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増える「キッチンカー」需要。飲食店舗の関わり方を考察!|居抜き物件はABC店舗

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まだまだ先行きが不透明の新型コロナウイルス禍。
飲食店には逆風が吹いているとはよく言われますが、感染対策をしながら飲食店の味を楽しむことができるための策として、テイクアウトやデリバリーの需要が増加しました。
テイクアウト需要の増加により、これまではイートイン専門だった飲食店でもテイクアウト対応を行うケースも増えてきたことは街を見渡しても明らかです。
これに関連し、店頭でのテイクアウト対応以外にも増加した飲食の販売形態がありました。
それが「フードトラック(通称:キッチンカー)」による飲食の販売です。
フードトラックとしての営業許可を取る車も増えています。東京都福祉保健局が出している「食品衛生関係事業報告」では、東京都で営業許可を取得した移動販売車の数は右肩上がり。
(出典:食品衛生関係事業報告|東京都福祉保健局)
現在、注目を浴びている、フードトラック。飲食店舗と連携させることも一つの手。様々な関わり方が出来る可能性も。今回はフードトラックについてご紹介しましょう。
フードトラック(キッチンカー)とは?
フードトラックとは、キッチンカーやケータリングカーとも呼ばれています。(以後、本記事での呼称は“キッチンカー”で統一)調理の設備が入っている車両の一般名称です。車両の中には飲食用の席はなく、調理設備のみが導入されています。近年はキッチンカーを街中で見る機会も増えました。
特にキッチンカーはオフィス街に多く、ランチタイムは行列が出来るお店もたくさんあります。会社員はランチの時間帯が被ることも多く、飲食店が満員で入れない人々は“ランチ難民”と呼ばれています。オフィス街は特にランチ難民が多いため、その緩和にもキッチンカーは一役買っています。
価格帯はワンコインのものから700円や800円、中には1000円以上のメニューもありますが、1000円前後のメニューが中心のキッチンカーでも行列は絶えません。ワンコインランチが多い中、高いお金を払ってもキッチンカーの料理を求める人は多いことが現状。
それもそのはず。
キッチンカーを出店するお店の中には予約が取れない名店や、地方でこだわりの食材を使用した知る人ぞ知るお店が出店していることも。業種も広く、タイ料理、肉料理、洋食、和食など、こだわりがありバラエティ豊かなメニューのお店が並びます。個性豊かな料理が並び、選ぶ楽しみは尽きません。
またキッチンカーは「曜日毎に変わる」「日替わり出店」という特徴もあります。
「明日会えるか分からない」と思わせる希少性が、思わず足を運ばせることも。
それだけではありません。キッチンカーの需要はITの世界にも影響があります。
キッチンカーと空きスペースをマッチング『TLUNCH(トランチ)』
業界の中でも、キッチンカーオーナーと出店して欲しい場所のオーナーを繋げる『TLUNCH』は有名です。
実際に近場のキッチンカー出店場所を検索しました。
港区界隈で『TLUNCH』に登録されているキッチンカーだけでも、これだけの数がでてきました。ニーズの高さを感じます。
なお、キッチンカーの営業は各都道府県で許可を申請する必要があります。 営業したい場合は、まず各都道府県の保健所で申請を行いましょう。
キッチンカーのメリット。むしろ店舗があるからこそキッチンカーとの相乗効果を狙う!
新規開業を目指している方は「キッチンカーは無関係」と思われがちですが、開業者もキッチンカーのメリットを頭に入れておくことはおススメです。飲食産業に吹き荒れつつある厳しい逆風の中、事業の安定や展開案の一つになることもあります。キッチンカーのメリットは「初期投資が安い」「固定費がない」ことです。
飲食店開業の初期投資は500-1000万円と言われています。内装工事費や設備投資など。店舗を一つ作るのに掛かる金額は高額です。もちろん居抜き物件をうまく使いながら初期投資を抑えることも可能です。
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しかし良い物件との出会いは、タイミングも必要になります。タイミングを待ち続けていると開業が伸びることも。目指していた開業の夢を、諦めてしまう可能性も考えられます。
それならば初期投資が低いキッチンカーから始めてみてはいかがでしょうか?キッチンカーには下記のメリットも考えられます。
実際にキッチンカーから地元住人に認知され、店舗を開業して成功した例もあります。
キッチンカーには中古販売やレンタルもあります。初期投資を抑えたい方には、中古やレンタルを上手く活用することも良い手になり得ます。これまで店舗で培ったノウハウをキッチンカーに活かし、収入の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
キッチンカーのデメリット
キッチンカーのデメリットは【競合が増えている】ことです。キッチンカーの数に比べて出店場所が少なく、競合と被ってしまうこともあります。
競合に勝つためには店舗ブランディングが必要。試行錯誤を続けなくてはなりませんが、店舗の開業にも必要なことです。キッチンカーを運営しながら店舗設計を深く追求する良い機会となります。キッチンカーは「天候に左右されやすい」ことや「常連が出来にくい」デメリットもあります。固定場所がない分、一日の売上を見込めにくい場合もあるのでデメリットは把握しておきましょう。
キッチンカーの初期投資金額
キッチンカーの初期投資をご紹介します。しかし一概に、いくらだと金額を提示できません。キッチンカーの初期費用は30万~400万程度ともいわれるほど、その幅は広いです。キッチンカーの大きさは様々で、大きさや希望の厨房設備によって作費も幅があります。また中古車を買う場合、インターネットの中古車販売のページから金額を確認できます。
大きさや、車の状態も変わると金額も変化します。下は数十万から、上は数百万と幅があります。また、新品でキッチンカーを制作する場合は数百万の金額かかかることも。
(出典:フードトラックカンパニー)
中古車、新車でも大きく金額が変わります。まずは自分の予算と相談し、見積もりを取りましょう。
インターネット上にはキッチンカー専門店もあるため、複数の会社に見積もりを依頼することも大切です。デザインや車の形式も様々なので自分のイメージに合うものを探してみることもおすすめです。数百万は大きいですが、飲食店舗の初期費用や固定費と比べると抑えめになります。
店舗とキッチンカーの二つから収益を上げられる可能性も
すでに開業している人にとっても、キッチンカーのメリットがあります。店舗を構えながら、空いている時間にキッチンカーで販売するなど活用の仕方は様々。オフィス街やイベントで自店舗の商品を販売することがPRになり、新たな顧客の獲得に繋がることも。時流をうまくつかみながら、売上を増やしていきたいものです。
近年『UberEats』や『PICKS』など、宅配や受け取りサービスも増えています。
店舗を構えているからこそ、こういったサービスを導入しながら売上増を目指しませんか。
テイクアウトの需要が増えている今、顧客を逃がさずニーズをうまく組み取りましょう。
店舗だけでなく、様々な収入源を得ながら飲食店の経営。これは今後のスタンダードな経営の形になり得ます。
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