特集

【独立開業を目指す方へ】飲食店経営者は儲かるの?気になる年収とその特徴

目次
”独立して開業しようかな”と思ったら
会社員の平均年収
飲食店経営者の平均年収
年収の高い飲食店経営者の特徴
リスクを避けるための事業計画

”独立して開業しようかな”と思ったら

飲食店を開業する動機として、「いつかは自分のお店を持ちたい」と独立開業に憧れを抱いて踏み出す方が数多くいることでしょう。自らが理想とする空間を一から作り、自らが決めた時間に自らが決めたルールで働くことができるのは、何よりも魅力的でやりがいのある天職だといえます。

しかし、やはり気になるのはお金事情。先々に独立開業を考えていても、「きちんとした収入は得られるのだろうか」「安定した生活を送れるのだろうか」と漠然とした不安が頭をよぎります。独立開業にもメリットは多くありますが、収入が不確定なことからリスクが高いと感じる方も多くいるはずです。そこで今回は、飲食店開業を検討している方に向けて、「飲食店経営者の年収はどれくらいなのか」「どういった特徴があるのか」についてお伝えしていきたいと思います。

会社員の平均年収

まずは飲食店経営者との比較対象として、安定的な収入を得られる会社員について。会社員は会社に属している分、自らで開業するよりも自由度は低いといえますが、毎月決まった金額の給与を受取ることができます。さらにボーナスをもらえる会社も多く、安定した生活を送れるのが特徴です。
しかし、一般的な会社員の平均年収は実際どれくらいあるのか。
初めに、<男女別>でみていきます。

会社員の平均給与 <男女別>
正規(男性) 594万円
正規(女性) 413万円
非正規(男性) 269万円
非正規(女性) 169万円

出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

国税庁が発表した2023年度の『令和5年分 民間給与実態統計調査』によると、1年を通じて勤務した給与所得者数は5,076 万人で、対前年比 0.0%減、1 万人の減少。そうした中で、男性は正規社員が2.4%減少した一方で非正規社員が4.8%増加、対して女性は正規が1.4%、非正規も4.2%増加と、コロナ以後は男女ともに増加傾向にあるといえます。そして、男女別の平均年収を見ていくと、男性平均は569 万円(対前年比0.9%増)、女性は316 万円(対前年比 0.7% 増)。
男女を合わせた会社員の平均給与は460万円(給料+手当は388万円、平均賞与は71万円)となっています。

つづいて、<年齢別>でみていきます。

会社員の平均給与 <年齢別>
20-24歳 267万円
25-29歳 394万円
30-34歳 431万円
35-39歳 466万円
40-44歳 501万円
45-49歳 521万円
50-54歳 540万円
55-59歳 545万円

出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

年齢別に平均給与を見ていくと、20代前半は267万円だった平均給与は年齢とともにあがっていき、50代で500万円を突破。ピークは50代後半で545万円となっています。

飲食店経営者の平均年収

次に飲食店を経営するオーナーの平均年収をみてみましょう。会社員と比較すると自由度が高く、性別や年齢に関係なく勝負することができるので、各店舗の営業次第で収入を増やすことができます。居酒屋やカフェなどあらゆる業種によっても異なりますが、今回は<業種別>でみていきます。

飲食店経営者の平均年収 <業種別>
居酒屋 300万円~2500万円
バー 300万円前後
定食屋 300万円~2500万円
レストラン 400万円~600万円
ラーメン 800万円前後
カフェ 200万円~1000万円

飲食店経営者の平均年収は600万円程度といわれています。一般的な社会人の年収と比較すると1.5倍近くもらっているということになりますが、もちろん赤字でほとんど収入が無い経営者もいれば、大規模な店舗展開をして数千万円の収入を得ている経営者もいるため、一概に経営者全体が高い収入を得ている訳ではありません。
しかしながら、飲食店経営者の年収は、年商から材料費や人件費・家賃など諸々の経費をすべて差し引いた上で残った金額を指します。
この経費を差し引いた上で残った利益のことを「営業利益」と呼びますが、一般に、飲食業では営業利益率10%以上で優良店。つまり、営業利益率10%の優良な経営をしている前提で600万円の利益を残せたとなれば、そのお店の年商は6,000万円ということになります!

年収の高い飲食店経営者の特徴

年収が高い飲食店経営者の多くは、「多店舗展開」をしています。ご自身が出店した1号店につづき、2号店目からは社員となる店長を雇い増店。2号店が1号店と同等に稼ぐことが出来れば、年商は倍になります。高所得オーナーへの道は、利益率を確保しつつ、多店舗出店で更なるビジネス規模の拡大を目指すことから始まるようです。

多店舗展開に至るまでには、1号店にてお店の売上を十分に立て、コストを上回る利益を出せていることが前提。
成功している飲食店は、提供する商品だけでなく販売方法や広告宣伝、資金管理など経営計画について細かく分析し戦略をきちんと立てた上で営業しています。また、そのような経営者に共通する特徴としては、”現状維持で留まるのではなく、店舗状況や外部環境の変化に応じて新たな戦略に更新している”という点です。たとえ、一度は人気の店舗になったとしても、消費者を取り巻く環境やニーズが変わってしまえば埋もれてしまいます。
特に近年は、グルメサイトだけでなくSNSにおいても飲食店の情報や口コミが日常的に発信され、オープンからあっという間に人気なるお店が多々あります。
それに従って、お店側の集客ツールとしても必須化しており、中にはSNSやインフルエンサーを利用した宣伝広告活動を外部に委託するお店もでています。こういった認知度を高める活動もお店を経営するにあたってはとても重要です。日常的に広い視野をもって自店を俯瞰し、戦略的に計画、実践していくことが人気店になるための条件であるといえます。

リスクを避けるための事業計画

本気で独立開業を目指すのであれば、やはり事業計画をしっかり行うことが大切です。頭の中のイメージで気持ちを高めることも悪いことではありませんが、後先考えずにやみくもに取り組むのでは借金を抱え失敗に終わるだけです。飲食店を開業するということは同時に経営者になるということであり、これまでに経験したことのない不測の事態に頭を悩まされるのが現実です。
だからこそ、事前にあらゆる事態を想定し、出来る限りのリスクを最小限に考慮した長期的な経営方針と事業計画を立てておきましょう。その開業前の組立てが経営の軸となり、成功するお店を作り上げるのです。もちろん多くの時間を要するかもしれませんが、時間を割く価値は大いにあります。独立して飲食店を経営することは、自由度が高く、魅力的な仕事。実際にそれを生業として生活するためには、長期的な経営を見据えてあらゆる視点から考え続けることが大切です。

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