸総鎮守として崇められてきました。縁結び・商売繁盛・勝運といったご利益があると言われています。
そんな神田明神で行われる「神田祭」は、京都の祇園祭や大阪の天神祭と並ぶ“日本三大祭り”のひとつです。各町のお神輿が街を練り歩き平安装束や鎧兜を着た人々が時代行列やお囃子行列をします。海外からの見学客も多く都内有数の大規模なお祭りとなっています。
また神田祭の期間以外にも、例年8月に行われる「納涼祭り」では境内に食べ物の屋台が立ち並びます。都会の真ん中とは思えないほど風情のある様子で子ども連れのファミリーやカップル、友人同士など、たくさんの人が訪れて夏祭りを楽しむ穴場スポットです。
氏子に秋葉原電気街をもっている神田明神ではパソコンや携帯電話の安全を守るお守り「IT情報安全守護」の授与をしていることでも有名です。近年ではアニメ『ラブライブ!』の中で神田明神が登場したことで、実在の場所を巡る「聖地巡礼」(※ファンがアニメなどの舞台になった実際の場所を巡ること)のスポットとして人気になっています。絵馬やお守り、ストラップやキーホルダーなどのコラボグッズも取り扱っています。
個性豊かなエリアが集まる街
神田周辺には個性豊かな表情が見られる人気スポットがたくさん集まっています。昔ながらの風情が特徴的なエリア、再開発により歴史と現代が融合したエリアという具合に周辺エリアを巡ればさまざまな街並みを見ることができます。
駅の跡地を利用した「マーチエキュート神田万世橋」
神田周辺の人気観光スポットの一つに「マーチエキュート神田万世橋」があります。こちらは1943年に廃止された万世橋駅の跡地を利用した商業施設です。
高架下をそのまま使用していて、赤レンガ造りの外観が印象的な施設です。中にはショップやレストランが軒を連ねています。万世橋駅の開業当時からある「1912階段」や、駅が使われていた頃のジオラマもあり鉄道好きにはたまらないスポットとなっています。
単に鉄道好きの目を引くだけでなく中に入っている飲食店はクオリティも高く、周辺で働く人などにも人気です。
伝統を受け継ぐ「神田鍛冶町」、「神田紺屋町」
神田の街はそれほど広くありませんが「神田神保町」のように周辺には歴史を感じさせる個性豊かなエリアが集まっています。
「神田紺屋町」は北乗物町を挟んで南部と北部に分かれている地域で染め物が盛んに行われてきました。昔から続く染め物職人が現在でも活躍しています。「神田鍛冶町」は名前の通り鍛冶の街として栄えてきました。現在は商店の多い生活しやすい地域となっています。同じ神田でも場所によって印象が変わりますがどの地域も伝統を感じさせる街並みが残されています。
どんな飲食店がある?(1km圏内)
神田にある飲食店を確認すると居酒屋が1362件、和食が1336件ともっとも多くありました。“飲み屋街”と呼ばれる通り、やはり神田にはお酒を飲める店舗がたくさんあるようです。次に多かったのは473件のBARや、433件のカフェでした。昭和の時代から営業を続けておりサラリーマン・OLに愛されるような昔ながらのレトロな雰囲気の店舗が集まっているのが特徴です。
どんな業態が出店チャンス?
神田にお店を出店するなら「ビジネスマンをターゲットにした喫茶店」がおすすめです。朝は出勤前のビジネスマンを狙い簡単に食べられるモーニングを用意しましょう。オフィスで食べたい人向けに、テイクアウトも用意するといいでしょう。ランチは分煙による喫煙可にして食後の一杯を提供しましょう。回転率を上げるために足腰の疲れる長椅子は喫煙席に、ソファー席やテーブル席など長いできる席は禁煙にするといいかもしれません。夜は駅前でバーとしても利用できるようにお酒の提供する事でさらに客足が伸びるかもしれません。
神田の歴史
神田は皇居のほど近くに広がる街です。1590年に江戸に幕府が開かれる際、幕府は西北の方向に有力な大名屋敷を置き、東・南・北の低湿地帯には町家を集めました。東の日本橋から、やや北の神田へかけては魚河岸や青物市場が開かれたこともあり商人や職人の街として発展します。神田の下町らしい活気溢れる雰囲気は、この時代から受け継がれています。
「神田」という地名は、神社に納める稲を作るための田んぼ「神田(しんでん)」に由来します。現在の神田エリアにはかつて神社の所有する田んぼが多くあったと考えられています。ちなみに神田神保町や神田岩本町といったように“神田”の付く地名が多い理由は、旧神田区と旧麹町区が合併して千代田区になる際に住民が神田区という名前が無くなることを惜しんだためだと言われています。
周辺の主なスポット
・学士会館
・神田駅西口商店街
・mAAch ecute(マーチエキュート)神田万世橋
・神田明神
・阿久悠記念館
・神田ふれあい商店街
・丸石ビルディング
・日本銀行
・鎌倉橋
・神田さくら館
・神田外語学院
・明治大学駿河台キャンパス
・日本大学理工学部駿河台キャンパス
神田に似た地域
新橋
神田と新橋はレトロな居酒屋が多い点で似ています。ガード下には昔ながらの串焼き屋やもつ焼き屋が軒を連ねています。
飯田橋
飯田橋も神田と同じようにオフィスビルがたくさんある地域です。特に出版関連や教育関連の企業が多く並んでいます。
荻窪
神田は古書街として有名ですが、荻窪も“本の街”と呼ばれています。質の高い古書店や、サブカル系に強い書店といったように、珍しい本が見つかるエリアです。
どんな客層?
【平日/昼】
平成27年度国勢調査によると神田のある千代田区の昼間人口は853,068人です。ランチタイムの客層は周辺で働くビジネスマンが中心。気軽に利用できるように、このエリアのランチ平均価格でもある1,000円以下に設定することをおすすめします。
【平日/夜】【土日】
平成27年度国勢調査によると千代田区の夜間人口は58,406人です。通勤してきた方たちが一斉に帰宅し大きく人口が減ります。夜には地元住民の飲食店利用が増えますが家賃の高い神田に住んでいる方は富裕層が多いため、ディナーの平均価格は3,000~4,000円です。
人口特性
神田が位置する千代田区の人口は平成31年3月の時点で64,098人となっています。地域によっては男女比に若干の偏りがあるものの、全体としては同じくらいの比率です。中でも神田は単身世帯が多い地域として知られています。
乗降人数
2017年度における神田駅の1日平均乗降人数は、R東日本神田駅が103,940人です。津田沼駅に次いで39位となっています。また、東京メトロの平均乗降人数は 60,720人で、東京メトロの130駅中で67位と、乗降人数で見ると中間よりやや多めの利用客と言えるでしょう。
神田の賃貸相場
神田の賃貸料金は、都内の中でももっとも高い部類に入ります。家賃相場はワンルームでも10万円前後、2LDKの場合だと25万円ほどです。家賃が高いことに加えてスーパーが少ないため、神田に住んでいる方は多くありません。住人よりもビジネスマンや観光客が多いエリアです。
神田の店舗賃料相場
神田の平均坪単価は26万円ほどです。月に20~40万円の家賃を払っている方がもっとも多くなっています。次に多いのは40~60万円で、やや高めの家賃を払っている方も多いようです。1割にあたる方は100万円以上の家賃を払っています。
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