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事業計画書は楽しみながら作成しよう #専門家コラム

事業計画書は楽しみながら作成しよう #専門家コラム

多くの開業希望者は、融資を申し込む際の事業計画書を作ることにとても戸惑います。
融資を断られたくないという気持ちが強いため、「いい事業計画書を作らなきゃ」と思えば思うほど書けなくなってしまうようです。
私は、そのような方へ「もっと楽しみながら作りましょう」とアドバイスをしています。
今回は、楽しく事業計画書をつくるためのヒントをお伝えします。

1.まずは楽しくブレインストーミング

最初から「創業計画書」の様式に書き込むのではなく、まずは項目ごとに自由に思いつくことを書き出してみることをお勧めします。
つまり1人でブレインストーミングを行うのです。もし協力してくれる人がいれば、一緒にやるといいでしょう。

たとえば、「創業の動機」であれば、「長年の飲食経験を生かしたい」「○○駅を利用する方へ楽しんでいただける店にしたい」など、たくさん出てきます。
それを付箋紙に一つひとつ書いて、模造紙などの大きな紙に貼りつけていきます。

「事業の見通し」の項目は、売上や経費の予測をする必要があるのでハードルが高くなりますが、この方法で検討すれば見えてくるはずです。少しずつ書き出していくと、自分の頭の中が整理されてきて、いつの間にか泉のように次から次へとアイデアが湧いてくるものです。

最終的にその中から、エッセンスとなるものを厳選して実際の創業計画書に記入するのです。

この作業を行うと、頭でモヤモヤと考えていたことが整理されて、短時間で文字にすることができます。また、ビジネスプランがしだいに具体的に見えてくるので、とてもワクワクしてきます。
完成した暁には、目の前がパーッと明るくなる感覚を覚えることでしょう。
事業計画書を作る作業を行うことによって、自分のお店の成功イメージが湧いてくるからです。

2.事業計画書をつくることの効果とは

でき上がった事業計画書で審査にパスすれば、金融機関から見てもあなたのお店がうまくいくと判断されたことになるので、自信をもってお店を始められます。
また、創業融資が受けられると、金融機関からの信用度が大きくアップします。開業後の資金調達もしやすくなるといえます。

事業経営では、「何かを求めて策を講じて仕掛けていく」という行動を繰り返して、成果を得ることが醍醐味です。目論見通りにうまくいったときは、大きな喜びと達成感を感じることができます。
開業資金を調達することは、その行動の第一歩だと考えると、前向きな気持ちで取り組むことができるでしょう。

また、融資用の事業計画書を作ることは、資金を調達できるだけではなく、副次的な効果もあります。事業経営でもっとも大切な、お金に関するノウハウを得ることもできるのです。
「何にいくら投資すればいいのか」、「経費はどれくらいかかるか」、「売上をどれくらい上げれば採算がとれるか」、といったことを検討することで、実際に開業した後の計数感覚を研ぎ澄ます訓練になります。

経営者で数字(お金)に弱い人は、長く事業を続けることはできません。融資用の事業計画書を作るプロセスを通じて、経営に役立つ数字を学んでおけば、経営者としての能力も高まるのです。
事業計画書を作ることは、ビジネスの成功を引き寄せる大きな効果があるので、ぜひ楽しみながらやっていただきたいと思います。

 

まとめ

ほとんどの方が「事業計画書をつくるのは難しい」と考えていますが、自分がやりたい店を想像しながらアイデアを出していくと、とても楽しいものです。
また、事業計画書をつくる経験は、開業した後に大きな効果をもたらします。ぜひ楽しみながら作ってください!

 

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記事を書いた人

上野 光夫 氏

株式会社 MMコンサルティング 代表取締役・中小企業診断士

1962 年鹿児島市生まれ。九州大学を卒業後、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)に 26 年間勤務し、主に中小企業への融資審査の業務に携わる。3万社以上の中小企業への融資を担当した。融資総額は約 2,000 億円。

2011 年4月にコンサルタントとして独立。起業支援、資金調達サポートを行うほか、研修、講演、執筆など幅広く活動している。資金調達サポートでは、年間約 100 社の融資を成功に導いている。リクルート社『アントレ』などメディア登場実績多数。

主な著書

『起業は1冊のノートから始めなさい』(ダイヤモンド社)
『「儲かる社長」と「ダメ社長」の習慣』(明日香出版社)
『事業計画書は1枚にまとめなさい』(ダイヤモンド社)

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