インタビュー
~感謝を土台に~ 連日行列ができる港区芝大門の人気店『鶏ポタラーメン THANK』

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東京都港区の浜松町・大門エリアは言わずと知れたラーメン激戦区。その中でもランチタイムは特に行列が途絶えず、根強い人気を誇るお店が『鶏ポタラーメン THANK』。
2012年1月5日のオープンから絶えず多くの人々を魅了し続けているTHANKのオーナーである田邉雄二さんに、ABC店舗では開業時以来7年ぶりとなるインタビューを敢行。開業からこれまでの経営に関することをはじめ、こだわりの詰まったメニューについても伺った。
開業からこれまでの7年間を振り返って
開業からの7年間について伺ったところ、真っ先に「いろんな人に支えられてきた」と田邉さんは語る。『THANK』という店名にも表れているように、感謝の気持ちを土台に真心が込められた経営が続けられている。
本当にいろんな人に支えられてきたと思っています。感謝を土台にしています。
アメリカに留学していて、大学で国際ビジネスを専攻していたのですが、日本の文化をアメリカに紹介したいという想いがありました。そこで「僕ができることは何だろう」と考えたときに好きなものや出来ることをリストアップしていって、最終的に残ったのがラーメンでした。
本当はそのままアメリカでやりたいとも思ったのですが、ビザなどの関係もあったので、一度日本に帰ってしっかりとビジネスの基盤を作ってから飛び立っても遅くはないかなということで、東京で開店するに至りました。
開業当時の2012年頃は、鶏と野菜を使った「鶏ポタラーメン」というものはあまり世に出ていませんでした。鶏ポタを新しいスタンダードとして、ラーメンの可能性を広げていこうと思って始めました。
やはり感謝を土台にしているというものがあるのですが、ラーメン1杯もあらゆる人の手を借りないとできないという想いがあります。鶏を育ててくださる方、野菜を作ってくださる方、その野菜を運ぶ方、問屋さん…そういったいろんな人たちによって作られたものがここに集結して、それを僕たちが形にしてお出ししています。
これを全て一から一人でやることは不可能だと思っていますし、支え合っているからこそ可能になるものだと思っています。「人間って一人では生きていけないんだな」というところが原点ですね。その感謝の気持ちを込めて『THANK』にしました。
あともう一つ、僕はラッキーナンバーが「5」なんです。昭和55年生まれで、サッカーをやっていた時は背番号5番で、うちの奥さんの名前にも「五」という漢字が入っているのですが、サンクはフランス語(cinq)では「5」という意味なんです。そういう意味でも縁があるなと思って、音的にも良いので『THANK』にしました。
店員さんの雰囲気がよく、細かな気配りが行き届いているTHANK。気持ちの良い接客を生み出す理念とは
THANKといえばラーメンの味だけでなく、細かな気配りが行き届いた気持ちの良い接客も特徴の一つ。
その根底には、人と人の繋がりを大切にした理念があった。
雰囲気もすごく良いですね。
僕たちはチームなので、ひとつのチームとしてお互い励ましあったりとか、困ったことがあったら手を差し伸べたりとか、そういった思いやりのあるチームを常に心がけています。
「すべて人から」という理念を作って、その理念に基づいてビジネスをやっています。
自分たちの使命を見つけて、それに向かって生きていくことで、やりがいを持って仕事ができるのではないかということはみんなに対して常にシェアしています。
やはり、自分たちがやってもらって嬉しいことはお客様も嬉しく、自分たちが望むことはお客様も望んでいることなので、そういったことは徹底していますね。
例えば、幼少期に「人が嫌がることはしたらダメだよ!」とか「挨拶は大切だよ!」「嘘をついたらいけないよ!」と教えられますが、それこそが本当の原点なんだと思います。そこをしっかりとやれば地域に愛されるお店になるし、地域に愛されるということは必要とされていることですから、それが僕たちの社会的な存在意義になってきます。THANKに関わる人や来てくれる人が少しでも心が満たされて帰ってもらえたら嬉しいよね、という話し合いはいつもしています。
こだわりの詰まったTHANKのメニュー
鶏ポタラーメン・つけめんをはじめ、変わり種の逸品や限定麺など様々なメニューを有するTHANK。
人気のメニューやこだわりについて伺った。
鶏ポタラーメンは「さらり」「とろり」「ぽてり」と3段階の濃度があるのですが、その真ん中でスタンダードな「とろり」が一番人気ですね。
まずは「とろり」を食べてスタンダードを知ってもらって、もうちょっと濃度がほしいなと思ったら「ぽてり」にする、というようにしていただけたらと思います。

鶏は鳥取の大山どりを使用していて、築地にある鳥藤さんから卸していただいています。
鳥藤さんに骨を取っていただいているので、食べやすくなっています。
ちなみにその取ってもらった骨は煮込むと美味しい出汁が取れるので、スープに使っています。

左:鶏ポタンタン麺
右:トリポターナ(パルメザンチーズとライスを追加)
はじめはラーメンとつけ麺しかなかったのですが、鶏ポタンタン麺とトリポターナはあとからできた商品なんです。
もともとはご当地ラーメンのイベントや限定麺の企画で出していたものがレギュラーメニューになりました。サラリーマンやOLさんは1週間のうちのローテーションで利用してくれていることから「いろんなものを食べていただいて、毎日でも飽きないように」というコンセプトもあり、レギュラーメニューに残しました。
毎月変わるメニューはテーマを決めるリーダーが1人いて、そのリーダーが主になって展開していっています。スタッフはみんな作る技術を持っていて、それぞれの強みや特技があるのですが、みんなで試食会をして意見を出し合って、課題を持ち帰って…ということを何回か重ねて限定麺を開発しています。
みんな、すごく良い雰囲気で案を出し合っていますよ。

これからの展望について
連日行列ができる人気店となり、2015年にはお茶の水に2号店をオープンしたTHANK。
2012年の開業当初に行ったインタビューでは、世界進出をしたいと語っていた田邉さん。現在もその思いは?
人もお店も成長していたので、早い段階から2号店を出そうとは思っていました。
物件は1年ぐらい探していたのですが、縁あって1店舗目と同様にABC店舗さんでお茶の水の物件を契約しました。
実は、今年・来年で3店舗目、4店舗目と出していきたいと思っています。鶏ポタとは違う、他のジャンルで出していきたいという想いもありますね。
もちろん、今も野望はあります!
実を結ぶかはわからないですが、海外進出は今も考えていますね。
鶏ポタラーメン THANK 店舗情報
- 住所
- 東京都港区芝大門2-1-13 芝大友ビル 1F
- 営業時間
- [平日] 11:30~15:00 18:00~22:00
[土・日・祝] 11:30~15:00 - 定休日
- 土日祝日(日中は営業)
- 業種
- ラーメン
- 注目のキーワード
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