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流行りの商品を取り扱うメリット・デメリット! 新規開業時と既存店のメニュー追加別に解説

- 目次
飲食店を新規に開業、あるいは既存店のメニューを改定するにあたり、「流行りの商品を取り入れたらどうだろう?」と思ってはいませんか?
たしかに、流行りの商品を取り入れることは大きなメリットがあるのは事実。しかし、デメリットも多くありますので注意しなくてはなりません。
今回は、新規の開業、および既存店のメニュー追加のそれぞれで、流行りの商品を取り扱うメリットとデメリットをご紹介します。
新規開業で流行り商品に特化した専門店を出店する場合のメリット・デメリット
それでは最初に、流行りの商品に特化した専門店を新規で出店する場合について、メリットとデメリットとを紹介します。
メリットは多いですが、デメリットもあります。開業にあたっては、お店のコンセプトをしっかりと検討することが重要です。
メリット
流行りの商品に特化した専門店を新規に開業することのメリットは、以下のようなものがあげられます。
食材のロスを減らせる
メニューを絞り込めることから、食品のロスを減らすことができます。
メニューのクオリティが上がる
メニューの種類が少なくなれば、メニュー1種類あたりの調理回数が増えることになります。
そのために、調理の習熟度が高まり、メニューのクオリティが上がります。
効率よく作業できる
メニューが少なくなることにより、仕込みなどの準備作業がシンプルになり、効率よく作業できるようになります。
メディアで注目されやすい
専門性があることにより話題として取り上げやすくなるため、メディアで注目されやすくなります。
口コミやSNSでの拡散が期待できる
SNSなどでの口コミも、やはり専門性と話題性があるために、拡散されやすくなります。
デメリット・注意点
流行りの商品に特化することのデメリットは、まず、流行であるために、ライバル店が多くなることがあげられます。
似たような商品を取り扱うライバル店とどう差別化できるのかは、よく考えなければなりません。
また、流行は、いずれ終わるものと考えられます。
流行が終わったとき、業態をどう変えていけるかは大きな課題となるでしょう。
注意しなくてはいけないのは、流行りの商品に特化し、商品の種類を減らした場合です。メニュー削減によってお客様の満足度まで減ってしまうのでは、本末転倒になってしまいます。
商品を絞り込みつつ、楽しみ方は豊富に提供できるよう、工夫をこらすことが大切です。
新規開業店で流行り商品に特化した専門店の成功店実例
流行りの商品に特化した新規開業の専門店で成功した事例として、タピオカミルクティーの専門店を見てみましょう。
ジ・アレイ ルージャオシャン
台湾で20店舗以上を展開し、アジアや北米にも進出しているジ・アレイ ルージャオシャン。数あるタピオカ店のなかでも、「ミルクティー」に特化した台湾ティーの専門店です。「盆栽タピオカミルクティー」など、インスタ映えのするメニューを取り揃えているのが成功の秘訣だといえるでしょう。
春水堂
春水堂は、やはり台湾ティーの専門カフェ。「タピオカミルクティー発祥のお店」として知られています。無添加へのこだわりや、お茶マイスター制度など、商品のクオリティにこだわっていることが成功の理由だと考えられます。
新規開業で流行り商品をメインメニューとした店を出店する場合のメリット・デメリット
次に、専門店とまで行かなくても、流行りの商品をメインメニューとした店を新規に開業するケースについて、メリットとデメリットを見てみましょう。流行りの商品をメインメニューとして取り入れる場合には、お店のコンセプトとの整合性をよく考えることがポイントです。
メリット
流行りの商品をメインメニューとした新規のお店を開業することのメリットは、以下のものがあげられます。
店の看板メニューとして知られやすい
流行の商品をメインメニューとすることは、お店の看板メニューとしてお客様に知られやすくなることが第一のメリットです。お店を開業するにあたっては、「あの店はあのメニューがあるから行こう」とお客様に思ってもらえる看板メニューを設定することが重要です。流行の商品は、流行である分、お客様に覚えてもらいやすくなります。
流行に敏感な店といったイメージがつきやすい
流行りの商品を取り入れることは、「流行に敏感なお店」とのイメージがつきやすくなることもメリットとしてあげられます。
SNSなどで拡散されやすい
流行りの商品ですので、SNSなどで拡散されやすくなることも期待できます。
デメリット・注意点
流行りの商品をメインメニューにすることのデメリットは、コンセプトが固まらない中途半端な店になりやすいことがあげられます。お店のコンセプトから外れた商品を提供することは、お客様が離れていく要因の1つです。
ただ「流行りだから」との理由だけでメニューに加えるのではなく、商品とコンセプトとの整合性をしっかりと考えなくてはいけません。
また、専門店の場合と同様、流行りはいずれ終わるものです。
流行りが完全に終わる前に、次の看板メニューを育てるための取り組みをスタートさせることが重要です。
新規開業で流行り商品をメインメニューとした店の成功店実例
流行りの商品をメインメニューとして取り入れることにより成功した事例として「パネチキン」があげられます。
パネチキンとは、くり抜いたバケットに入れられたトロトロのチーズを、トマトソースがかけられたチキンやパンにからめながら食べる韓国発祥の料理のこと。とろけるチーズはインスタ映えもすることから、爆発的な人気となり、多くの飲食店がメインメニューとしてパネチキンを取り入れて成功しています。
そのほかにも、
・和スパイシー …和食でありながら、山椒や花椒などでしびれるような辛さにした料理
・サバメニュー …サバポテトサラダのように、ツナ缶のかわりにサバ缶を使った料理
なども、やはり多くのお店がメニューとして取り入れ成功につなげています。
既存店が流行りの商品を取り入れる場合のメリット・デメリット
最後に、既存店が流行りの商品を取り入れる場合のメリットとデメリットを見てみましょう。やはりここでも、新規の顧客を得やすくなるなどのメリットは大きいですが、デメリットにも注意しながらメニュー構成を検討しましょう。
メリット
既存店が流行りの商品を取り入れることには、以下のようなメリットがあります。
新規の顧客を得やすくなる
流行りの商品を取り入れることのメリットは、新規の顧客を得やすくなることが第一にあげられます。
流行りの商品は、「試してみたい」と思う人が多いからです。また、流行りの商品を看板メニューにすることにより、お客様にお店を記憶しもらいやすくなります。
今までのイメージに加えて、流行に敏感な店というイメージも生まれる
流行の商品をメニューとして取り入れることは、今までのイメージに加え、「流行に敏感なお店」との新しいイメージが生まれることもメリットです。
顧客のマンネリ感を打破できる
流行の商品を取り入れることにより、これまで常連だったお客様のマンネリ感を打破することにもつながります。
デメリット・注意点
流行の商品を既存店が取り入れることのデメリットは、上でも触れたとおり、流行を追いすぎることにより、お店の基本コンセプトから外れてしまう可能性があることです。
お店のコンセプトから外れた商品を提供することは、お客様が離れることにつながります。
提供するメニューとお店のコンセプトの整合性は、しっかりと検討しましょう。
また、メニュー構成を考える際には、看板メニューを作ることだけでなく、死に筋のメニューを整理することも重要です。注文が動かないメニューは思い切って整理するなどし、コストを改善していきましょう。
既存店が流行りの商品を取り入れる場合の成功店実例
流行りの商品を取り入れることによって成功した事例として、タピオカドリンクを取り入れたミスタードーナツとタリーズコーヒーを見てみましょう。
まとめ
新規の開業、および既存店のメニュー追加のそれぞれで、流行りの商品を取り入れることのメリットとデメリットを紹介しました。流行りの商品を取り入れることは、新規の顧客獲得をはじめとし、大きなメリットがあります。
ただし、お店のコンセプトと外れてしまった場合には、お客様を失うことにもなりかねません。流行りの商品は、お店のコンセプトやメニュー構成との整合性を、しっかりと検討した上で取り入れていきましょう。
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