インタビュー
長年の経験が輝く。変わらぬ店の魅力とは

食材から炭まで 長年の経験がこだわりに繋がる店
学生と古書の街、神保町。“美味しいもの“に敏感なビジネスマンと学生がさまざまな飲食店を食べ歩く、ディープな飲食街とも言えます。白山通りから一本入った小道に、灯りを燈す提灯が見える。焼鳥屋「やき龍・流石(やきたつ さすが)」はひっそりと佇む隠れた名店。
「食材は全て国産です。こだわりは炭の組み方と焼き方。天候やお客様の入り方で日によって状況が違うので、一番美味しく焼けるように、部位によっても焼き方を調節しています。そこはもう感覚ですね。」笑顔で語る店長・流石さんは、20年以上焼鳥を焼き続けています。以前は同じ神保町の店に勤め、その後四谷店に移動し10年間勤務していましたが、四谷店が立ち退きになり一念発起して2015年12月に「やき龍・流石」として独立。特徴的なのが日本酒の種類が豊富で、それぞれリーズナブルな価格で飲めるのも魅力的です。長く同じことを続けるのではなく、新しいことにも挑戦し続けているお店です。

お客様のくつろぎを大切にしつつ、 スタッフも動きやすい店
流石さんは物件探しを始めた際、居抜き・スケルトン両方で探していました。最終的に決めたのはスケルトン物件。
理由は、以前の店と動線が変わらない店を作りたかったため。いろいろな店舗でも働いていたこともあり、やはり動きやすい店舗の方がやりやすいと感じたからだそう。取材をさせていただくため来店した時、とてもスッキリした店内という印象を受けました。
カウンターは焼鳥を焼いているのが見えるようにし、ライブ感を出しています。スタッフとお客様の、近すぎず遠すぎずな絶妙な距離感を演出した店づくりとなっています。

常連客が増え続ける 人々を惹きつける挑戦
店長・流石さんはなぜ焼鳥を20年以上も焼き続けることができたのか。理由を聞いてみた。「二回も勤務地を移動しているにも関わらず、ついて来てくれるお客様がいるんです。お話をさせてもらって、お顔とお名前を覚えることで、常連のお客様が増えてきてくれることが嬉しかったです。これが一番ですね。」お客様との絆を大切にする流石さん。
日本酒が主だが、焼鳥の店では珍しくワインも取り扱っている。ワインを提供し始めたきっかけも、お客様との交流からだ。たまたまワイン関係の仕事をしていたお客様がくれたアイデアだったという。「美味しいものを提供して、お客様とお話をする。このお店目当てに来てもらえるようにしたいです。」
お酒が飲めない人でも、食事を楽しんでくれるようにと、ランチにも力を入れている。ランチパスポートに掲載させてから、ランチタイムの売上がよく伸びたそうです。注文をもらってから焼き始める焼鳥丼が大好評らしい。そのおかげで、昼に来たお客様が夜にも来てくれるようになったそうだ。新規のお客様が新たな常連客となるように、常に新しい挑戦をし続けることも素晴らしいが、店長・流石さんの優しいお人柄も関係しているのだろうと思う。
(取材日:2016年2月2日)
店舗情報【やき龍 流石(さすが)】
- 住所
- 東京都千代田区神田神保町1-52-8 Jスペース31ファーストビル 1F
- 電話
- 03-5577-6177
- 営業時間
- 11:30〜14:00 17:00~23:00
- 業種
- 居酒屋

この記事で紹介された人
流石 容孝さん
焼鳥を焼き続けて20年以上。神保町、四谷と勤務し、現在神保町にて独立。のれん分けを許され、店名もやき龍・流石(やきたつ さすが)として新たなオープンとなった。持ち前のあたたかい人柄も後押しし、長年の常連客に加え、新しい常連客も生み続ける店の店長である。
- 注目のキーワード
- おすすめの記事