街レポート
台東区|蔵前はどんな街?居抜きの物件で飲食店開業するための街情報

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江戸時代、扶持米(ふちまい)を収蔵する蔵の街として栄えた東京都台東区蔵前。下町の風情を残しながら、近年はスタイリッシュな雑貨店やインテリアショップも姿を見せるなど、今もなお「ものづくりの街」として発展を続けています。
今回は、そんな蔵町の魅力について、人気グルメや観光スポットなどと合わせてご紹介します。
いま一番旬な下町・蔵前の魅力
下町情緒あふれる蔵前は、近年「東京のブルックリン」と呼ばれ、若者からも注目されている街です。蔵前は職人の街としても有名で、おもちゃや花火を製造する職人が多く住んでいて、ブルックリンも「メーカーズ」と呼ばれるものづくりの街なので、そこに共通点があります。
また、古い建物をリノベーションしたカフェや雑貨屋も街並みに増えてきました。これもまたブルックリンに似ていると話題で、若者の間で密かなブームになっています。
こだわりのお店や隠れ家的なお店も増えており、いま旬の街と言っても良いでしょう。
豊富な路線が乗り入れ、交通アクセス良好
蔵前駅には都営地下鉄浅草線・大江戸線が乗り入れ、1日平均70,000人近い乗客が利用しています。新宿・五反田・新橋・日本橋・飯田橋など、都内主要駅への移動もスムーズで、また、蔵前近辺には複数の路線が走っており、目的地に合わせて周辺の駅も便利に活用できます。
総武線浅草橋駅、東京メトロ銀座線田原町駅、つくばエクスプレスが乗り入れる新御徒町駅など、都内各地への移動手段に使える駅が徒歩15分圏内にあるという利便性も兼ね備えています。
また、蔵前は都内でよく見られる坂上りポイントがなく、どこを歩いても平坦な土地が続いています。そのため、徒歩や自転車での移動も苦になりません。日本橋や上野、秋葉原などのエリアは、蔵前から自転車通勤するにはちょうど良い距離感で、運動もかねて自転車を移動手段に使うのもおすすめです。
オリジナリティあふれるグルメやカフェ多数
蔵前の魅力と言えば、個性的なカフェやレストランです。オリジナリティあふれるお店が軒を連ねていますので、いくつかご紹介します。
「ダンデライオン・チョコレート」日本1号店
1階はチョコレート工場とスタンド、2階はカフェとして楽しめる「ダンデライオン・チョコレート」。サンフランシスコに本店を構えるチョコレート専門店です。手作りのドリンクやお菓子をその場で楽しむことができます。
メニューはその日、使用しているカカオ豆の種類によって変わるので、何度行っても飽きることはありません。人気メニューのブラウニーバイトフライトは、大人な甘さで上品なことに加え、3種類のフレーバーから選べるので、好みに合わせてオーダーしてみてはいかがでしょうか。
穴場カフェ「エン cafe&things」
2018年4月6日にオープンしたばかりのカフェ「エン cafe&things」。1階はスタンドカフェ、2階はカフェ、3階が販売エリア、4階はグランピングができる施設として営業しています。
お店の中はこだわりのおしゃれ空間が広がっており、ゆっくりとコーヒーを楽しむことができます。カフェメニューだけなく、アルコールメニューも充実していて、お酒を飲みながら語らうのにも良いお店です。テイクアウトにも対応しているので、カフェメニューを片手に公園でピクニックするのにもぴったりです。
寝かせ玄米の「結わえる(ゆわえる) 本店」
健康的な「寝かせ玄米」を体験することができるのが「結わえる(ゆわえる) 本店」です。ランチでは玄米定食を楽しむことができます。おかずや汁物を自由に組み合わせ、自分だけのオリジナル定食が作れるのも魅力で、季節ごとに旬の惣菜や自家製の漬物なども提供されます。
ディナータイムには、どぶろくや発泡系の日本酒、地ビールなども飲め、季節のおつまみと一緒に楽しめます。自然派な食事を食べてみたいという人にはおすすめのお店です。
朝食が楽しめるカフェが人気
おしゃれなカフェがたくさんある蔵前。朝食を楽しみながら朝カフェができるお店もあります。
フルーツサンドが有名な「ペリカンカフェ」、モーニングセットが充実している「SOL’S COFFEE ROASTERY」、ナポリタンがおいしい「純喫茶ヒロ」など、個性豊かな飲食店が多くあります。
隠れラーメン激戦区「蔵前」
実は蔵前は隠れたラーメンの激戦区であることをご存じでしたでしょうか。その中でもおすすめのお店をご紹介します。
改
塩ラーメン好きなら誰もが知る名店です。全国から足を運ぶ人も多く、名物の「貝塩ラーメン」は出汁が利いていて絶品で煮干しラーメンも最高です。どのメニューもハズレがありません。
元楽
甘めのスープが自慢のラーメン店です。ラーメンもおいしいのですが、一番人気はご飯にチャーシュー、海苔、ネギを乗せた丼ぶりの「ぶためし」です。ラーメンとセットにすれば、もう箸が止まりません。
むささんじん
上品な豚骨ラーメンが人気のお店で、クリーミーなスープと細麺の相性は抜群です。上に乗った野菜にも味が付いていて、最後までおいしく食べることができます。
寿三家
濃厚なスープが自慢の家系ラーメンを味わうことができます。スープは濃厚ですが、どこか上品な味わいで、太麺との相性も抜群です。おすすめは「特製チャーシュー麺」で、脂身と赤身のバランスが取れたチャーシューは絶品です。おつまみメニューも充実しているので、お酒が好きな人にもおすすめなお店です。
「東京のブルックリン」と言われる蔵前
蔵前はものづくりが盛んで、おしゃれなお店が増えてきていることから「東京のブルックリン」とも呼ばれています。アメ横や仲見世商店街、かっぱ橋、電気街なども徒歩圏内で、生活環境も整っています。
駅周辺には飲食店も多く、新しいカフェやレストランも続々と出店をしていますが、買い物をする大型施設や飲食店はそこまで多くはありません。マンションなどが周りにあるので、これから増えていきそうです。
落ち着いた居住エリアの蔵前駅「北側」
駅の北側は静かな住宅街が広がっており、治安や雰囲気も落ち着いています。しかし買い物する場所が少ないため、ショッピングは浅草あたりまで足を伸ばす必要があります。
スーパーが充実してくれば住みやすい街として人気が出てくる可能性があるため、今後はファミリー向けの飲食店は狙い目かもしれません。
下町と都会の水辺を感じる「南側」
蔵前駅前は大通りに面していてコンビニや飲食チェーン店が点在しています。駅の南側は単身者向けのマンションも立ち並び、生活環境としては申し分ありません。
南東方面すぐ近くには隅田川も流れているので、下町の風情を感じながら、シーサイドエリアのおしゃれな雰囲気も満喫できます。国際通り沿いにはオフィスやホテルなどが立ち並び、近代化が進んでいます。
下町の風情を感じるぶらり散策
蔵前には、東京の下町らしい観光スポットが満載です。人気のスポットをいくつかご紹介します。
パワースポット「蔵前神社」
江戸時代に建てられたという蔵前神社。当時は「藏前八幡」や「東石清水宮」と呼ばれており、総本社は大分県の宇佐神宮になります。蔵前神社にはたくさんの神様がいるとされ、パワースポットとしても注目が集まっています。
特に勝負運や仕事運のご利益があるとされ、「ここぞという時に訪れたい神社」と呼ばれています。
洗練された雑貨屋「KONCENT(コンセント)」
さまざまなアイテムが集まる
「KONCENT(コンセント)」は、古い倉庫や工場をリノベーションして運営をしているおしゃれな雑貨屋です。デザイン性や機能性の高い雑貨を楽しみながら、併設されたカフェでコーヒーを楽しめます。
多くのデザイナーが作品を出店しており、それぞれの思いが詰まった作品を見て回るだけでも、あっという間に時間が過ぎていきます。ちょっとおしゃれな空間に行ってみたい人におすすめのお店です。
穴場のオアシス「蔵前公園」
「蔵前公園」は、蔵前駅付近で一番広い公園として知られています。利用する人は少ないので、ゆっくりとくつろぎたい時にはおすすめです。ただし、17時には入園できないよう鍵が閉められてしまうので注意が必要です。
自然と触れ合うビオトープ「精華公園」
蔵前という町が生まれたのは江戸時代以降、幕府が隅田川を埋め立てて米蔵を設置したのが始まりと言われており、米蔵には幕府の天領地(徳川家直轄の領地)から集めた米が収蔵され、全部で67棟の蔵があったようです。
米蔵と同時に、扶持米を管理出納するための勘定奉行および蔵奉行の役人たちの武家屋敷も建てられました。江戸時代中期以降より、米蔵が広がる町の西側を蔵前と呼ぶようになり、米問屋や札差(米の受取り・運搬・売却をつかさどる業者)の店が建ち並び、米の物流拠点としてにぎわいを見せていたと言われています。
明治以降、蔵前に点在する蔵と役宅は政府管理となり、官公庁関連の施設や学校、文書庫などの近代的な建物が建ち並ぶなど、風情ある江戸の街並みから一転、モダンな雰囲気が町を包むようになります。ところが、1923年の関東大震災によって町は壊滅的な打撃を受け、文化的な施設も各地に機能移転するなど、これまで築き上げてきた街の財産を喪失してしまいました。
被災して何も残らなくなってしまった蔵前ですが、同じく被災した日本橋の人形職人たちが浅草橋周辺に転居し、今度はものづくりの街として息を吹き返していったことで「おもちゃ問屋街」として親しまれる蔵前の、今の姿が作られたのでした。
周辺の主なスポット
・蔵前神社
・鳥越神社
・浅草文化観光センター
・かっぱ橋道具街
・蔵前水の館
・世界のカバン博物館
・トラベリエンス
・カキモリ
・えびす屋 浅草店
・NAZOBAKO 東京
・屋形船駒形
・茶御飯東京
・ザッツゼンターテインメント
・三筋湯
蔵前に似た地域
自由が丘
おしゃれな飲食店が多い自由が丘は、カフェやレストランが増えた現在の蔵前に似ています。
小伝馬町
小伝馬町は、蔵前と同じく上野・東京周辺のオフィス街へ通勤しやすい街のひとつです。
町田
閑静な住宅街が広がる町田は、治安のよさなどから住みやすいと注目される蔵前と通じるものがあります。
どんな客層?
【平日/昼】
ランチの平均単価は、1,000円以内です。台東区の昼間人口29万4,756人のうち就業者は20万人を超えており、蔵前の客層も労働者が中心になると考えられます。
【平日/夜】【土日】
ディナーの平均単価は、2,000円~3,000円。夜間は通勤・通学者が帰宅し人口が約17万6千人に減少するので、飲食店の利用者は地元住民が主体になるでしょう。一方、週末は観光客などで街がにぎわい、飲食店への来客も見込めます。
蔵前の人口特性
蔵前の総人口は6,211人ですが、そのうち外国人が404人であり全体の1割近くに達します。また年齢構成は20代~40代が3,566人であり、過半数に及びます。これらは、この街の人口が示す大きな特徴と言えるでしょう。
蔵前の乗降人数
都営地下鉄蔵前駅における2016(平成28)年の乗降人数は、1日に平均すると浅草線が3万5,385人、大江戸線が3万2,641人です。両線の利用者数に大差はなく、いずれも2011(平成23)年以降は増加傾向にあります。
蔵前の賃貸相場
蔵前は、駅から徒歩10分以内の物件が中心です。賃貸相場はワンルームが約6~9万円、1Kと2Kは9~10万円前後、1DKと2DKは9~13万円強、1LDKと2LDKは9~17万円強、3LDKは22万円弱となっており、全体に幅があります。
蔵前の店舗賃料相場
蔵前の店舗賃料相場は、2018(平成30)年の平均坪単価が1万9,770円。ここ数年は2万円を超えているが、若干、値下がり傾向。また坪数を掛け合わせた賃料は、20万円未満~40万円が全体の半数近くを占めています
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