街レポート
千代田区|御茶ノ水はどんな街?居抜きの物件で飲食店開業するための街情報

- 目次
御茶ノ水の居抜き物件
オフィスや学校施設、飲食店などが混在する街・御茶ノ水。学生が多い街として有名ですが、湯島聖堂やニコライ堂、神田明神などの歴史的建造物も多く、多くの観光客が足を運びます。今回は、御茶ノ水の街情報に加え、飲食店出店に生かしたい各種データ情報もお届けします。
教育施設や文化施設、老舗店舗が多い活気ある街
東京都千代田区神田駿河台を中心に、文京区湯島から千代田区神田まで広がるエリアを通称「御茶ノ水」と呼びます。界隈には順天堂大学や東京医科歯科大学などの名門校を中心に、多くの大学や専門学校、予備校が集まることから、「学生の街」としても有名。その一方で、湯島聖堂やニコライ堂、神田明神といった各地に点在する宗教施設も、御茶ノ水の「顔」として知られます。国内有数の書店やスポーツ店、老舗飲食店も多く抱えており、至るところで個性豊かな街の表情が見られるところが、御茶ノ水の魅力でもあります。
利便性の高い鉄道と道路
御茶ノ水住民の足を支えるのは、JR総武線・中央本線および東京メトロ丸ノ内線が走る御茶ノ水駅と、東京メトロ千代田線の新御茶ノ水駅です。御茶ノ水駅から新宿駅まで約15分、新御茶ノ水駅から池袋駅まで約12分で到着できます。その他、中野や渋谷、後楽園、千葉方面へのアクセスもスムーズです。御茶ノ水は丸ノ内線淡路町駅や都営新宿線小川町駅などとも近接し、目的地に応じて使い分けが可能。外堀通りや本郷通り、中央通りといった幹線道路も走っており、タクシーがつかまりやすい点も見逃せません。
御茶ノ水駅は現在改良工事中で、2020年をめどに完成予定。エレベーター・エスカレーターの設置に加え、バリアフリー整備や駅前広場機能の拡充を図り、駅の機能性と利便性向上を目指します。またJR中央線は2020年前半には快速電車に2階建てグリーン車を連結させ、12両編成での運転を開始する予定で、工事が完成すれば御茶ノ水駅駅のさらなるパフォーマンス向上が期待されます。
徳川家との深い縁で栄えた歴史
神田駿河台はもともと、徳川家康に古くから使えた旗本(駿河衆)が周辺に屋敷を構えた地として知られています。駿河は家康が人質として送られた今川家領地だったことから、若かりし家康が長年住んでいた場所であり、思い出深い地域。この辺り一帯は幕府とゆかりのあるお寺も多数築造されたことから、徳川家との結びつきが強かったことが想像されます。
その家康の息子・2代将軍秀忠の時代に、神田山と呼ばれた湯島台から駿河台にかけての台地を削り取り、神田川放水路と東西の掘り割りが築造されました。これが御茶ノ水周辺を巡る今の外堀で、水害防止と江戸城外堀設置のふたつの目的がありました。この工事によって発生した土砂で日比谷入り江を埋め立てて、江戸の街並みを整備。現在の東京の町割りは、これを基礎にできあがっています。
偉人や著名人も居を構えた、文化の香り高い街
かつて、御茶ノ水には数多くの政治家や文化人、実業家、学者などの著名人が住んでいました。具体的な名前を挙げると、皇室の小松宮彰仁親王、幕臣として名を馳せた小栗忠順、三菱財閥創業者の岩崎弥太郎、元総理大臣の吉田茂など歴史教科書にも登場する偉人から、高浜虚子や小林秀雄、夏目漱石、正岡子規、宮沢賢治といった文壇のスターまで、ビッグネームに愛された街だったのです。彼らに共通することは、みな高学歴で学識が高かったということ。学問の街として知られる御茶ノ水の一面が、この点からも浮かび上がってきます。
御茶ノ水には教育施設が充実していることは先にも述べましたが、その原点は湯島の昌平黌(しょうへいこう)でしょう。江戸時代に創設されたこの学問所は、今でいう東京大学みたいなもので、多くの有望な若者たちが昌平黌の門をたたき、高度な教育を受けました。当時のトップエリートを輩出したこの学校も明治時代に廃止となった後、東京師範学校が同地に設立され、東京外国語学校や一橋大学、開成中学・高等学校、明治大学など、同様に御茶ノ水に創設された教育機関の先駆けとなったのです。
これらの学校の多くは別の場所に移転されてしまいましたが、それでも御茶ノ水にはたくさんの大学や高校、専門学校、予備校などが集まっています。これからも、御茶ノ水にある教育機関で学んだ若者たちが各界へと巣立って活躍することが期待されます。
老舗店舗も多い味わい深い街
学生の街、オフィス街、歴史情緒の街など、さまざまな顔を持つ御茶ノ水ですが、もうひとつの特徴として挙げられるのが、老舗店舗が多いところ。このエリアでは、昭和初期に創業して今も続く老舗がたくさんあります。中には、江戸末期、明治に創業したというお店も。近代的なオフィスビル群に囲まれる中、ひっそりとたたずむ古風な建物を目的に、足を運ぶ観光客も珍しくありません。このお店に、かの有名な作家もかつて訪れたのではないか?と思いを巡ら方も多いのではないでしょうか。
レトロな雰囲気も魅力の御茶ノ水ですが、最近では近隣の淡路町での再開発が進み、真新しいマンションやオフィスビルなどの建設も目立っています。御茶ノ水に新たに進出するカフェやショップ、飲食店も少なくありません。御茶ノ水駅周辺の開発工事も間もなく終了する予定ですので、今度はどんな魅力がプラスされるのか、今から楽しみでもあります。
どんな飲食店がある?(1km圏内)
御茶ノ水には飲食店が4,336軒ありますが、居酒屋1,140軒と和食1,089軒だけで過半数を占めており通勤・通学者で賑わう街ならではの結果といえるでしょう。カフェが443軒、BARが429軒と続くことも、仕事の打ち合わせ場所などとして需要が多いためと考えられます。
どんな業態が出店チャンス?
繁盛店のある業態は顧客からのニーズが高いため、続けて出店しても十分に来店者を確保できる可能性が小さくありません。その意味では、御茶ノ水に出店する場合、居酒屋と和食の店はかなり客足が伸びると見込めるでしょう。
周辺の主なスポット
・東京復活大聖堂(ニコライ堂)
・聖橋
・神田明神
・山の上ホテル
・ワテラスモール
・湯島聖堂
・明治大学博物館
・お茶の水楽器店街
・神田神保町古書店街
・マーチエキュート神田万世橋
・神田アクアハウス 江戸遊
・阿久悠記念館
御茶ノ水に似た地域
早稲田
早稲田は、御茶ノ水とともに多くの学生が通ってくる街として有名です。
吉祥寺
吉祥寺は御茶ノ水と異なる雰囲気の繁華街ですが、喫茶店が多く見られる点では共通しています。
渋谷
渋谷は各種のショッピング施設が豊富であり、御茶ノ水に劣らず楽器店も目立ちます。
どんな客層?
【平日/昼】
ランチの平均単価は、1,000円以内です。千代田区の昼間の人口は85万人を超え、御茶ノ水の飲食店には大勢のサラリーマンと学生が訪れます。
【平日/夜】【土日】
ディナーの平均単価は、3,000円~4,000円です。同区の夜間の人口は6万人ほどであり、飲食店では客層の多くを区民が占めるでしょう。週末は通勤・通学者が減るため、休みの店舗も少なくありません。
人口特性
2018(平成30)年3月現在、千代田区の総人口は6万1,471人です。そのうち御茶ノ水エリアの中心となる神田駿河台(一丁目~四丁目)には546人、古書店街のある神田神保町(一丁目~三丁目)には3,218人が暮らしています。街の中心地域を合計しても区民全体の1割に満たず、来訪者に比べて居住者の少なさがうかがえます。
乗降人数
御茶ノ水駅における2016(平成28)の利用者を1日に平均すると、東京メトロ丸ノ内線の乗降者数が5万8,407人、JR東日本の各線の乗車数は10万4,816人です。地下鉄とJRの差は、乗り入れ本数の違いが反映されているのでしょう。
御茶ノ水の賃貸相場
御茶ノ水の賃貸相場は、物件の多くが駅から徒歩10分以内の範囲内です。ワンルームが9万円前後、1Kは約10万円、1DKと2Kが約12万円、1LDKと2DKが17万円前後、2LDKは約20~34万円と幅があります。
御茶ノ水の店舗賃料相場
御茶ノ水の店舗賃料相場は、2018(平成30)年の平均坪単価が1万9,770円です。ここ数年は2万円を超えていますが、若干、値下がりしました。また坪数を掛け合わせた賃料は、20万円未満~40万円が全体の半数近くを占めています。
- 注目のキーワード
- おすすめの記事