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東京で飲食店開業するなら知っておきたいエリアと立地の基礎知識 ~ビジネス街編~ | 飲食店舗・開業ノウハウ

目次
「ビジネス街(オフィス街)」とは
ビジネス街に飲食店を出店するメリット・デメリット
東京のビジネス街エリア情報

飲食店の開業希望者に最も人気の高いエリアが、ビジネス街(オフィス街)
中でも、ビジネス街の駅前立地は激戦区で、運よく物件を見つけたとしても申込みが殺到し、競合負けとなるケースも少なくありません。

そして、 東京都においては、大きく分けて16ものオフィス街が存在
日本屈指のビジネス街である 丸の内・八重洲エリア をはじめとし、官公庁関連や海運業界、その他外資系企業が根付 く 霞が関・虎ノ門エリア 、全国展開企業の本社や外資系企業の日本法人が数多く拠点を構える 品川エリア 、出版関連や教育関連の企業が目立つ 九段下・飯田町エリア 、繁華街と混在する 六本木、赤坂、新宿、池袋 など、そのほとんどが東京都心部に集中しています。

しかし、ビジネス街と一つに括っても、各エリアごとに異なる特徴を持っています。
そこで今回は、ビジネス街において飲食店を出店するメリット・デメリット、あわせて東京都内でビジネス街とされるエリアの情報について詳しく解説していきます。

「ビジネス街(オフィス街)」とは

「ビジネス街(オフィス街)」とは、一般的に、 都市部において会社などのオフィスビルや事務所が集中しているエリア を指します。

ビジネス街の多くは、交通の利便性が高く、電車やバスなどの各種交通網が充実。付随して、カフェやコンビニ、金融機関などの施設が充実していることも特徴の一つです。

ビジネス街に飲食店を出店するメリット・デメリット

飲食店を出店する際にはエリアの特性を把握しておくことが大切。ここからはビジネス街に飲食店を出店するメリット、デメリットの両面からみていきます。

メリット

ランチ需要の高さ

ビジネス街は、 平日のランチタイムに行列を獲得するチャンスが大きい エリア。サラリーマンやOLのお昼休憩はわずか1時間と短いため、1人当たりの客単価を上げることは難しいですが、 回転率を上げることで売上を伸ばす ことができます。

顧客が出入りしやすい間口と動線、注文・提供スピード、決済の簡略化など、来店からご帰宅までの流れがスムーズに運ぶよう配慮することで、顧客の絶えないお店を目指しましょう。店舗の内装に関しては、大人数が座れるテーブル席よりも二人用のテーブル席、1人用のカウンター席を優先したレイアウトをおすすめします。

飲み会需要の高さ

ビジネス街における出店メリットは、ランチタイムだけではありません。
夕方~夜にかけては、食事やお酒の場を求めて街中を歩くお勤め帰りのサラリーマンやOLが多くみられます。月~木曜日は手短に立ち寄る 「ちょい飲み需要」 、金曜日には休日前夜で飲み歩く 「華金需要」 が存在し、営業スタイルによって大きく集客を見込むことができます。

デメリット

土・日・祝における人通りの少なさ

月~金曜日の平日にはサラリーマン・OLで賑わうビジネス街ですが、エリアによっては土・日・祝の休日に人通りが大きく減少するのも特徴的。

繁華街や住宅街、観光地などが混在しているエリアでは休日においても一定数の人口が確保されているため、客足の懸念点は小さいですが周辺地域一体がオフィスや雑居ビルのエリアでは認知度があるお店でなければ来店を見込むのは難しいといえます。

賃料や人件費の高額相場

ビジネス街では 物価や人件費が高い ほか、飲食店出店者からの需要が非常に高いため、 家賃相場は坪単価2万5000円~3万円と、物件にかかる費用も高額 になる場合が多くあります。

競合の多さ

ビジネス街は他エリアと比較し、 飲食店の出店数が多い分、物件取得および顧客獲得の競争が激しくなっています

物件取得にあたっては、多くのビジネスマンが行き交うメイン通りや駅前立地に集中して出店希望者が手を挙げ、内見から契約までのスピードが1週間程度となるケースもしばしば。”またすぐに空きが出るだろう”とタイミングを伺っていても、なかなか見つからずに 物件探しが長期化 している出店希望者はよくみられます。

また、やっとの思いで物件を取得し、いざオープンしても競争が激しい環境。長期経営を目指すのであれば、事業計画やコンセプトを確立させるほか、 顧客の回転率を考慮した戦略を十分に練った上で営業する必要性 があります。

東京のビジネス街エリア情報

競合必至の人気エリア

新橋

国内初のSLが開通した街として駅前のSL広場にはサラリーマンが多く集い、昼間人口41万人超と都心部の中でも人口密度の高い新橋。東の汐留方面には電通、日本テレビ、パナソニックなどの名だたる企業の本社が君臨し、西の日比谷・烏森方面には古くから続く商店街ともに中小企業のオフィスが林立するビジネス街。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
JR 27万8334人
東京メトロ 24万7103人

その他、都営地下鉄線:10万183人、ゆりかもめ:6万3123人

店舗賃料相場 (2021年度)】: 平均坪単価 31,746円
【飲食店舗数(2021年度 ※港区)】:5,351店舗
【主要スポット】:新橋SL広場、汐留シオサイト、ニュー新橋ビル
【飲食店の特色】:JR高架下から辺り一帯に林立する雑居ビルには大小さまざまな飲食店が混在。サラリーマンの聖地であることから、 長年親しまれている定食屋 や焼鳥・もつ焼きなど 低価格の大衆酒場 が多い。

五反田

オフィスに加えて交通量が多く、歓楽街としても賑わいをみせる一方で、駅から少し離れた場所では暮らしやすさも兼ね備えている五反田。昨今「ポスト渋谷」として注目を集め、「五反田バレー」と称されるまでにスタートアップ企業やITベンチャー企業が多く進出しているビジネス街。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
JR 14万265人
都営地下鉄線 3万5236人

その他、東急電鉄:7万8253人(2020年度 ※乗降人員)

店舗賃料相場 (2021年度)】: 平均坪単価 26,836円
【飲食店舗数(2021年度 ※品川区)】:2,711店舗
【主要スポット】:アトレヴィ五反田、TOC東京卸売センター、清泉女子大学
【飲食店の特色】:若い企業を取り持つビジネスの拠点であることからネオ大衆酒場や立ち飲み屋、ダイニングバーまで 多種多様な飲み屋 が多く軒を連ねる。同時に、高級住宅街を有する生活拠点でもあることから、 パティスリーやブーランジェリー、フレンチといったオシャレな店舗 が地域に根付き、美食の発信地としても知られている。

比較的賃料相場の低いエリア

茅場町

東京証券取引所を中心に、証券会社が集まる日本屈指の金融街として知られる茅場町。大通り沿いに高層ビルが並ぶ都会的な街並みとなっているが、単身者や出張でのホテル利用客が多く滞在し閑静で気品あるビジネス街。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
東京メトロ 12万9424人

店舗賃料相場 (2021年度)】: 平均坪単価 24,054円
【飲食店舗数(2021年度 ※中央区)】:5,003店舗
【主要スポット】:東京証券取引所
【飲食店の特色】:ランチ需要が非常に高く、夜間においては人通りの減少がみられるが、 おひとり様ニーズに対応した落ち着いた雰囲気のバルや立ち飲み屋 は人気となっている。

麹町

中小企業のオフィスが多く林立しているが、古くから高級住宅街としての一面を持ち、学校や文化施設が充実した文教エリアでもある麹町。皇居やホテルニューオータニ日本庭園などの自然観光地も近く洗練された雰囲気のオフィス街。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
東京メトロ 6万5607人

店舗賃料相場 (2021年度)】: 平均坪単価 21,659円
【飲食店舗数(2021年度 ※千代田区)】:3,507店舗
【主要スポット】:千鳥ヶ淵、靖国神社、皇居、上智大学
【飲食店の特色】: 昼夜の人口差が激しく時間帯によって客層も大きく異なる 為、 オフィスワーカーに人気のリーズナブルなランチのお店 から、 富裕層をターゲットとした高級店 まで幅広い飲食店がそろっています。

意外と知られていないABC店舗おすすめエリア

大塚

下町情緒を残しながらも、再開発で進化する大塚。駅北口には大通り沿いにオフィスビルやビジネスホテルが林立する都会的な景観となっているが、駅南口では長年地域に根付く商店街が広がっており、生活利便性の高い街として住宅地が混在するビジネス街。

【1日の平均乗降人員(2019年度)】
JR 5万8882人

その他、都電荒川線「大塚駅前」:7,990人(2020年度 ※乗降人員)

店舗賃料相場 (2021年度)】: 平均坪単価 22,278円
【飲食店舗数(2021年度 ※豊島区)】:2,674店舗

【飲食店の特色】:大手チェーン店は少なく個人店がほとんどであるが、 食べログ百名店に選出されるお店が多く、専門性の高い料理が揃う 。また、大塚のれん街のほか、 長年親しまれている居酒屋も多く 地域住民で終日賑わっている。

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