特集

【飲食店開業】バーで開業を目指すなら | 飲食店舗・開業ノウハウ

目次
多様化するバーの出店形態
バー経営者の平均年収
バー経営に必要な資格・届け出とは
バー経営にありがちな失敗例
おわりに

「酒場」「居酒屋」といった意味を持つBAR(バー)
夜の街に一歩繰り出せば、数多くの店舗が軒を連ねています。
昨今では、カクテルメインのバーだけでなく、ビアバーや日本酒バーといった特定のお酒に特化したカジュアルなバーもみられます。そんな多様化するバー業界に憧れを抱き、「将来は、バーを開業してみたい」と考えている方も増えているのではないでしょうか。

今回は、そんなバーでの開業に焦点をあて、気になる年収から開業に必要な資格まで誰もが気になる疑問を紐解いていきたいと思います。

多様化するバーの出店形態

多様化するバー業界では、時代とともに次々と新しいジャンルのバーが生まれてきたため、現在「バーとは何か?」を定義するのはなかなか難しくなっています。
そこで、まずはバーの様々な形態について少し整理しておきます。

ショットバーとダイニングバー

お酒を提供するバーは、大きく分けて「ショットバー」と「ダイニングバー」の2種類に分類することができます。

おそらく皆さんがバーと聞いて最初にイメージするのは、数多くのお酒が棚にならび、バーテンダーがシェイカーを振って提供するカウンター中心のバーなのではないでしょうか。そのようなバーを、「ショットバー」といいます。ショットバーの「ショット」は、「一杯のアルコール飲料」という意味で、ボトルキープをせずに一杯ずつお酒を提供するタイプのバーということになります。一般的にお酒が中心のショットバーでは、ナッツや乾物など軽いつまみとなる料理の提供のみでメニュー数は少なくなっています

一方で、お酒だけでなくきちんと調理を行ない料理にもこだわって提供するバー「ダイニングバー」といわれています。昨今の飲食店の開業においては、メニューの幅に縛りがないことから「ダイニングバー」を出店業態とするケースが増えています

カフェバー

バーの中でも「カフェバー」は、ちょうどバブル期を迎えた80年代の日本で流行したバー形態の一つで、確固たる定義はありませんが、昼間にはコーヒーを提供するカフェ、夜間はお酒を提供するバー、といったように終日での営業を行なっている店舗のことを指します。なお、こちらもダイニングバーと同様に、お酒だけでなく料理の提供がきちんとなされることが一般的となっています。

バー経営者の平均年収

バーを開業したいと思ったら、まず最初に気になるのが収入です。
きちんと自分が生活をしていけるのか、家族を養っていけるのかは、開業に踏み切るまでの重要な判断基準になるのではないでしょうか。

まず結論から申し上げると、バー経営者の平均年収は300万円前後と言われています。

これを聞くと、「意外と少ないな」と落胆する方が多いのではないでしょうか。
バー経営者の年収が低い理由の一つには、営業時間が関係しています。夜間を中心に営むバーは、他業態が売上を立てるランチタイムやカフェタイムの集客がない為、限られた短い時間の中で売上を立てなければなりません。さらに、料理よりもお酒を求めて来店する顧客が多いことから、客単価が伸びないことも大きな要因となっています。
特に、開業はじめの初年度は物件取得や内外装工事等に充てた初期費用の負担が大きく集客にも時間がかかる為、得られる収入は通常よりも少なくなることを頭に入れておかなければなりません。

とはいえ、バーで最も重要なのは対人スキルです。お酒に関する知識や腕が確かであることももちろん大切ですが、バーという業態で一番に求められる資質はコミュニケーション能力。そのスキルに長けているのであれば、「この人に会うためにお酒を飲みに行く」といった常連客や富裕層の固定客を掴むことができ、売上を上げることも可能です。バーを経営しながら安定した収入を得たいのであれば、より多くの常連客をつけることがカギとなりますので、対人スキルを磨くことにも尽力しましょう。

バー経営に必要な資格・届け出とは

食品衛生管理責任者資格の取得と飲食店営業許可の届け出

飲食店を開業するときには、全業態共通で「食品衛生管理責任者資格」の取得と「飲食店営業許可」の届け出が必須となります。ちなみに、飲食店営業許可を各市町村が指定する保健所へ提出する際に、食品衛生管理責任者の資格が必要になるため、「食品衛生管理責任者資格」取得後に「飲食店営業許可」を提出するという流れがよいでしょう。

深夜酒類提供飲食店営業開始届

バーという業態では、24時を超える深夜営業を行う店舗が多いかと思いますが、深夜に酒類を提供する場合には「深夜酒類提供飲食店営業開始届」が必ず必要になります。しかし、この届出においてはいくつかの条件を満たす必要がある為、事前に確認をしなければなりません。

その確認事項の一つが、用途地域です。
そもそもお店のある地域が、深夜に酒類を提供してよい地域なのかを確認する必要があります。よく不動産情報を見ていると、「第一種低層住居専用地域」などといったように、そのエリアが住居、商業、工業など、どのような用途に適しているかを定めた地域種別が書かれていると思います。ご自分の開業する店が、「住居専用地域」または「住居地域」以外の地域であることを確認してから、届け出を提出しましょう。

また、もう一つ気を付けたいのが、客室の設計です。
もしも2室以上の客席にしたいと考えている場合は、1室あたりの客室面積が9.5㎡以上になるよう設計する必要があります。この規定を知らないままに内装工事を行い、許可がおりなかったという事態は避けたいので、深夜に酒類を提供したいと考えているのであれば、設計の段階から頭に入れておきましょう。
また、客室は1室であったとしても、1メートル以上のパーテーションや椅子などがある場合は、それらが見通しを妨げる障害物とみなされてしまいます。面倒を防ぐためにも、このような場合ははじめから2室あるものとして申請しておくほうが無難です。

深夜酒類提供飲食店営業開始届の申請方法については
こちらの記事をご参照ください。
https://www.abc-tenpo.com/contents/knowhow/10467.html

バー経営にありがちな失敗例

開業前の準備期間ももちろん大切ですが、開業してから固定客をつけていくまでが、その後のバーの成功を左右する重要な時期になります。何をもって成功とするかは、ご自分が目指すバーによっても変わってきますが、これはやってはいけないという大前提は、どんなバーにも共通していると思います。ここでは、バー経営で、これだけはやってはいけないという事例をいくつかお伝えしたいと思います。

不衛生な環境

飲食店に関して当たり前のことといえますが、店内にゴミが放置されている状態で営業している店舗や、虫やネズミの出てくるような店舗には絶対に行きたくありませんよね。お客様にしてみれば、わざわざお金を払ってお酒を飲みに来ているのですから当然のことです。しかし、トイレ等の水回りや陳列棚など実際に飲食をする場以外での衛生面が損なわれている店舗は少なくありません。前述した通り、バーというのはお店の空間が重要視される業態。その点、特に衛生面では注意を払う必要があります。

財務管理不足

そして、店を経営していく上では財務管理も必要です。飲食店を経営するにあたっては、月々の売上目標をクリアし、最小限のコストで営業していくことを考えなければなりませんが、バーの経営者の中には顧客に見合わない高額なお酒を仕入れたり、お酒の仕入れ量を誤ったりと、不必要なコストに運転資金を削っている方もいらっしゃいます。そのような経営体制では、お店の運転ができなくなり経営破綻に陥ってしまいます。特に、開業して間もない時期では収益を立てることが難しく、初期費用の回収に追われてしまうことが多い為、一日ごとの売上目標数値と実際の売上げを照合しながら計画的に管理していくことを徹底させましょう。

おわりに

バーは、他の飲食店に比べてより高度な対人スキルが求められる業態です。
同じ酒類を提供する居酒屋とは異なり、対面での接客が多いことや、年齢層の高い方・富裕層の方の来店が大いに考えられるからです。
接客における注文ミスや失礼な言葉遣いは無論、お店の品格やその後の集客に大きく響く可能性もありますので要注意。
店員との会話をたのしみに来店するお客様の期待に応えるべく、日々努力していくことが固定客を増やすことにつながっていきます。自分のお店であると同時に、お客様の居場所となることを頭に入れ、謙虚な姿勢で営業していくことが成功への近道となるでしょう。

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