インタビュー

現場で学び、活かす力が生み出す 新しいジャンルの開拓

目次
実践という研究をかさね、安定ではなくさらなる挑戦へ
店舗情報【】

東京・神田で味わえる、 本場・南インドで修行した味

東京・神田。外堀通りを渡り、道に面したレンガの壁の店「スパイスボックス」。ここは2016年1月にオープンした南インド料理の店。南インド料理とはあまり聞き馴染みのない料理だが、普通のインド料理とどう違うのか。ドロッとした濃厚なタイプのルーに、ナンやチャパティなど小麦の主食を組み合わせるのが、日本では比較的ポピュラーなカレー。分類するとそれは北インド料理になる。南インド料理は主食が米。ルーの具材も野菜が多く、あまり知られていないが日本のカレーと少し似ている印象が持てる。

そんな知る人ぞ知る南インド料理を、なぜ神田でやろうとしたのか。それは個性的な経歴を持つオーナーシェフ・斗内さんが語ってくれた。斗内さんはまずフランス料理の店で大学時代アルバイトを積み、そこから社員として勤務した。次に一度サラリーマンとして、2015年11月まで勤めていた際に、営業でよく行っていたのが神田だった。

「神田を選んだ理由としては、常に人通りがあるため。ランチタイムはビジネスマンが街に溢れるし、なによりこの地域を知っていたからです。」と語る斗内さんは、退職後にインドへ向かった。五つ星ホテルのレストランで修行をしながら、料理の専門学校に通った。本場インドで料理を学んだ斗内さんの店「スパイスボックス」。 カレーマニアにはすでに注目されているようだ。

さまざまな人々に来てほしい オーナーの思いの詰まった店づくり

店を作るにあたって斗内さんが大切にしたコンセプト。それは“日本人がやっている”インド料理のレストランということ。「普通のインド料理の店っぽくない店にしたかったんです。店内もインド料理っぽいイメージを感じさせないようにオシャレにしたり。日本人がやっているというのを売りにしたかったんです。」

店名の「スパイスボックス」は、インドの調味料入れのこと。さまざまなスパイスを混ぜて入れることから、さまざまなお客様に来てほしいという願いが込められている。店名の由来どおり、幅広い客層に来店してもらうべく、店づくりには斗内さんのこだわりが垣間見える。外観は、カフェのように見える落ち着いた色のレンガの装飾。それも斗内さんのこだわりの一つ、“昔からあったかのようなビンテージ感“を出している。内装も、棚には数々のスパイスが入った小瓶を可愛く並べている。女性客が入りやすいよう工夫しており、カレーを出されなければ入店してもまだカフェと間違えてしまいそうだ。

斗内さんのこだわりはそれだけではなく、メインの料理にもこだわりがある。通常インド料理のレストランではインド米を使用することが大半であるが、この店では日本米を使用する。羽釜で炊き上げるのは東北産の金賞受賞のひとめぼれ。夜はインド米ジャスミンライスで提供するなど、区別をつけている。「日本のカレーは丸、インドは三角、ここのカレーは五角形なんです。」と斗内さん。インド本来のスパイスの辛さや味わいは残しつつ、日本に浸透してゆきやすい馴染みやすさがあるカレーとなっている。

実践という研究をかさね、安定ではなくさらなる挑戦へ

 オープンしたての「スパイスボックス」だが、早くもリピーター続出らしい。ランチタイムには外で待つ人が出てきてしまうことも。「カレーの種類が多いので、制覇を目指して通う人、週4で来店してくださる方もいますよ。」斗内さんのこだわりと熱意は、上手くお客様に伝わっているようだ。

 今後の目標は全国に10店舗拡大すること。「昼メインの店舗、夜メインの店舗など、業態を変えて出してゆきたいです。チェーン店のようにどこも同じような店舗ではなく、その地域によって合わせた店舗を作りたいです。」そのためにさまざまなことに挑戦している斗内さん。プレオープンの時はテイクアウトのランチに挑戦。やはりオフィス街ということで好評だったそう。そんなテイクアウトもそろそろ復活する予定。新たなリピーターを生むのは確実だろう。

(取材日:2016年1月27日)

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