特集
地下にある店舗物件で飲食店開業!集客力やコストといったメリット・デメリット、解決方法のポイント

路面店と比較し、集客が難しく物件の価値としては大きく劣っているように感じますが、決してデメリットだけではありません。地下店舗にも、成功のチャンスは隠れています。
そこで今回の物件特集では、不利な立地と判断されやすい”地下店舗”のメリットとデメリットに対する解決策、おすすめの居抜き物件についてご紹介していきます。
地下店舗のメリットは?
【1】賃料を安く抑えられる
地下店舗の最大のメリットとなるのが、「賃料の安さ」。
路面店と比較し、立地の条件としては劣りますが、その分賃料が安く設定されており、初期投資費用もランニングコストも抑えることが可能。エリアによっては、路面店との賃料差額が2倍近くに及ぶ物件も存在します。
そうしてコストカットして浮いた資金は、メニュー開発や広告宣伝、販売促進費などに回すことができます。
【2】遮音性が高く、お店の雰囲気を保つことができる
2つ目のメリットが、「遮音性の高さ」。
飲食店が多く軒を連ねるエリアの路面店では、外界からの影響を受けやすく、近隣店舗や交通の騒音がお店の雰囲気を崩してしまうケースがあります。
しかし、そうした賑わいのある街中でも、地下階であれば問題なく、お店の雰囲気や落ち着いた空間を保つことができます。特に、「高級感」や「特別感」、「隠れ家的○○」といったコンセプトや利用目的が明確な飲食店においては、適した環境であるといえます。
地下店舗のデメリットに対する解決策とは?
【1】視認性が低く、飛込みでの集客率が低い
地下店舗において一番の懸念点となるのが、「視認性の低さ」。
路面店であれば食事場所を探している人がたまたま店舗前を通りがかり、来店するといったシーンはよくあることですが、地下店舗にとってその難易度は高く、集客面でマイナスの影響を与える要素にあたります。
そこで、視認性を補う解決策としてはファサードでのアピールが重要です。
「ファサード」とは、一般的に建物を正面から見た外観のことを指しますが、飲食店におけるファサードは、店名を知らせる看板やのれん、POP、タペストリーなども含めた「お店の顔」のこと。
ゆえに、具体的な策としても、「どんな雰囲気のお店で、どんな料理を出すお店なのか」が一目で伝わる看板やPOPを掲載することが挙げられます。もちろん、その施策を講じるためには看板の掲載が可能な箇所やサイズ、POP掲載の可否などを物件選びの段階で確認する必要があります。また、営業しているかどうかの判断材料となる地下階につながる入口や階段に、照明を灯して明るさを出すことも大切ですので頭に入れておきましょう。
二つ目に、飛込みでの集客が難しいことへの解決策としては、店内環境を整えて顧客の利用目的を明確にさせることが重要です。
例えば、電波が弱い地下店舗においてWi-Fi環境を整え、個別空間をつくることで、リモートワークを目的とした利用を促すことが可能です。また、特徴がある内装で世界観のある空間を作り出したり、視覚的に魅了するメニューを展開したり、特別な演出のサービスをしたりと、お店を特徴づける何かを確立することが顧客が来店する目的へとつながります。そのために、コンセプトを明確にし、競合のリサーチなどは徹底して行いましょう。
もちろん、インターネットやSNSでの情報発信もとても重要です。単にお店で提供するメニューを紹介するのではなく、しずる感の伝わる動画を取り入れたり、営業状況やお店までの詳細な道順など、初めて来店する方や遠方からのお客様が来店しやすい工夫を凝らすこともポイントです。
【2】換気がしにくく、熱や湿気が篭りやすい
窓がなく、外気に面する範囲が小さいことから換気がしにくい地下店舗。
空気の入れ替えが不十分な環境では、熱や湿気が篭ってカビが発生するほか、顧客の居心地の悪さにもつながってしまいます。
そこで、換気を十分に取り行う解決策としては換気口(排気設備)へつながる空気の通り道を作ることが重要です。
飲食店の個室や地下店舗などで窓がない場合は、まず、そのフロアの周辺の天井にある換気口の位置を確認し、排気設備(ダクト)がある場合は常時可動。そして、入り口や部屋の扉を開けて、扇風機やサーキュレータを設置し、換気口または排気設備の位置する方向へと空気が流れるようにしましょう。
中には、エアコンで換気できるとお考えの方もいるかと思いますが、エアコンは「室内の空気を吸い込み」、その空気を冷たくしたり温かくしたりした後に「室内に戻す」のが通常。室内の空気と外の空気を入れ替えている訳ではありませんので、注意しておきましょう。
地下階でおすすめの居抜き物件
視認性の低さがデメリットの地下店舗。集客を懸念し、端から嫌厭する方も多いのではないでしょうか。
しかし、費用を抑えられることが大きなメリットであるのもまた事実。出店業態やお店のコンセプトによっては、むしろ適した環境になり得ます。
デメリットに対する解決策を学んだ上で、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
- 注目のキーワード
- おすすめの記事