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効率の良い飲食店運営のためのマニュアル作成のすすめ

効率の良い飲食店運営のためのマニュアル作成のすすめ
複数の人間で飲食店を運営するときに便利なのがマニュアルです。マニュアルがあれば業務を効率的に行うことが可能になります。
しかしせっかくのマニュアルも、正しく理解しなければ無駄になってしまうかもしれません。
本記事では、飲食店運営のためのマニュアルについて説明していきます。

飲食店のマニュアルとは

飲食店に勤めたことがない人の中には、「飲食店にマニュアルって必要なの?」と思う人もいるようです。
夫婦で経営している定食屋などは、旦那さんが料理をして奥さんが料理を運ぶスタイルが多く見られます。こういったお店ではマニュアルを作っていないこともあるため、飲食業にマニュアルが必要かどうかを疑問に思う人がいるのも当然かもしれません。

確かにこういったお店は長年の経験に基づいて適切な判断をできる人が運営しているため、マニュアルがなくてもなんとかなります。
しかし夫婦のどちらかが入院などして働けなくなり、バイトを雇った場合などはいきなり困ることになります。経営者はお店の運営に加えてバイトの教育までしなければなりません。
飲食店の運営において、いざという時のためにマニュアルがあった方が便利です。

マニュアルというと接客に使うイメージがありますが、店舗を清潔にしたり、火の不始末を防いだりなどにも使えます。安全でお客様に快適なお店を維持するためにも、マニュアルは作っておくべき資料なのです。
お店が大規模になったときや支店を開業したときにも、マニュアルがあると業務の効率化が図れます。
まずは飲食店に最低限必要となる4つのマニュアル作りからはじめましょう。

基本マニュアル

お店の根本的な部分を従業員にわかってもらうためのマニュアルです。
お店の席数や設備といったハード面の説明や、店舗運営のコンセプトなど、従業員が遵守すべき規則や業務にあたっての心構えなどを記します。
例えば「活気のあるお店」がコンセプトのお店であれば、挨拶は大きな声で元気よくする必要があります。しかし「落ち着いたお店」がコンセプトなのであれば、あまり大声で挨拶するとお店の雰囲気が壊れてしまいます。

また、「回転率の高いお店」を目指しているのであれば早く品物を提供することが求められますが、「美味しいものをゆっくりと味わってもらうお店」であれば、多少時間はかかっても丁寧なサービスをしなければならないことがマニュアルから伝わります。
基本マニュアルは次から紹介する3つのマニュアルの基礎となるものなので、よく考えて作ってください。

作業マニュアル

飲食店で行う作業全般を記したマニュアルです。
フードやドリンクの作り方はもちろん、お客様にご挨拶する際の文言、お客様を席にご案内する時の作法、会計の方法、お客様をお見送りするときの行動などに言及する必要があります。こういった部分はお客様から見える部分なので、マニュアルを作る際には細心の注意を払ってください。

特に大切なのは、フードやドリンクをこぼしてお客様の服を汚したときや、店員がお客様とぶつかってしまったとき、メニューの品目が品切れのときなど、お客様に迷惑をかけた場合のマニュアルです。お客様を失うことになりかねない事態なので、最善の対処が求められます。
また、お客様から見えない部分についても書く事柄がたくさん存在します。たとえばお店の営業時間外にお店を開けたり戸締まりをしたりする方法や、掃除やゴミ出しのやり方などです。

食品衛生管理マニュアル

読んで字のごとく、食品の衛生管理に関わるマニュアルです。
食品の廃棄についての規定はもちろんのこと、食品の保存方法、調理器具の消毒のやり方、食器洗浄の際の注意点、食品に触る前の手洗いの方法、さらには身だしなみなどについても細かく記載してください。
地味な部分に思えるかも知れませんが、これを怠ると食中毒が発生して営業停止になることがあります。食中毒で営業停止になると、たとえ営業を再開できても「食中毒を出した店」というレッテルを貼られて客足が遠のきます。

飲食店を営業していると食品の扱いに慣れてしまって、しばしば衛生面を軽視がちになります。人の口に入るものを扱うという意識を従業員に徹底させるためにも、食品衛生管理マニュアルはしっかりとしたものを完備してください。

スタッフオペレーションマニュアル

飲食店運営のルールや従業員の役割分担を定めたマニュアルです。
作業マニュアルに似ていますが、作業マニュアルが「各作業をどのように行うか」を定めたものなのに対して、オペレーションマニュアルは「誰が」「いつ」「どこで」「何を」行うべきかを明記したものです。
「Who(誰が)」「Where(どこで)」「What(何を)」「When(いつ)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」のことを5W1Hといいますが、作業マニュアルが「How」を表し、オペレーションマニュアルが「Who」「Where」「What」「When」を表していると考えてください。
閉店作業を例にして説明すると、作業マニュアルでは「裏口のドアの鍵を閉めてから帰る。鍵は各自責任を持って保管する」という記載になります。しかしオペレーションマニュアルでは、「店を閉めるのは当日の責任者で、23時までに閉店作業を行う」といった内容になります。
店舗が大きくなるほど、「誰が」「何を」するのかは非常に大切です。これを行わないと、違う従業員が同じお客様に何度も注文を取ってしまったり、既に消毒した設備を別の従業員がもう一度消毒してしまったりなどの無駄な作業が発生してしまいます。

オペレーションマニュアルには、クレーム対応の担当者は対応方法、店長不在の場合のお店の指揮系統の代行者など、不慮の事態に備えたときのことまで記しておくのが理想的です。

スタッフのサービス向上マニュアルの目的

マニュアルは作ったらそれで終わりではありません。必要に応じて更新する必要があります。全く更新しないと、スタッフのサービスがいつまで経っても向上しないからです。
サービスを向上させるためには、現場スタッフの声が大切になります。お客様と直に接して気になったことや、作業の上で非効率と感じたことなどについて、オーナーが従業員から話を聞いて、マニュアルを改善していくことが必要になります。

お客様が求めるサービスは時代の流れとともに変わっていきます。時代の流れにしっかりとついていき、経営している飲食店にリピートして来店してもらうことがマニュアル向上の目的だと考えてください。

マニュアル化のメリット

サービスの標準化と均一化

マニュアルに沿えば誰でも同じように業務を行えるので、従業員による差が少なくなります。お客様からすれば、全従業員から同じサービスを受けられるという安心感を得られるのです。

教育コストの削減

新しい従業員を雇ったときに仕事を教えるのは手間がかかります。しかしマニュアルがあれば、それに沿った教育ができます。新従業員がいち早く戦力になれるため、マニュアルの完備は非常に効率が良い方法です。

マニュアル化のデメリット

マニュアルに不備がある可能性がある

マニュアルに間違いや問題があると全従業員に影響がでるため、被害が甚大になります。

従業員がマニュアル以外の行動を行わなくなる

マニュアルでがんじがらめにすると、従業員は「マニュアルさえ守っていれば問題ない」と考えるようになります。フレキシブルなサービスでお客様に喜んでもらうよりも、マニュアルを優先してしまう可能性があるのです。
サービスの本質を見失ってしまうことに繋がるので、マニュアルにもある程度のゆとりは必要です。

マニュアルは効率的な飲食店運営のために大きな効果があります。
しっかりと練り込まれたマニュアルは、お客様と従業員、そしてオーナーにも利益をもたらすのです。

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