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居酒屋のお通し代金問題!「お通しはいらない」と言われたときの対応と値段の相場

- 目次
飲食店の開業を考えている時の悩みの一つに「お通しの有無や値段」についてもあるのではないでしょうか。
そもそも居酒屋には必ずお通しは必要なのでしょうか?
また、お通しを断られてしまうなどトラブルが起きたらどうしたらいいのでしょうか?
今回はお通しの意味や相場、断られてしまった時やトラブルの回避方法などについて紹介していきます。
お通しとは
お通しというのは居酒屋や一部飲食店で最初に出てくる少量の料理のことです。
お通しは注文をしていなくても提供される料理ですが、ほとんどの場合がサービスではなく有料となっています。
チャージ料金との違い
居酒屋やBARなどの飲食店やお酒を提供するお店では「チャージ料金」というものが請求されることがあります。
その内容や金額はお店によってさまざま。座席料金や個室の利用料金やナッツやおつまみになるような料理である場合も少なくありません。
チャージ料金というものに明確な定義はなく、チャージ料金にお通しが含まれる場合もあれば別に請求をしているお店もあります。
またお店によっては「断ることも可能」で料金がかからない場合もあります。
「お通し」は海外には無い習慣
お通しというのは日本独特の習慣で、海外にはお通しは存在しません。
日本では当たり前のようにお水やお茶が無料で提供されますが、海外では有料であることが多く、お通しもそうした「サービスの一環」だと勘違いする訪日外国人の方もいることも知っておきましょう。
そのため、会計時にお通し代やチャージ料金を請求するとトラブルにもつながります。
日本人にはある程度は馴染みある「お通し」という習慣と無料のサービスの違いが、訪日外国人には難しいようです。
「お通しはいらない」への対処法
お通しは出てきたら代金を払わなければいけないもので、断ることが出来ないものであるというイメージが強いのではないでしょうか?
しかし、お店によってはトラブル回避の観点から事前に断ればお通しを提供せず、別途の料金も請求することなしに純粋な飲食代のみを請求するお店もあります。
またお客さまの体質によってはアレルギーなどの関係でお通しが食べられない、お酒が飲めないという人もいます。
そういった例外的な事情を持っているお客さまに対してのみお通しを提供しないという対応をするお店もあるようです。
お通しを提供する飲食店を経営する場合は、提供する相手やその場の状況によって臨機応変かつ柔軟に対応していくことが大切です。
お通し代金でよくあるトラブル
お通しにおける一番多いクレームは「頼んでもいないものにお金を払わないといけないのか」ではないでしょうか。
ここからはそんなクレームをもらわないように、またクレームがあっても対処できるようにするための方法を紹介していきます。
わかりやすく明示、事前説明をしましょう
一番大切なことは、事前にお客さまに説明をして理解をしてもらうことです。
<お通し代の明示方法の例>
☑ ・カウンターやテーブルに案内を置いておく
☑ ・席へ案内するときやおしぼりやお水を出す際に一言伝える
☑ ・お店のホームページに情報を記載しておく
どの方法にも共通するのは、やはりお通しを提供する前にお客さまに説明するということ。
先に説明があれば払っても構わないという人もいるでしょうし、払いたくなければお店を変えるという選択肢もできます。
お客さまが食べれば請求できる
先の項目で紹介したようになんらかの形で明示をしていたり、事前に金とお客さまに説明をしていてもお客さんが無料だと思って食べてしまったりする場合もあります。
お客さま側は食べてしまう前であれば断って料金を払わないということもできますが、食べてしまった場合はお客さまが同意をしていなくても、法律上ではお店はお通し代を請求することができます。
しかし少額のお通し代のために訴訟を起こすことはまずなく、トラブル回避のためにそういう場合はお通し代を貰わない対応をする店も少なくないようです。
お通しメニューを提供するメリット
お通しやチャージ料金に関するトラブルを回避するために、お通しを出さない方がいいのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、実はお通しにはお店側にもお客さまにとってもメリットがあります。
ここからはそれぞれに対するお通しのメリットについて説明していきます。
居酒屋にとってのメリット
居酒屋側がお通しを出すメリットには以下のようなものがあります。
☑ お店の料理の味を知ってもらうことができる
お通しが美味しければ、ほかの料理の味にも期待できます。 そのため、お店の料理の味をお通しによってアピールすることができます。
☑ 入店から最初に注文された料理がでるまでの間の間を持たせられる
注文からすぐに提供できない料理などを頼まれてしまうとお客様が手持無沙汰になってしまいます。お通しを提供することでお客さまに最初の料理が届くまでの間をもたせることができます。
☑ 新商品のテストをお通しと提供して感想を聞くことで、料理の質を高めることができる
開発中の新メニューをお通しとしてお客様にためしてもらい意見を貰うことでより満足度の高い新メニューを作りあげることができます。
お客様にとってのメリット
お客様側がお通しの受領をうけるメリットには以下のようなものがあります。
☑ 料理の味やお店のこだわりをすぐに体験できる
お通しをまっさきに口にすることでそのお店の料理の味やレベルを簡単に知ることができます。
☑ 待つことなく料理を口にすることができる
混んでいるお店や手の込んだ料理を注文してしまうと最初に料理が運ばれてくるまでの時間がどうしても長くなってしまいます。 お通しがあれば注文した料理の提供を待ち続けることなく料理を口にできます。
お通し代金の相場
一店舗以上の飲食店を運営している経営者や運営者を対象に行ったあるアンケート調査によると、お通しの代金の金額で一番多いのが「300円~399円」、続いて「500円~599円」、「400円~499円」という結果になりました。
このアンケート結果からもわかる通り、多くのお店ではお通しの料金はおよそ300~500円前後という比較的安価な価格で設定されていることが分かります。
そのため、事前にお通しの存在がお客様にわかるようになっていればクレームの発生や大きなトラブルにつながることはほとんどありません。
店側としてもただお通し代金を請求するのではなく、提供するお通しの質を高めメニューを定期的に変更するなどの工夫を行っているようです。
お通しの活用法
メリットにもトラブルの原因にもなりうるお通しですが、その活用法によってはメリットの部分を大きくすることも可能です。
ここからはお通しをうまく活用していくための方法を紹介していきます。
イメージアップに活用しよう
お通しは何よりも最初にお客さまに提供する料理です。
お客さまにとっての料理の第一印象を良くするためにも、お店のこだわりやセンスをつめこんだ自慢の一品を提供しましょう。
お通しが美味しければお客さまに事前と料理に対する期待を高めてもらうことができます。
また、メニューを定期的に変えるなどの工夫をすることでお通しを楽しみにまた来店してくれるリピート客を集めることができ、結果的には利益を上げることができます。
値段がサービスと見合うように設定
提供するお通しに様々な工夫をほどこすことは大切ですが、値段の設定には注意が必要です。
高級な料亭やクラブなど、料理以外にも手厚い接客サービスがあるようなお店であれば高い値段をとってしかるべきです。
しかし、大衆居酒屋に高額なお通し代金を払うことに納得してくれるお客さまはなかなかいません。
お通し代金やチャージ料金を請求する場合は、提供できるサービスやクオリティに相応する金額を設定することを心掛けることが大切です。
居酒屋で出るお通しランキング
最後に居酒屋で出るお通しで人気のメニュー、不人気なメニューの紹介をしていきます。
<人気のお通しランキング>
☑ 第1位 たこわさ
☑ 第2位 もつ煮
☑ 第3位 枝豆
☑ 第4位 刺し身
☑ 第5位 ポテトサラダ
<不人気なお通しランキング>
☑ 第1位 ナッツ類
☑ 第2位 漬物
☑ 第3位 おひたし
☑ 第4位 枝豆
☑ 第5位 ナムル
人気メニューには
☑ 「誰でも食べられる」「自分では作らない」「お酒に合う」
という特徴が見られます。
反対に不人気メニューには
☑ 「手抜き感がある」「見た目が華やかでない」
という特徴が見られます。
値段に見合っていないと感じられてしまうと、印象も下がってしまうのです。
まとめ
飲食店において何かとトラブルの原因にもなりがちなお通しですが、マイナス要素だけではありません。
事前にきちんと説明をした上で提供すればお店にとって大きなメリットになりますし、お客さまの満足度向上につなげることも可能です。
飲食店の経営を行っていく際には他のお店とは一味違うお通しで差別化を図るなど、経営戦略の一部としてお通しを活用してみてはいかがでしょうか?
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