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プレオープンのメリットと成功の秘訣

プレオープンのメリットと成功の秘訣

プレオープン(レセプション)とは

開業を目指し、物件契約、内装の準備、スタッフの確保も整い、いよいよ開業です。しかしはやる気持ちのまま、開業してしまうとオペレーションがスムーズに回らないため、失敗してしまう可能性も否定できません。予行演習なしで当日を迎えるのは危険です。開業日には予想より多くのお客さまが集まります。想定外のことも発生し、スタッフもパニックに陥るのです。
そのため、グランドオープンの前に必ずプレオープンを行うようにしましょう。そこで問題点を洗い出し、開業までにそれを修正し、万全を尽くした状態で開業を迎えるようにしましょう。

プレオープンとは開業の前に、試験的にオープンすることです。オープンすると、接客やオペレーションの確認や、サービスに関するお客さまの意見を聞いて、本番までに最終調整を行うためのものです。また店の宣伝にもなります。

プレオープンをするかどうかは、オペレーションの複雑さによります。雑貨やアクセサリーの販売店の場合、シンプルな業務形態なので、特に必要ないかもしれません。しかし、飲食や、検眼からフレーム調整や販売も行う眼鏡店では、オペレーションも複雑になります。この場合は、必ずプレオープンを行った方がいいでしょう。

飲食店のプレオープンの場合

飲食店の場合、開業景気で満席状態になった際に、これまでのシミュレーション通りにはオペレーションが進まず、スタッフがパニックになってしまうのです。飲食業の経験者を揃えたとしても、オーダーを入力する専用の端末の操作に戸惑い、オーダーミスする。レジの種類が異なるため、レジのキャンセル処理がスムーズに行えない。厨房の導線に慣れていないため、調理に手間取る。ホールがパニックになり、調理済みの料理が放置されたままになり冷めてしまう。入店待ちの行列、オーダー待ちのお客さま、レジの前の行列など、いたるところでお客さまを待たせてしまい、中には激高してしまう方もいるかもしれません。

一度悪い印象を与えてしまうと払拭するのは、非常に困難です。SNSを通して、またたく間に広まってしまいます。

必ず事前にお客さまに来ていただき、本番さながらの環境でシミュレーションを行うことが必要です。その際にアンケートなどでお客さまから率直な意見をいただき、プレオープン後には改善点を確認し、当日までに修正するようにしましょう。
プレオープンには、関係者や知人などを招待するレセプションスタイルのプレオープンと、実際に営業行い、「本物の」お客さまに来ていただくプレオープンのふたつがあります。
■関連ページ:実際にプレオープン(レセプション)をした飲食店のオーナーの感想

プレオープンを行うには

まずレセプションタイプのプレオープンからご紹介します。これは実際に営業するのではなく、関係者や友人、従業員の家族などを招待して行うものです。開業までにお世話になった人たちを招待して、感謝に気持ちを伝えるとともに、口コミでの宣伝効果も期待できるのです。プレオープンのステップを順に説明します。

まず日程を決めます。オープンまでに問題点を修正できるよう、オープンの1週間以上前に設定しましょう。次に招待客を決めます。感謝の意味を込めて、開店に協力してくださった方々、例えば、物件を紹介してくれた不動産業者、内装工事の関係者、材料の仕入先の業者の方、スタッフの家族や友人などを招待します。

次に宣伝効果を考慮し、影響力あり、人脈の多い人を招くのもよい戦略です。マスコミ関係者 (地域の新聞社・雑誌社の社員、WEBメディアの関係者など) 、知人の中でもフェイスブックの友人やツイッターのフォロアー数の多い人を招待すればいいでしょう。記事にしてくれたり、SNSで紹介してくれたり大きな宣伝効果を期待できます。また、近隣の幼稚園の子どもたちや、老人ホームで暮らすお年寄りを招待して、地域活性化の交流の場を設けることも可能です。

事前に地域の新聞などに連絡すると、マスコミで取り上げられ、大きな話題になります。

■関連ページ:飲食店の広報・宣伝・PR、何をすればいい?

プレオープン時のポイント

そして最も大事なのが、実際のオペレーションを考えることです。仕込みや料理提供、会計などすべてが機能するか、開店当日と同じスタッフを揃え、綿密な役割分担を行います。そして、実際にプレオープンを実施します。ここで問題になるのが、招待なので無料にするのか、お金を取るかです。それぞれのメリットとデメリットを説明します。

無料の場合は、多少のミスがあっても不満が出にくく、ストレスの少ない状態で働くと、改善点や注意点など細かなところにも気を配れます。また感謝の気持ちを伝えることができるので、招待客に喜ばれる可能性が高いのです。デメリットとしては、売上げにならず、食材・人件費のコストがかかるので、開業前の初期費用が膨らみます。また、招待客は無料のため遠慮して、マイナスの意見が出にくいというケースがあります。さらにレジ業務のシミュレーションを行うことができません。

逆に有料の場合はどうでしょうか。メリットとしては、食材・人件費を回収できるので、オーナー側の負担が少なく実施できます。また、お客さまもお金を払うことによりシビアな意見をいただけるので、開業の際の参考となるでしょう。デメリットとしては、招待客が集まりにくく、本番さながらのシミュレーションが行えないといった点が挙げられます。無料にするか有料にするかは、感謝を伝える、宣伝効果を狙う、開店当日の予行練習を行うなど、どの目的に重きを置くかによります。無料にするにしても擬似的にお金のやりとりをする、有料の場合でも感謝の気持ちを込めて半額にするなど、工夫によってデメリットを補うことも可能です。

次に実際の営業を行うスタイルのプレオープンについてご紹介します。これは開業前に試験的にオープンし、限定的な営業を行うというものです。プレオープンにあたっては平日のみの営業にしたり、営業時間を短くしたり、提供するメニューを看板メニューのみに絞るなどの工夫が必要です。このように少し余裕のある形で実際のオペレーションに慣れていくという方法です。飲食店未経験者の場合、このような試験的なオープンを1ヵ月程度実施し、ある程度経験を積んだうえで、本格的なオープンをするケースもあります。

プレオープンが終わると

プレオープンが終了すると、そこから反省会が始まります。むしろプレオープンが終わってからが本番という心構えが必要です。仕入れ・仕込み・バックヤードのオペレーションについて確認します。仕入れや仕込みの量は適切だったが、厨房機器類の操作は円滑に行えていたかをチェックします。ここが最も重要な部分です。ここに問題があると、すべてのサービスが停まってしまいます。次に接客・ホールのオペレーションです。ミスなくオーダーが取れているのか、レジ打ちにミスはないのかを確認します。開業当日は気分も高揚し緊張するので、ミスをするものです。ミスの発生を想定に入れ、オーダーの訂正や、レジのキャンセルや打ち直しの操作がスムーズに行えるかも必ずチェックしましょう。また、厨房やキッチンオペレーションに関しては、衛生面に問題はないか、料理の提供時間は守れているかなどを細かく確認しましょう。

そしてお客さまの意見の集約です。帰り際にアンケートに答えてもらってもいいですし、親しい間柄なら率直に意見を言ってもらいましょう。味はどうだったか、価格の設定は適切か、サービスに不満はないか忌憚なき意見はとても貴重な情報です。それを参考にしどうすれば、お客さまにもっと喜んでいただけるかをスタッフの間で話し合います。看板メニューの味にもっと磨きをかける、ピークタイムのオペレーションのシミュレーションを繰り返すなど当日までにやることは山積みです。せっかくのプレオープンを実施したコストや足を運んでくださったお客さまの気持ちを無駄にしないよう、最後の一踏ん張りです。
また当日の様子をSNSやブログにアップするのもよいでしょう。

開業が近づくと、楽しみで心が高揚する反面、うまく行くだろうかという不安もつきものです。飲食店などオペレーションが複雑な職種では、グランドオープンの前に必ずプレオープンを行いましょう。日ごろお世話になっている人や近隣の住民、マスコミ関係者などを招待し、無料や半額でサービスを提供すれば、感謝の気持ちを伝えられますし、高い宣伝効果も期待できます。プレオープンでオペレーションや接客などに問題がないか確認し、最終調整を行います。そうすれば、万全の体制でグランドオープンを迎えることができ、開業の成功につながるでしょう。

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