飲食店での原価を抑えるポイント
ロス率
飲食店というのは他の業種と比較するとロスが多いものです。「今週はこのぐらい売れるだろう」と見込んで仕入れを行っても、思ったほどの客足がなく、せっかく仕入れた野菜や魚が大量に残ってしまうこともありえます。
これがいわゆる飲食店における「ロス率」ですが、ロス率をできるだけ少なくするためには食材の仕入れ回数を増やしてこまめに食材を購入し、生鮮などの食材は一度に大量に仕入れないことが大切です。
また、お刺身用に仕入れた魚介類が思ったほど売れない時は、唐揚げにしてマリネに漬け込む、大量に仕入れた牛肉のスジの部分はシチューにして煮込むなどの工夫をすれば、翌日に別のメニューとして売ることもできます。また、余りそうな野菜類は炒めたり、胡麻あえにしたり、お通しとして出すなどの工夫によってロスを防ぐことができます。メニューが決まっているチェーン店では難しくなりますが、小回りの利く個人営業の飲食店はこれらの機転でロス率をかなり下げることができます。
また、調味料など数ヶ月保存の利くものは、安く手に入る機会にまとめ買いしておくのもいいアイデアです。こうすると他の食材でロスが出てもその分を補うことができます。
FD比率
飲食店の原価率では「FD比率」という言葉をよく耳にします。これはFood(料理)とDrink(飲み物)の比率のことで、一般にFoodよりもDrinkの方が低い原価率のため、Drinkの売上を増やせば増やすほど利益が上がることになります。
ソフトドリンクなどは1杯あたりの原価が5円~10円ですから、価格を200円に設定しても原価率が2.5%~5%ということになります。このDrinkの売上割合をできるだけ増やせば、Foodで少しロスが出ても損失を十分に補うことができます。 したがって、できるだけDrinkの注文を増やすようなメニュー構成が重要なのです。
ちなみに一般の飲食店の場合、売上のうちFoodの占める率は80%、Drinkは20%前後というのが平均のようです。Foodで多少利益が低くても、Drinkの売上でバランスを取る。この辺りのコツをつかむのが商売上手になるためのポイントです。